【国会中継】命の航路と農家を救え!現場に寄り添う質疑(2026.5.27)
本文書は、2026年5月27日の決算委員会における、離島航路の維持および農業資材・燃料価格高騰に対する政府の対応に関する審議内容をまとめたものである。
主な論点は以下の通りである。
離島航路の危機的状況: 中東情勢の悪化に伴う燃料価格の高騰と、人口減少による乗客減が重なり、減便や航路廃止の危機が深刻化している。
現行補助制度の限界: 国の補助要件である「唯一かつ赤字」という条件が、多角的な経営努力や地域の実情に即しておらず、支援の死角となっている。
安全対策とコスト負担: 知床遊覧船事故を受けた安全基準の厳格化に伴う設備投資が、中小事業者の経営を圧迫しており、離職や撤退の要因となっている。
農業資材の供給不安定: ビニールや肥料、包装資材の価格高騰に加え、一部で発注制限や需給の目詰まりが発生しており、生産現場に混乱が生じている。
政府側は、激変緩和措置による燃料価格の抑制や、DX・GXへの支援、安全設備導入への補助を強調したが、補助要件の緩和や抜本的な人財確保策については慎重な姿勢に留まっている。
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1. 離島航路の維持に向けた現状と課題
離島航路は、島民の生活・経済を支える不可欠な交通インフラ(ナショナル・ミニマム)であるが、現在、外部要因によりその存続が危ぶまれている。
燃料価格高騰による具体的影響
香川県(小豆島): 高松ー小豆島(殿島)間の高速艇が、燃料高騰により1日15便から8便へと大幅な減便を余儀なくされた。
広島県(厳島): 人口減少に加え、燃料高騰が追い打ちをかけ、通学・通勤の足としての航路維持が困難な状況にある。
サーチャージの導入: 運賃への上乗せ(サーチャージ)を検討せざるを得ない状況にあり、利用者の負担増が懸念されている。
現行の燃料価格抑制策とその実態
経済産業省は以下の措置を講じているが、現場では依然として価格高騰の影響が及んでいる。
施策内容
詳細
激変緩和措置
ガソリン・軽油・重油に対し、元売り企業へ補助金を支給。小売価格を一定水準(170円程度)に抑制。
優先供給要請
元売りに対し、公共交通等の重要分野への優先販売や、前年同月比での同量供給を要請。
情報提供窓口
供給の偏りや流通の目詰まりを解消するための相談窓口を設置。
補助制度の「要件」に関する議論
現行の国による運営費補助制度には「唯一かつ赤字」という厳格な要件がある。
問題点:
経営努力で黒字を維持している場合や、複数の事業者が競合している場合には補助が適用されない。
無理な減便によって黒字を維持しているケースもあり、数値上の収支だけで判断することの弊害が指摘されている。
要望: 全国知事会等からも、この「唯一かつ赤字」要件の緩和と、コスト増に対する実効性のある援助が求められている。
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2. 輸送の安全確保と船員不足への対応
安全対策の強化は必須である一方、そのコスト増が事業継続の障壁となっている。
安全設備の搭載義務化と支援
2023年の改正海上運送法に基づき、小型旅客船への救命いかだ等の安全設備搭載が順次義務化されている。
国の支援: 補正予算を活用し、購入費の2/3を支援する事業を実施。
現場の懸念: 補助があっても残りの自己負担や維持費が重く、真面目な小規模事業者が撤退を検討する事態が生じている。
深刻な船員不足と養成機関の危機
船員の確保は、内航運送の自国船規制(カボタージュ規制)を維持する観点からも国家的な課題である。
現状: 船員不足を理由とした減便や撤退が発生している。
養成機関の苦境: 国立館山海上技術学校において、教員の確保困難を理由に入学生の募集停止が決定された。運営が寄付金やネーミングライツに頼らざるを得ない実態が明らかになっている。
政府の対応: 海技教育機構による年間400人程度の船員輩出や、新人訓練への助成、陸上からの転職促進に取り組むとしている。
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3. 農業資材・燃料等の高騰と供給体制
農業分野、特に施設園芸においては、暖房用燃料および資材の価格高騰が経営を直撃している。
資材調達の混乱
供給制限: 農業用資材メーカーの一部で、前年実績比で最大4割の出荷制限や、受注停止が発生している。
不足している品目: ハウス用ビニール、マルチ、ウレタンマット、塩化ビニル管など多岐にわたる。
現場の声: 中東情勢悪化前から値上がりが続いており、必要なものが適時に手に入らない「目詰まり」への懸念が強い。
農林水産省の認識と対応方針
需給認識: 全体としては供給量に問題はないと確認しているが、一部で駆け込み需要や在庫確保のための過剰発注が目詰まりを招いていると分析。
個別対応: 30項目の資材について実態把握を行い、問題がある個別ケースには相談窓口で対応する方針。
今後の支援: 補正予算において、物価高騰やリスク最小化の観点から必要な政策を検討し、臨機応変に対応するとしている。
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結論
離島航路および農業の現場は、国際情勢に起因する燃料・資材価格の高騰により、地域コミュニティの維持が困難な瀬戸際に立たされている。政府は激変緩和措置等の現行制度による対応を強調しているが、支援制度の要件(唯一・赤字要件)が現場の実態と乖離している点や、人財養成機関の基盤弱体化など、構造的な課題への抜本的な対策が強く求められている。
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