見出し画像

CES2026が終わり、ダボス会議が始まる。

 今年も、ラスべガスで、CESが開催。ロボットとAIのCESだったようです。そして、いよいよ、ダボス会議が、来週から始まります。2026年は気候変動(COP)、生物多様性(COP)、砂漠化対処(COP)という、国連の主要な環境3条約の締約国会議がすべて開催される、「トリプルCOP年」で、特にネイチャーポジティブにおいてはさまざまなルールー形成が見受けられ、今後の動向(進むのか、進まないのかなど)を占う年になりそうです。その最初の1月の欧米それぞれでのビックイベント。

 今日は、CESのテクノロジーを振り返りつつ、ダボス会議における自然関連のイベントをご紹介します。合わせて、ダボス会議をオンラインで参加する方法もご紹介します。今日も楽しんでいってくださいね!



1.CESで見られた技術最前線

 2026年1月は、世界最大の技術見本市「CES」がラスベガスで閉幕した直後、世界のリーダーたちがスイスに集う「ダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)」が幕を開けようとしています。
 まずは、CES 2026を振り返ってみましょう。
 CES 2026のヘッドラインを飾ったのは、やはりAIや人間型ロボットといった華やかなテクノロジーです。CES全体として、持続可能性はAIやロボティクスと融合した形で進化しており、ネイチャーポジティブの実現に向けた技術の裾野が広がっていると感じられます。

自然を直接「回復」させるテクノロジーの登場

 例えば、直接「自然を回復させる」こんなテクノロジー。

  • 自律型水浄化システム(GENKS社)
    GENKS社の「Water Purification System」は、テクノロジーが自然への負荷を減らすだけでなく、積極的に「増やす」側に回ることを示す画期的な事例です。これは単なるフィルター装置ではなく、ロボット工学、AI、太陽光エネルギーを駆使し、汚染された水域を自律的に浄化します。その最終目標は、水をきれいにすることに留まらず、その場所を再び生物が豊かに暮らせる「健全な生態系」へと回復させることにあります。

  • 海洋生態系を見守るロボットタートル(Beatbot社)
    Beatbot社が発表した水中ロボット「RoboTurtle」は、テクノロジーと自然の共存がいかに繊細なレベルで可能かを示しました。これはカメの形状を模した水中ロボットで、太陽光パネルを搭載し、水面に浮上して自動充電します。自然な泳ぎ方で水中を移動し、珊瑚礁や魚類の個体数を非侵襲的に監視します。人間のダイバーが近づくと生態系を乱す可能性があるのに対し、このロボットは目立たず長期間のデータ収集が可能です。海洋環境のモニタリングツールとして設計されており、気候変動や汚染による珊瑚白化などの問題を早期に検知する役割を果たします。CES 2026では、環境研究の未来を象徴する製品として評価されました。このような技術は、海洋生物多様性の保護と回復を支援し、ネイチャーポジティブな海洋管理に寄与します。

  • 汚染された自然環境を積極的に回復させる技術(MP GEOTEX社)
    MP GEOTEX社のMP Cocoonシステムは、生物を利用した修復(バイオリメディエーション)として注目されました。この技術は、きのこ(菌類)の力を活用したマイコリメディエーション(mycoremediation:菌類修復)で、汚染土壌を現場で浄化します。汚染された土壌を特殊な膜で包み、酸素を供給しながら菌類を導入すると、菌糸が有機污染物や重金属を分解します。従来の方法のように重機で土壌を掘り起こして運び出す必要がなく、現場で完結するため、二酸化炭素排出を大幅に抑えられます。CES 2026の展示では、このシステムが「ディーゼルトラックを一切使わずに土壌を癒す」革新的なソリューションとして紹介され、持続可能な土地再生の可能性を示しました。

人と自然を「つなぎ直す」テクノロジーの広がり

 また、日常生活の中での自然には、こんなテクノロジーが登場していました。

  • 庭先を自然観察の最前線に
    Birdfy社やFeatherSnap社が発表したスマートバードフィーダー、そしてBirdbuddy社の新製品群は、AI搭載カメラが飛来した鳥を自動で識別し、美しい映像で記録、スマートフォンに通知します。FeatherSnap社のスマートバードフィーダーは、人工知能(AI)を搭載した太陽光駆動の鳥用餌台で、モーションセンサー付きのWi-Fiカメラを内蔵しています。鳥が近づくと自動的に高解像度の写真や動画を撮影し、専用アプリを通じてリアルタイムで通知します。AIが鳥の種を即座に識別し、ユーザーに種名や生態情報を提供する機能が特徴です。また、訪問履歴の追跡や行動パターンの学習、撮影メディアの保存・共有が可能で、まるで「バードウォッチングのプロ版」のような体験を実現します。ソーラーパネル統合によりメンテナンスが少なく、環境負荷も低い設計です。この技術は、裏庭やベランダなどの日常空間をインタラクティブな自然学習環境に変え、子供から大人までが鳥の多様性を身近に感じられるようにします。STEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics:科学・技術・工学・数学)教育の観点からも評価が高く、STEM.orgの認証を受け、上位5%にランクインしています。CES 2026では、親会社Tactacamとともにスマートホームエリアでデモが行われ、自然とのつながりを技術で深める好例として来場者の関心を集めました。このような取り組みは、都市部での生物多様性意識向上に貢献し、ネイチャーポジティブの実践的な一歩と言えます。
     これにより、ありふれた家庭の庭先が、瞬時にして生物多様性を学ぶ自然観察の場へと変わります。これらのデバイスは、市民が楽しみながらデータ収集に参加する「シチズンサイエンス」を促進し、次世代の環境教育に大きく貢献する可能性を秘めています。

  • 宇宙から農業の未来を支える(SaeFarm社)
    SaeFarm社の「AI Satellite Farm Monitor」は、より大きなスケールで貢献する技術です。衛星画像とAIを組み合わせ、広大な農地の水ストレスや病害の兆候を早期に検知。これにより、農家は水や肥料の使用を15%程度最適化できるとされています。これは単なるコスト削減ではなく、土地や周辺の水系への環境負荷を劇的に低減させ、持続可能な食料生産を実現するための強力な武器となります。


2. ダボス会議で始まる「ネイチャーポジティブ」

 続いて、来週のダボス会議をご紹介します。正式にはWorld Economic Forum (WEF) Annual Meeting 2026は、2026年1月19日から23日までスイス・ダボスで開催され、テーマは"A Spirit of Dialogue"です。この会議は、政府、ビジネス、市民社会のリーダーが集まり、グローバルな課題を議論する場として知られています。今回のダボス会議の主要課題の一つに「地球の限界の中で繁栄を築く」が設定されています。ここでは、ネイチャーポジティブ関連のイベントとダボス会議をオンラインで参加する方法をご紹介します。

ダボス会議2026でのネイチャーポジティブイベント(オンライン)

 ネイチャーポジティブイベントは、Nature Positive Initiativeを中心に予定されており、ほとんどが現地でのリアルでの映画上映、ディベート、議論が主です。WEF全体のプログラムでは、気候・自然セッションが統合され、ネットゼロとの連携が強調されます。ネイチャーポジティブの一部のプログラムは、オンラインでも参加ができます。

映画『ネイチャー・ポジティブになる』プレミア上映
日時:1月20日(火)18:30(CET)/1月21日(水)午前2:30(日本時間)
 GreenUpとのパートナーシップのもと、新作映画「Becoming Nature Positive(自然をポジティブに)」のグリーンカーペットプレミアを開催。このイベントのライブストリームは、 GreenUp の YouTube チャンネルでも見ることができます。

Open Forum Sessions (例: Nature and Biodiversity themes)
期間内常設:
過去の例から、自然関連の公開議論。包括的な視点を提供。ライブストリーム視聴可能
https://www.weforumopen.org/login

ダボス会議2026のオンライン参加方法

 WEF Annual Meetingはオンライン参加は、ライブストリームや仮想ハブを通じて可能で、誰でもグローバルな議論に触れられます。WEFのデジタルメディア体験は、200以上のセッションをライブ配信します。

オンライン参加の詳細手順

  1. WEF公式プラットフォームの活用:

  2. Open Forumの参加:

    • Open Forumは一般公開のイベントで、無料登録(https://www.weforumopen.org/login)。2026年のテーマは"Visions of 2050: Tomorrow Starts Now"。過去(2025年)の例では、"Making the Case for Nature"のようなネイチャーポジティブセッションがあり、ライブストリーム視聴が可能。登録後、セッションを選択して参加。

  3. サードパーティの仮想ハブ:

    • We Don't Have Time Davos Hub(https://www.wedonthavetime.org/events/davos2026):無料登録で、気候・自然関連の議論に参加。執行役員、科学者、政策立案者のセッションがストリーミングされ、インタラクティブ要素あり。


Deep Dive(English/Japanese)

 以下では、英語・日本語で、この2つの大きなイベントをご紹介するPodCast(音声)を掲載します。興味があれば、ぜひ聴いてください。


#NaturePositive
#CES2026
#Davos2026



いいなと思ったら応援しよう!