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3Dプリンターの失敗品を溶かして再利用するのは現実的か?

数年前、3Dプリンタ失敗品を再生できるという触れ込みで小型押出機がいくつか出てきていた。今もあるけど実際にやっている人は少ないのではないだろうか。個人の場合、定常的に3Dプリンタ失敗品の再生を押出でやるのは労力に合わないと思われる。正直なところ自分はお勧めしない。実験で試したり、環境の面からは再生して使うことはもちろん重要。だけど個人でフィラメントを粉砕再生材だけで作ろうとするのは現実的ではないと思う。なぜか?

①粉砕が大変
おおがかりな粉砕機がいる。紙のシュレッダーレベルではないごついもの。ごくたまにしか使わないのに大掛かりな粉砕機を持つのは効率が悪い。粉砕だけでなく、溶かす前には粉砕した粉を乾燥することも必要。細かいことをいうと粉のサイズ別の分級もいる。

②押出が安定しない
粉砕ができても、そのまま粉を押出機にいれるとスクリューにまとわりついて樹脂がうまく送り出せない。吐出量が不安定になってしまうのでまともに安定した径のフィラメントが作れない。現実的には一旦粉砕品をリペレットして、ペレットの形に戻さないと無理。バージン材と一緒に少量の粉砕品を混ぜて使う形ならまだ可能性はあると思う。

③樹脂の特性が落ちる
特にPLAの場合は3Dプリント時にかなり加水分解してしまっているので、もとの樹脂のような流動性にならない。ドロドロの水あめみたいな特性になる。押し出してもドローダウンでまともにフィラメントの形状を維持できない可能性が高い。ABSならまだ可能性はあるかもしれない。

④違う種類の樹脂が混ざるとNG
PLAとABSなど違う種類の樹脂が混ざってしまうと、溶かしたときにうまく混ざり合わない。一つだけしか樹脂を使っていないなどであれば仕分けは楽だが、いくつも樹脂を使っていると、間違えて別のところに入れて混ざってしまうということもありうる。樹脂の混入があると、とたんに押出機の吐出が不安定になる。運が悪いと押出機を止めてパージをやり直さないといけなくなってしまう。

⑤正直なところかなり大変
たとえ作れても少量。品質も落ちる。それ用の装置もいる。かける労力にたいしてたぶんまったく見合わない。たぶんバージン材から作ったほうがはるかにラク。

粉砕材の再利用が難しいのでは、というのは押出でフィラメントを作る場合の話。たぶん射出成型での利用なら粉砕品でもそこそこいけると思う。これならおすすめしたい。実際にやっている方もいる。射出成型は粉砕品を入れても事前に十分な時間をかけて溶かした上で射出できるから成り立つ。押出は常に一定の圧力で樹脂を吐き出し続けないといけない。ここが大きく違う。

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