【歯科開業サバイバルシリーズ:第3回】チェア5台スタートは自殺行為。スタッフゼロでも回るミニマム設計の極意
今回は、開業準備の中で最もドクターの自己満足と見栄が爆発するフェーズ、「ハコ(ハコ・設計・DX設備)」についてです。
最初に断言します。
「最初からチェアを5台並べ、フルスペックの最新機器を揃えて開業するドクターは、ディーラーにとって最高のカモであり、自ら経営の首を絞める自殺志願者です」
何度も言いますが、現代はスタッフ(特に歯科衛生士)が採用できない時代です。それなのに、なぜかドクターたちは「最初から完璧な城」を作りたがります。誰も座らないユニット、使われもしない最新機器を眺めながら、毎月の容赦ないリース代だけが口座から引き落とされる恐怖を、今回も綺麗事抜きで解説します。
1. 院長の見栄の象徴:「ガラクタ・インテリア」のワースト2
開業前、ディーラーは先生の自己顕示欲を巧みに刺激してきます。
「先生の腕なら、これぐらいの設備は当然ですよ」
「これからは予防の時代ですから、衛生士が輝く空間を作りましょう」と。
その結果、多くの医院で導入され、開業初年度に「全く使われない高額なインテリア(ガラクタ)」と化すワースト2がこちらです。
❌ ワースト①:歯科衛生士(DH)専用チェア
「予防専用の個室を」と、初期から意気揚々と導入するドクターが多すぎます。
現実はどうですか? そもそも肝心のDHが採用できない。
「オープニングスタッフ」といえば人が集まる時代は、とっくの昔に終了しています。
奇跡的に数名を採用できても、開業初期からメンテナンスの患者でアポが埋まるわけがありませんよね。
結果、その高級チェアはただの荷物置き場になるか、一般診療の患者が溢れたときに院長がしぶしぶ使う「無駄に高い普通のチェア」へと成り下がります。
❌ ワースト②:特設「オペ室」
「インプラントをやるならオペ室が必要だ」と、貴重な坪数と莫大な内装費をかけてガラス張りのカッコいい個室を作ります。
現実はどうですか?
年間に数本しか打たないインプラントのために作られたその部屋は、1年のうち360日は「開かずの間」です。
ただの物置きになるか、無駄に広いカウンセリングルームとして使われるのがオチです。
これらはすべて、「院長がスタッフや患者に対してハクをつけたい」というだけの自己満足です。ハコだけ大きくして中身(スタッフと患者)が伴わない医院は、内側から資金が腐っていきます。
2. 性善説を捨て、初日から仕込むべき「セキュリティの檻」
ハコを大きくすることに命をかけるのに、ドクターたちが致命的に見落としているのが「院内の防犯・ガバナンス」です。
スタッフを信じたい気持ちは分かりますが、経営者は性善説を捨てなければなりません。お金が合わない、材料が消える、カルテのデータが持ち出される――スタッフが魔が差して犯罪に手を染めてしまうような「隙のあるハコ」を作ること自体が、院長の怠慢であり経営からの逃避です。
初日から、以下のセキュリティはマストで導入してください。
防犯カメラの設置(受付・待合室・バックヤード): スタッフの不正防止だけでなく、理不尽なクレーマーから医院とスタッフの身を守るためにも必須です。
院長室の鍵、スタッフルームの鍵付きロッカー: 「家族みたいなアットホームな職場だから」と鍵をつけないのはただのバカです。パキッと規律をへし折るように、超えてはならない一線をハード(鍵)で示す必要があります。
✂️ ─── ここから先は、メンバーシップサロン『歯科医院の経営と現場をつなぐ研究室』限定記事です。 ─── ✂️ここからは、スタッフが最悪「ゼロ」になっても絶望せずに1人で回しきれる、「ミニマム設計とDXの生存戦略」の具体策を提示します。
設備投資に優先順位をつけるとき、最も重要な基準は何か分かりますか?【あとから導入するのが大変なもの】から順番に選ぶのが絶対原則です。後からの変更が事実上不可能な「初日から導入すべき必須インフラ」の正体を解説します。自分の見栄を捨て、本当に「残る利益」を最大化したい先生だけ、この先へ進んでください。
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