私がケンカップルBLを嫌いになれない、納得の理由を見つけた話
「だったら最初から普通に話せばいいのに」と思いながら、私は今日もこういう作品にハマる
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「嫌いだった相手を好きになる」展開の作品やキャラ設定が、私は昔から少し不思議だった。
もちろん私にも好き嫌いはある。
むしろ第一印象や雰囲気で苦手だなと思うことは結構ある。
でも、だからといって相手に失礼な態度を取ったり、わざと突っかかったりはしない。
好き嫌いと態度は別の話だと思っているから。
たぶん私は小さい頃から、人間関係を少し引いた位置から見ていたところがある。
実際、学生の頃もそうだった。
やたらからかってきたり、嫌なことをしてくる男の子がいて、本気で嫌いだった。
ところが後になって、
「好きだったと告白されたり」
「実は好きだったらしい」
「気になっていたらしい」
と友人経由で聞くことが何度もあった。
そのたびに思った。
だったら最初から普通に接すればいいのでは?
私は相手の行動に対して相応の対応をしただけなのに、相手が泣いたり傷ついたりすることもあった。
正直、意味が分からなかった。
自分から攻撃してきたのに、なぜ傷つくのだろう。
でも大人になって考えると、少し分かる気もする。
あれは好意そのものというより、
「反応が欲しかった」
のかもしれない。
構ってほしい。
気にしてほしい。
見てほしい。
だから刺激する。
だからわざと反応を引き出そうとする。
そう考えると理屈は分かる。
でも私が不思議だったのは、「嫌いから好き」になることそのものではない。
その感情がどこから生まれたのかが見えなかったからだ。
本当は嫌いではなく、ただライバルとして意識していただけだったり。
相手に負けたくなくて、だから目が離せな。
そういう話なら分かる。
相手を誤解していて、本当の事情を知って見方が変わった。
最初から悪い人ではなかったのに、見えていなかっただけだった。
そういう話も好き。
一緒に困難を乗り越えるうちに、信頼が生まれた。
背中を預けて初めて分かることがある。
そういう積み重ねで好きになるなら納得できる。
表面上はぶつかっていても、その奥にはずっと興味があった。
突っかかっていたのは、本当は気になっていたからだった。
そう分かった瞬間、それまでの言動の意味が全部変わる。
こういう流れが見えるなら納得できる。
むしろ好きですらある。
そして振り返ると、私が面白いと思った作品には、この流れがよく出てくる。
最初は反りが合わない。
誤解している。
駆け引きをしている。
立場が違う。
でも少しずつ相手を理解し、気づけば絆されている。
振り返ると、私が好きになった作品には、そんな流れがよく出てくる。
例えば、
『キスは捜査のあとで』すう (著)
立場上ぶつかるしかない二人が、それでも少しずつ相手を見ていく話。
最初は反発しているのに、気づけば相手を見る目が変わっている。その変化が気持ちいい作品。
『俺が好きなら媚びてみろ』里つばめ (著)
駆け引きと攻防がそのまま関係性になっている作品。
「なんでそんな言い方するの?」と思いながら読んでいるのに、気づけば全部コミュニケーションになっているのが面白い。
『毒を喰らわば皿まで』戸帳さわ (著), 十河 (著)
見えているものと本当の姿が少しずつズレていき、「理解できなかったものを理解していく」が印象的な作品。漫画も小説もおすすめ。
最初に抱いた印象がひっくり返る瞬間が好きな人には刺さると思う。
『フェイクファクトリップス』末広マチ (著)
信頼が生まれる瞬間の描き方が好きな作品。
恋愛というより、「この人なら大丈夫かもしれない」という安心感が積み上がっていくのが良い。
里つばめ作品
上でも作品上げたけど、気づいたら好きになっていた、という読後感がある作家さん。
『憂鬱な朝』日高ショーコ (著)
身分や立場の壁を越えながら、お互いを理解していく過程が丁寧に描かれる作品。
読み終わった後に「ああ、この二人だから良かったんだな」と思える名作。
『鬼と天国』お吉川京子 (著), 阿賀直己 (著)
最初から分かりやすく仲が良いわけではない。
相手の事情や抱えているものが少しずつ見えてきて、読者自身の見方も変わっていく作品。
読んでいるこちらまで絆されていく感覚がある。
もちろん内容はそれぞれ違う。
でも私が惹かれている部分は、意外と同じなのかもしれない。
面白いのは、私は今でも反りが合わない二人やケンカップルを見ると、
「いや、普通に話せばいいのに」
と思うことだ。
なのに、なぜかそういう作品にハマることがある。
読んでいる途中は、
「その言い方しなくてもいいじゃん」
「そこで素直になればいいじゃん」
「もっと優しく接して話してよ」
と思っている。
でも気づけば夢中になっている。
不思議だった。
でも最近、その理由が少し分かった気がする。
私はキャラクター達と同じことをしていたのだ。
キャラクター達は最初、相手を理解できない。
反りが合わない。
距離がある。
時にはぶつかる。
それでも少しずつ相手を知り、理解し、認めていく。
そして気づけば絆されている。
一方の私は、
「こういう展開苦手だな」
と思いながら作品を読み始める。
でも読み進めるうちに、
「なるほど、そういうことか」
と理解する。
そして気づけば好きになっている。
結局、
「理解できなかったものを理解して好きになる」
そして振り返ると、私が面白いと思った作品には、似たような流れがよく出てくる。
作品を読んでいる私自身も、同じことをやっていたのだ。
だから私は、こういう作品にハマる。
私が惹かれていたのは、ケンカや反発ではなかった。
その先にある理解だったのだと思う。
だから今日も、
「だったら最初から普通に話せばいいのに」
と思いながら、
まんまとそういう作品に絆されている。
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