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calm_donkey8893
詩『月』
この宵の月はとこしへ
かくしあらば、君といながら
夢になさまし
月光に照らされし 花咲みて
笑まひし君を とこしへに
かくし見むと 我は願へど
花のさかりは 久しくあらず
春の霞の たなびくごとく
うつろひやすき 世のならひかも
露にぬれたる 花の命を
いとほしと思ひ 胸に抱きつ
ひさかたの 春のひととき 花咲きて
君が笑まひは 夢とあらめや
はかなきは 花のいのちか 人の世か
君がほほゑみ 胸にとどめむ
現代語訳
この宵の月が、永遠にこのままであればよいのに。
そうであれば、君と共に過ごす今を、
そのまま夢として抱きしめたい。
月の光に照らされて花が咲くのを眺め、
微笑むあなたを、私は永遠に見つめていたい
と願う。
けれども、花の盛りは長くは続かない。
春霞がたなびくように、すぐに移ろいゆくのが
世の常なのでしょう
露に濡れてはかなく散っていく花の命を、
いとおしく思い、胸の中で抱きしめています。
