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自然と共生するまちづくり・建築

 毎日の自分の暮らしを考えても、職場と自宅を往復する形で、自然が介在するのはほとんどありません。自転車に乗っているときだけくらいにしか自然を感じません。自宅の庭や近所の講演など、大自然よりもわずかな身近な自然の方が、大切に感じられます。この意味で街づくりにおける自然は現代の人と自然の接点といえます。
 近年、世界中で環境や生物多様性への関心が高まっています。新たな住宅地や都市開発を行う際に、自然環境や生物多様性に配慮した手法(「ネイチャーポジティブ」な手法)を取り入れることが配慮されるようになってきています。そこで、世界で実際に行われている、自然環境や生物多様性に配慮した都市づくりや建築の方法を整理し、一覧にまとめました。なお、今回は、ダムや道路などの大規模なコンクリート構造物は対象外とし、企業が主体となって開発する住宅やまちづくりの手法を対象にしています。

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ネイチャーポジティブな都市・まちづくりの方法一覧

 代表的な手法を整理します。①~⑩の手法は、いずれも都市の生態系を守り、生物多様性を高めることを目的としています。ここでは、手法の特徴を簡単に説明したうえで、「費用」(初期費用と維持管理費)、「効果」(生態系や社会への貢献度)、「導入のしやすさ」(制度や規制に対応しやすいか、住民に受け入れられやすいか)をわかりやすく説明します。


1. 在来種(その地域にもともと生えている植物)を中心とした植栽(植え込み)の方法

特徴と意味:都市や住宅地の緑地や公園に、その地域にもともと生えている植物(在来種)を植える手法です。外国や他の地域から持ち込まれた植物(外来種)を使わないことで、その土地本来の自然環境を守り、生物多様性を高めることができます。

  • 初期費用:
    一般的な公園や緑地の植栽とほぼ同じか、むしろ安く済む場合があります。なぜなら、その土地で採取した種子や苗を使えるからです。

  • 維持管理費:
    在来種はその土地に元々適応しているため、水や肥料、農薬をあまり必要としません。その結果、一般的な商業用の植栽に比べて、維持費が80~90%安くなるケースも報告されています。

効果(生態系や社会への貢献):

  • 在来種を使うことで、その地域に本来いる昆虫や鳥、動物が戻ってきます。これは生物多様性の保全につながります。

  • 地域の自然環境にあった景観ができるので、住民が地域への愛着を持ちやすくなり、精神的な満足感も向上します。

導入のしやすさ(制度対応や住民理解):

  • 多くの自治体では、緑化を推進する条例や生物多様性を守る計画があり、それらの政策に非常に合いやすいです。また、補助金や助成制度が用意されている地域も多く、導入は比較的容易です。

  • 住民にとっても、地元の自然を身近に感じることができるため、理解や支持を得やすい手法です。


2. 都市の樹木や都市林(街路樹、都市内の小さな森)の整備(アーバンフォレストリー)

特徴と意味:街路樹や小さな都市の森を積極的に作り、都市の中に木々を増やす取り組みです。

  • 初期費用:
    1本の苗木を植える費用はそれほど高くなく、1本あたり数万円程度で可能です。

  • 維持管理費:
    成長に伴う剪定や水やりなどの費用は定期的に必要ですが、樹木1本あたりの維持費は比較的安く、長期的に見ると得られる便益(効果)のほうが維持費を大きく上回ります。

効果(生態系や社会への貢献):

  • 木々は鳥や昆虫のすみかになります。また、都市の中の小さな森がつながることで、生態系のネットワークが形成され、生物多様性が保たれます。

  • 木陰ができることで夏の暑さを和らげ、都市の温度を下げる効果(ヒートアイランド対策)があります。

  • 空気をきれいにし、騒音を抑えるなど、住民の快適性も向上します。

  • 樹木によって街並みが美しくなり、不動産価値も上昇します。

導入のしやすさ(制度対応や住民理解):

  • ほとんどの自治体では緑化条例などがあり、街路樹の整備は推奨されています。制度的にも導入しやすい手法です。

  • 住民にとっても、樹木が増えることで街が美しく快適になるため、理解を得やすく、支持されやすいです。


3. グリーンインフラを活用した雨水管理(雨庭、バイオスウェール、人工湿地など)

特徴と意味:「グリーンインフラ」とは、自然の力を活用して雨水を管理する仕組みです。例えば、雨が降った時に地面に水を浸透させる「雨庭(レインガーデン)」や「バイオスウェール(植物を植えた浅い溝)」などがあります。

費用について(初期費用と維持管理費):

  • 初期費用:
    従来の下水管や貯水施設を作る方法と比べても同じか、それより安く作れる場合があります。

  • 維持管理費:
    定期的な手入れは必要ですが、特別な機械や技術が不要なため、維持管理費は安く済みます。

効果(生態系や社会への貢献):

  • 雨水を地面に浸透させることで、地下水の量を増やしたり、水質をきれいに保ったりすることができます。

  • 植物が増えるため、昆虫や鳥などの生物のすみかとなり、生物多様性を高めます。

  • 豪雨などで起きる洪水を防ぐ効果があり、社会的にも大きな利益があります。

  • 見た目も美しくなり、不動産価値が上がるケースもあります。

導入のしやすさ(制度対応や住民理解):

  • 最近では、多くの自治体で雨水の浸透設備の設置が推奨または義務付けられており、補助金や減免制度も利用できます。

  • 住民にとっても、小さな公園のような憩いの場として利用できるため、受け入れられやすい手法です。


4.透水性舗装(雨水を通す舗装材の利用)

特徴と意味: 道路や歩道、駐車場などの舗装に、雨水が地面に浸透できる素材を使う方法です。これを「透水性舗装(とうすいせいほそう)」と呼びます。通常のアスファルトやコンクリートの舗装とは違い、雨水を地面の中に自然に浸透させます。

  • 初期費用:
    通常の舗装よりもやや高めで、約1.5倍ほどの費用がかかります。

  • 維持管理費:
    透水性を保つために、年に1~2回の定期的な掃除(目詰まり防止)や、補修が必要です。費用としては年間に初期費用の約1〜2%程度がかかります。

効果(生態系や社会への貢献):

  • 雨水が自然に浸透することで、地面の下に水がたまり、街路樹や植物に水が行き届きやすくなります。これは都市の中の生態系を支えます。

  • 大雨の際に水たまりが減るので、道路の冠水や洪水リスクを低くできます。

  • 路面の温度を下げるため、都市の暑さ(ヒートアイランド現象)を緩和し、快適な歩行環境になります。

導入のしやすさ(制度対応や住民理解):

  • 自治体によっては透水性舗装を採用すると、容積率の緩和や助成金が受けられることがあります。導入しやすい仕組みが整っています。

  • 雨の日に道路が歩きやすくなるため、住民にとってもメリットを実感しやすく、支持を得やすい手法です。


5. 屋上緑化(グリーンルーフ)

特徴と意味:建物の屋上に植物を植えて庭や緑地をつくる手法です。都市部で建物の屋上を緑化することにより、新しい緑地を生み出します。

  • 初期費用:
    通常の屋根と比較すると数倍の費用がかかります。防水処理や軽量の土壌など、特別な設備が必要なためです。

  • 維持管理費:
    雑草を取り除いたり、水やりを行ったりする維持管理が必要ですが、簡易な方法の場合は管理コストはあまり高くありません。

効果(生態系や社会への貢献):

  • 屋上に緑地を設けることで鳥や昆虫などの生き物のすみかができます。

  • 建物の屋上の温度を下げることでエアコンの利用を減らし、省エネルギーにつながります。また、屋根の劣化を抑えて寿命を延ばす効果もあります。

  • 都市全体の暑さ(ヒートアイランド現象)を軽減する効果もあります。

導入のしやすさ(制度対応や住民理解):

  • 日本を含め、多くの国で屋上緑化を推奨する制度や補助金があります。これを活用することで導入が容易になります。

  • 屋上を緑地として使うことで住民の憩いの場になり、地域の魅力が高まります。住民の理解を得やすい手法です。


6. 壁面緑化(建物の壁を緑化する方法)

特徴と意味:建物の壁に植物を植えて覆う手法で、「グリーンウォール」とも呼ばれます。

  • 初期費用:
    通常の壁に比べて15%以上の費用がかかり、かなり高額になります。植物を壁面に定着させる装置や水を供給する設備が必要なためです。

  • 維持管理費:
    定期的に水や肥料を与える必要があり、植物が枯れた場合は入れ替えも必要なため、維持費用は比較的高めです。

効果(生態系や社会への貢献):

  • 小鳥や蝶などの一時的な休息場所になります。ただし、壁面は狭いため、大規模な生物の生息地にはなりにくいです。

  • 建物の断熱効果があり、夏場の冷房コストを削減します。また、美しい外観により地域の魅力が高まり、不動産価値が向上します。

導入のしやすさ(制度対応や住民理解):

  • 景観を改善する政策や条例と相性が良いですが、設置には行政の許可が必要になる場合もあります。

  • 見た目が美しくなり、住民の満足度が高まりますが、維持管理費が高いため、住民との合意形成が重要です。


7. 生物多様性ネットワーク計画(緑地や公園を連結させ、生態系の回廊を作る方法)

特徴と意味:都市内にある複数の緑地や公園をつなげて、生物が自由に行き来できる道(回廊)を作る方法です。これにより、生き物が都市内で孤立せず、生息地を自由に移動できるようになります。

  • 初期費用:
    新たに設備を作るわけではなく、都市計画の中で土地の利用方法を少し調整する程度なので、比較的安く済みます。ただし、緑地として確保する分、建物を建てられる土地の面積が減るため、その機会損失(利益を得る機会の減少)があります。

  • 維持管理費:
    植物の手入れや安全管理など、ある程度の維持費は必要になりますが、特別な施設を作らない分、維持費は中程度に抑えられます。

効果(生態系や社会への貢献):

  • 生物が自由に行き来できることで、地域の生物多様性が向上します。生き物が都市の中で孤立しなくなり、個体数を安定的に維持できます。

  • 住民にとっても散歩道やサイクリングコースとして使え、健康増進に役立ちます。都市の美観や住み心地も向上します。

導入のしやすさ(制度対応や住民理解):

  • 自治体が生態系を守る計画(生態系ネットワーク計画)を持っている場合は、その計画に組み込みやすく、行政の許可も得やすくなります。

  • 都市に緑の連続性が生まれることで、住民が自然に触れる機会が増え、生活満足度が向上します。


8. Nature-based Solutions(自然の力を活用して社会課題を解決する方法)

特徴と意味:「Nature-based Solutions(ネイチャー・ベースド・ソリューション)」とは、自然の仕組みをうまく活用して、都市が抱える問題(例えば、洪水、猛暑、水質悪化など)を解決する方法です。たとえば、人工の堤防ではなく、湿地帯や森林を活用して洪水を防ぐ方法がこれに当たります。

初期費用:
ケースごとに異なりますが、一般的にはコンクリートなどの人工的な構造物を作るより安く済む場合が多いです。

  • 維持管理費:
    基本的には自然が機能するので維持費は低いですが、定期的な生態系の状態の確認(モニタリング)が必要です。

効果(生態系や社会への貢献):

  • 自然の力で洪水や猛暑などの問題を防げるだけでなく、生物多様性も守ることができます。

  • 自然の景観が回復し、住民にとっても憩いの場が増えます。結果として健康増進や観光客の増加につながることもあります。

導入のしやすさ(制度対応や住民理解):

  • 世界的にNature-based Solutionsの導入を促進する政策が進められており、国連など国際機関や各国政府が補助金や助成制度を設けています。

  • 住民にとっても、自然豊かな環境が身近にあることで安心感や満足度が高まるため、受け入れやすい手法です。


9.再野生化(リワイルディング)設計(あえて自然のままに任せる手法)

特徴と意味:都市内の緑地や一部の土地をあえて手を加えず、自然が本来持っている回復力を活用して、生態系を再生させる方法です。必要最低限の手入れだけを行い、ほとんどの管理を自然に任せます。

  • 初期費用:
    自然に任せるため、造園や植栽の費用を大幅に削減できます。特に何も植えず、土地をそのままにするだけなので、非常に低コストで実現できます。

  • 維持管理費:
    ほぼ自然任せのため、維持管理費も非常に低く抑えられます。ただし、外来種が入らないようにする最低限の管理は必要です。

効果(生態系や社会への貢献):

  • 都市内でも自然が本来の力で回復し、生物の多様性が高まります。自然に近い環境が戻ってくることで、さまざまな生き物が都市に戻ってきます。

  • 住民にとっても、都市の中で「手つかずの自然」を感じることができる空間が生まれます。自然に触れ合うことで精神的なリラックスや教育効果も高まります。

導入のしやすさ(制度対応や住民理解):

  • 手入れされていないように見えるため、都市計画上の理解を得るために説明や合意形成が必要です。ただし、欧米ではすでに普及が進んでおり、補助制度もあります。

  • 住民に「雑草が放置されている」と誤解されないように、事前の説明が重要ですが、自然の美しさが理解されれば非常に喜ばれる手法です。


10. 生物インクルーシブ設計(ビオフィリックデザイン、生き物の住み場所を建物に取り入れる方法)

特徴と意味:建物や住宅を設計するときに、鳥の巣箱やコウモリが住める空間、昆虫が暮らせる小さな設備(水飲み場や昆虫用の小さなホテルなど)を意識的に組み込む方法です。こうした設計を「生物インクルーシブ設計」と言います。

  • 初期費用:
    鳥の巣箱や昆虫用の設備などは1つあたり数千円から数万円程度と非常に低価格で、費用負担はほとんどありません。新築時に組み込めば、さらに安く済みます。

  • 維持管理費:
    設置が適切に行われれば、基本的には維持管理費がほとんどかかりません。定期的な清掃や簡単なメンテナンス程度で済みます。

効果(生態系や社会への貢献):

  • 都市開発で失われがちな鳥や昆虫、小動物の住み場所を人工的に提供できます。そのため、生き物の個体数維持や都市内の生態系の回復に役立ちます。

  • 生き物と共存する設計により、人々が自然とのつながりを身近に感じることができます。特に子どもの情操教育や環境意識の向上にもつながります。

  • コウモリなどが蚊を食べることで、害虫の発生を抑える効果も期待できます。

導入のしやすさ(制度対応や住民理解):

  • 海外の都市では、新築住宅に巣箱を設置することが推奨されている例もあり、都市計画や環境アセスメントの条件として求められる場合があります。日本でも導入は容易です。

  • 住民にとっても鳥のさえずりや昆虫など自然に触れる楽しさを提供できるため、好意的に受け入れられやすい手法です。


ライフタイムバリューで見たコスパランキング(案)

 以下では、先ほど説明した10の手法について、「50年間という長期的な視点で考えた場合、どの手法が費用対効果が高いか」をAI(Chat GPT pro)によってランキングしてもらいました。ここでの「費用対効果が高い」とは、「かけた費用に対して、得られる社会的・環境的メリットがどのくらい大きいか」を意味します。


第1位:グリーンインフラを活用した雨水管理(雨庭やバイオスウェール)

  • 従来型の雨水排水施設(下水管やタンク)と同等以下のコストで施工でき、長期的な維持管理費も比較的安価です。

  • 豪雨時の洪水緩和や水質改善に効果があり、不動産価値向上にもつながります。都市景観も向上します。

  • 下水道増強等の“灰色インフラ”よりライフサイクル費用が大幅に低い事例が多数(雨庭で約42%安)。案件の7割超で灰色と同等以下のコストとの広域調査もあり、洪水・水質・資産価値の同時効果で私益・公益の両面リターンが大きいです。

第2位:在来種を中心とした植栽(ネイティブガーデン)

  • 初期コストが比較的安く、維持費が極めて低いにもかかわらず、生態系への貢献や景観価値が非常に高いです。

  • その地域の自然環境が守られ、生物多様性が大きく向上します。住民の地域への愛着心も高まり、長期的な満足度が非常に高いことから、費用対効果が最も優れています。

  • 維持費が従来植栽比で80–90%低減の実測があり、灌水・肥料・農薬が大幅に減る。花粉媒介者の生息場化は費用ごとの効果が高いです。


第3位:都市の樹木や都市林(街路樹の整備)

  • 1本あたりの植栽コストは低く、維持管理費は必要ですが、それを大きく上回るメリットが得られます。

  • 樹木による冷房効果(温度低下)や洪水予防効果、大気浄化効果など、多くの便益が得られ、住民の満足度も高く、不動産価値の向上にもつながります。

  • 費用便益比7以上など高い数値。適切な樹坑で初期の枯損リスクを抑えつつ、遮熱・大気浄化・不動産価値など多面的便益が積み上がります。


第4位:生物インクルーシブ設計(巣箱や昆虫ホテルの設置)

  • 巣箱などは非常に低コストで導入できるため、そもそも投資金額が少なく、費用対効果の評価が難しいほど安価です。

  • 費用対効果が低いという意味ではなく、むしろコストが非常に安いためランキングとして比較が難しいという特殊な理由でこの順位です。生物多様性の向上には確実に役立つため、費用の安さを考えると「やらない理由がない」手法です。

  • 実装コストが極小かつ生物多様性配慮の“見える化”に直結。英国では「非常に費用対効果の高い保全手段」として認知されています。


第5位:透水性舗装(雨水を通す舗装材)

  • 通常の舗装より初期コストはやや高いですが、雨水を自然に地面に浸透させることで、地下水の保全や洪水リスクの低減につながります。

  • 長期的には雨水排水設備を簡素化でき、維持管理費やインフラ整備費用を減らせます。暑さの軽減(ヒートアイランド対策)や快適な歩行環境の提供といった効果が大きく、都市の生活環境改善に貢献します。

  • 初期費は高めでも、雨水処理費を含めたライフサイクルコストでは有利になり得ます。50年スパンの費用レンジも公開されており、維持清掃を前提に安定運用が可能です。


第6位:Nature-based Solutions(自然の力を活用した解決策)

  • 自然の仕組みを活用することで、人工的な構造物(コンクリート施設など)よりも初期コストを抑えることが可能なケースが多いです。

  • 洪水予防や暑さ対策など多くの問題に対処できるうえ、生物多様性の保全にも役立ちます。ただ、効果が広範囲にわたり具体的な経済効果を数値で示しにくいため、この順位になりました。

  • 多目的便益を政策面で取り込みやすく、地区全体での最適化に有効といわれています。


第7位:再野生化(リワイルディング)設計

  • 初期コストも維持管理費も非常に低いにもかかわらず、生態系の自然回復効果が非常に高いです。

  • 自然環境の回復により、地域の生物多様性が回復します。ただし、理解を得るためには説明が必要です。

  • 維持費は大きく下がる(芝の刈り回数削減で36%節約の事例)が、開発可能面積の機会費用や住民合意コストが案件によって重くなるといわれています。


第8位:生物多様性ネットワーク計画(緑地を連結する方法)

  • 土地を連結することで生物の行動範囲が広がり、生態系が守られるという点で効果が大きいです。初期費用は比較的低いですが、土地を建物用に使えないことで発生する機会損失があるため、短期的な費用面でマイナス要素もあります。

  • しかし、長期的には都市の美観や住民の健康増進効果があり、公共的な利益は非常に大きいです。ただ、その利益が公共的であるため、企業が投資する場合には少し評価が難しくなります。

  • 河川回廊等で近隣の資産価値上昇が見られるケースもありますが、公益便益は大きいが私企業の直接ROIになりにくい。


第9位:屋上緑化(グリーンルーフ)

  • 初期費用は非常に高めです。しかし、建物の屋根の寿命が延びたり、冷暖房費が削減されたりすることで、数年~数十年の間に初期コストを回収することは可能です。

  • 都市全体のヒートアイランド現象緩和や都市の美観向上など、公共的なメリットはあります。ただし、費用回収にはやや時間がかかるため、他の手法よりも順位は低めになっています。初期費は高いが、省エネ+屋根寿命延長を含む長期評価で回収。立地・設計次第でばらつきます。


第10位:壁面緑化(グリーンウォール)

  • 導入と維持の両方の費用が比較的高く、特に維持費(定期的な植物管理)が継続的に必要となります。維持費・水管理の負担が比較的高く、エネルギー削減等のメリットはあるが経済性はケース依存。

  • 一方で得られるメリットは、美観や建物の断熱効果などです。生態系への貢献は小さめですが、都市の景観向上により不動産価値が上がる場合があります。ただ、コスト回収までの時間が長く、投資効果がやや見えにくいため、この順位になっています。


 以上、「自然と共生するまちづくり・建築の手法」と「費用対効果ランキング」でした。自然共生型の手法は、一見コストが高く見える場合がありますが、長期間の視点で見ると費用対効果が高く、社会的にも大きなメリットがありました。すぐに費用を回収することが難しい場合でも、都市全体や住民に与える影響(健康増進・地域価値向上・災害リスクの軽減など)が大きいようでしね。都市緑化というと思いつく、グリーンリーフや壁面緑化よりも良い手法がいくつもあることが個人的な学びでした。・・・確かにね。


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