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グリーンインフラとランドスケープ・ベースド・アプローチ

 グリーンインフラは「新しい事業」ではなく、今ある地域を、丸ごとインフラとして「見直す」視点です。前回、グリーンインフラの成功事例や失敗事例、日本と世界のグリーンインフラの違いを比較しました。

 今回は、グリーンインフラの日本での導入と普及について考えてみます。グリーンインフラをどうすれば、予算が厳しい日本の自治体でも実践が進むのでしょうか。2026年を見据えながら、「ランドスケープ・ベースド・アプローチ」という考え方を軸に、整理したいと思います。今日も楽しんでいってくださいね!



1. 国におけるグリーンインフラの位置付け

 グリーンインフラの定義を平たく言えば、「道路や河川、公園、まちづくりなどのハード・ソフトを設計するときに、森や川、農地、公園など自然がもつ多様な働きを活用しながら、持続可能で魅力ある地域づくりを進める考え方」がグリーンインフラです。従来のコンクリート中心のインフラ(いわゆるグレーインフラ)は、機能が単目的になりがちで、更新のたびに大きな投資を必要とし、風景や生きものとの相性が悪いことも多いという弱点がありました。自然を活かしたインフラは、雨水貯留や浸水対策、暑さ対策、景観向上、観光・関係人口の増加、生物多様性保全や健康増進、コミュニティ形成など、ひとつの投資で複数の効果を同時に狙える存在です。

 国際的には、OECDの「環境パフォーマンスレビュー日本2025年版」は、日本について次のように評価しています。

  • 日本ではNbS(自然を活用した解決策)が「着実に存在感を増している」

  • 沿岸湿地の保全・再生や、都市における自然を活かした開発などの取り組みが進んでいる

  • 一方で、自然地の人工化(土地の被覆)の抑制や、ネイチャーポジティブな都市開発のさらなる促進が必要である (OECD)

つまり国際機関から見て、「日本はグリーンインフラを既に使い始めている国」であり、「もっと伸ばすべきだ」と言われている状況です。

 実際、日本は「グリーンインフラ」という用語を、2014年から国家レベルの戦略文書に正式に導入した「アーリーアダプター」であり、流域ガバナンスや洪水管理、生態系ネットワーク・緑地計画、防災・減災、都市のグリーン戦略など、多分野でグリーンインフラが位置づけられており、政策上の位置づけは、「技術的な手段」から、「制度化された管理フレームワーク」へと移行しつつあります。国土交通省が2023年に策定した「グリーンインフラ推進戦略2023」は、2019年の戦略を全面改訂し、「コンセプト段階から本格実装段階へ移行した」と記載されています。この戦略では、ネイチャーポジティブ(自然再興)、グリーントランスフォーメーション(GX)といった国全体のキーワードとの整合を取りつつ、グリーンインフラを「あらゆる分野に横展開する」として位置づけています。2020年3月に設立された「グリーンインフラ官民連携プラットフォーム」は、国・自治体・企業・大学・個人などが参加する全国的な枠組みで、2025年2月時点で、会員数が2,036団体・個人に達しています (MLIT)。一方で、都道府県・市区町村の会員は、全自治体数の約7.5%にとどまるともされており、自治体側の活用度合いには伸びしろが大きいようです。国土交通省は2024年9月、「グリーンインフラの事業・投資のすすめ(経済的価値の見える化を通じた都市開発・まちづくり投資の促進に向けて)」を公表、グリーンインフラの経済的便益を、物流施設・住宅・公園・道路・里山・沿岸・未利用地などのケースごとに整理して、グリーンインフラが地価や賃料などに与える「グリーンプレミアム」の波及効果を、ロジックモデルで分析して、環境認証や評価制度と組み合わせた投資・融資の事例、クラウドファンディングや「ふるさと納税」との連携など、具体的な資金調達手法を列挙しています。つまり、日本もいよいよ本格実装が始まっているという状況です。

1. 災害大国としてのエコ防災(Eco-DRR)とグリーンインフラ

 環境省の「Ecosystem-based Disaster Risk Reduction in Japan」(2015年頃)や、国際機関のケーススタディは、日本が「エコ防災(Ecosystem-based Disaster Risk Reduction)」の先進的な実践国であることを示しています。

概要として、

  • 地震・台風・豪雨など多様な自然災害にさらされる中で、

    • 河川流域の遊水地・調節池

    • 海岸防災林

    • 里山・農地を活用した洪水緩和
      など、自然の機能と土木構造物を組み合わせる取り組みが進められてきたこと

  • これらは「グリーンインフラ」として明示的に呼ばれる前から、いわば“先行実装”が行われていたことが整理されています。

象徴的な例が、鶴見川多目的遊水地と日産スタジアムを含む新横浜公園です。

  • 都市化が進んだ鶴見川流域において、洪水リスク増大に対応するため、多目的調節池と公園・スタジアムを一体的に整備

  • 2019年の台風19号では、約94万立方メートルの洪水を一時的に貯留し、河川水位を推定0.3メートル程度抑制して、危険水位超過を防いだと分析されている 

これは国土交通省自身が、グリーンインフラの経済的効果の代表例として採り上げ、世界でも引用されている事例です。

2. 里山・里海というランドスケープ文化

 日本の「里山・里海」文化は、グリーンインフラの思想そのものに近いものです。里山景観は、長い時間をかけて人の暮らしと自然が相互作用し、多面的な生態系サービス(食料・水・木材だけでなく、文化や景観も含む)を生み出してきた「社会–生態システム」として、国内外の研究者が評価しています。これは、「土地利用と自然を一体として設計する」「単一目的ではなく、多機能を前提とした空間管理を行う」という点で、グリーンインフラの考え方と重なります。

3. 都市スケールの実装

 都市レベルでは、欧州では、コペンハーゲンやパリなど、多くの都市が洪水対策・ヒートアイランド対策としてエヌビーエスを本格的に導入しており、EU研究プロジェクトを通じて事例集が蓄積されています(connectingnature.oppla.eu)。米国では、フィラデルフィアの「Green City, Clean Waters」プログラムが、2〜10億ドル規模の従来型インフラ更新を避けつつ、約16億ドルの投資でグリーンインフラ中心の対策を行う計画として、全国的に注目されました(City of Philadelphia)。シンガポールは、ABC WatersプログラムやSkyrise Greenery制度、Park Connector Networkなどを通じて、極めて高密度な都市におけるNbSのロールモデルを示しています(National Library Board)。

これに対して日本では、鶴見川多目的遊水地のような象徴的事例はあるものの、欧州やシンガポールのように「都市全体のグリーンインフラネットワーク」が見えやすい都市は、まだ限られています。

防災・流域という観点では、日本の優位性は明確です。日本は、エコ防災・グリーンインフラを、国の治水・国土強靭化の一部として位置づけた数少ない国の一つであり、その事例は世界銀行や国連機関のケーススタディとして頻繁に紹介されており、多目的遊水地・遊水池、海岸防災林、田んぼダムなど、「グレーとグリーンのハイブリッド」を前提とした治水施策は、他国にとっても参考事例となっています。中国の「スポンジシティ」や欧州のスウォール・雨庭など、他国も急速に追い上げています。


2. ネイチャーポジティブは、自治体のまちづくりの主流化に向かう

 ネイチャーポジティブを目指す「ネイチャーポジティブ宣言」を行った団体は、2025年9月末時点で1,000件を超えました。生物多様性地域戦略を持つ自治体は、47都道府県に加え178市区町村、合わせて225団体に増えています。つまり、「自然再興をまちづくりの中心に据えるかどうか」は、1割強の自治体にとって、「検討中」ではなく「実行フェーズ」の課題になりつつあるようです。その中核に置かれているのが、自然をインフラとして扱う考え方、すなわち「グリーンインフラ」と「ランドスケープ・ベースド・アプローチ」になります。

1. ランドスケープ・ベースド・アプローチとは何か

 「ランドスケープ・ベースド・アプローチ」は、言葉だけ聞くと難しそうですが、中身はかなり自治体実務に近い発想です。すなわち、「一定の地域や流域をひとつの“風景のまとまり(ランドスケープ)”として捉え、土地・空間計画をベースに、農林業、産業、暮らし、防災など多様な人間活動と自然環境をまとめて扱い、合意形成しながら解決策をつくる方法」です。「地域を一枚の絵として扱う方法」と呼ぶことができると思います。

  • 川の上流・中流・下流を別々の事業で扱うのではなく、一枚の流域図としてとらえる

  • 森林・農地・市街地・海辺を、縦割りの所管ではなく、一枚の景観として扱う

  • 自治体、企業、金融機関、住民、研究者など、バラバラに動いている主体を「ひとつの絵の中の登場人物」として整理する

 これがランドスケープ・ベースド・アプローチのイメージです。

2. 「予算がない自治体こそ、やる意味がある」という視点転換

  • 「グリーンインフラの重要性はわかるが、新しい予算は取れない」

  • 「維持管理費だけで精一杯で、これ以上仕事を増やせない」

  • 「庁内の縦割りが強くて、全体を見通した計画が立てにくい」

 この悩みは、むしろランドスケープ・ベースド・アプローチと相性が良さそうです。

1つめは、「新しい箱物を増やす話ではない」からです。ランドスケープの視点は、新しい施設をどんどん建てる発想ではなく、既存の道路や公園、農地、河川空間、すでにある商店街や団地、学校、企業社屋といった「今ある資産」をつなぎ直し、組み替える発想です。たとえば、横浜市鶴見川流域では、日産スタジアム周辺を巨大な多目的遊水地として位置付けることで、洪水時には約94万立方メートルの河川水を一時貯留し、平常時はスポーツと憩いの場として活用しています。これは、新たなコンクリートだけを積み増すのではなく、「既存のスタジアムと周辺空間の用途を組み替えたグリーンインフラ」と言えます。

2つめは、「長期的なコスト圧縮の可能性がある」からです。アメリカ・フィラデルフィア市は、下水道の溢水対策について、従来型の巨大な地下トンネル・処理施設(グレーインフラ)だけに頼らず、街路樹や雨水浸透施設などを組み合わせたグリーンインフラ中心の計画に切り替えました。試算では、グリーンインフラを組み合わせた計画は約16億ドルで済むのに対し、従来型のみで対応すると80〜100億ドルが必要になるとされ、数十億ドル単位のコスト差が示されています。数字の細部は都市ごとに異なりますが、自然を使うとむしろ「長期の更新費を抑える投資」になるケースが多いと報告されています。

3つめは、「外部資金やパートナーを呼び込む“土台”になる」からです。国土交通省の「グリーンインフラ官民連携プラットフォーム」では、官民連携・分野横断により先導的なグリーンインフラモデルをつくる自治体を支援する仕組みが整えられています。地図上で「私たちの地域のランドスケープはこうなっている」と整理できている自治体ほど、外部資金やパートナーを呼び込みやすくなっていきます。


3.自治体にとっての「ランドスケープ実践の型」

  ランドスケープ・ベースド・アプローチを、自治体にとって使いやすい「三つの型」に整理してみます。

  1. 既存計画を束ね直す「プラン統合型」

    • 生物多様性地域戦略、気候変動適応計画、流域治水関連計画、総合計画、都市計画マスタープランなど

    • すでにバラバラに存在する計画群を「流域」「里山」「沿岸」などランドスケープ単位で見直し、共通のビジョンと地図をつくる

  2. 既存インフラの役割を増やす「多機能化型」

    • 公園・学校・河川敷・農地などに、防災・暑さ対策・生物多様性・健康・観光など複数の役割を持たせる

    • 新しい施設をつくるのではなく、既存施設の設計や管理の仕方を変える

  3. 民間・市民と面でつながる「パートナーシップ型」

    • ネイチャーポジティブ自治体認証やJ-GBFネイチャーポジティブ宣言などを通じて、企業・市民団体と「同じランドスケープの話」をする土台をつくる

    • 事業ごとではなく、「地域全体の自然再興」という共通目標を先に置いてから個別プロジェクトを組む

 この三つを同時に完璧にこなす必要はありません。むしろ、「どこからなら小さく始められるか」を考えることが大切です。

ステップ1 まずは「宣言」で味方を増やす

 最初の一歩は、「完璧な計画」ではなく「旗を立てること」です。これらは、巨額の新規予算を伴うものではありません。しかし、市民・企業・金融機関に対して「この地域は自然再興を本気で進める」というメッセージを出す、庁内で「ネイチャーポジティブ」や「ランドスケープ」という言葉を共通言語にするという二つの効果があります。実務的には「宣言文をどう書くか」「どの計画に位置付けるか」といった検討が必要ですが、これは既存の環境基本計画や総合計画と矛盾しない形で十分に整理可能です。

ステップ2 ランドスケープの「単位」を決める

  次に、「どの単位で地域を一枚の絵として扱うか」を決めます。

  • 一つの流域(例:市域をまたぐ中小河川流域)

  • 里山・棚田・平野部を含む中山間地域

  • 海岸線と背後の森林・農地を含む沿岸部

などです。ここでは、行政界ではなく、

  • 自然のまとまり(地形・水系・生態系の連続性)

  • 暮らしと産業のまとまり(通勤圏・商圏・観光圏)

を優先して単位を切ることが大切です。この時点では、紙の地図に太めのペンで「ざっくり囲んでみる」程度でも構いません。むしろ、その方が関係者との議論がしやすくなります。

ステップ3 「自然の棚卸し」と「困りごとの棚卸し」を重ねる

 選んだランドスケープ単位について、

  • 森林・農地・河川・湿地・里山・公園などの自然資本

  • 気候変動による災害リスク、熱波、高齢化、空き家、インフラ老朽化などの地域課題

を、既存のデータを使って棚卸しします。ここで使えるのが、すでに多くの自治体が策定済みの「生物多様性地域戦略」や各種ハザードマップです。これらを統合して見直すこと自体が、ランドスケープ・ベースド・アプローチです。「新しい調査費がないからできない」と考える前に、既に持っている地図や計画を重ねてみる、庁内の各課が持つデータを、一度机の上に並べてみる、という「ゼロ予算でできる作業」から始めることができます。

ステップ4 「自然で解くと得をする課題」を三つだけ選ぶ

 棚卸しをすると、多くの課題が見えてきます。しかし、全部を同時に扱おうとすると、必ず破綻します。ここではあえて、「自然を活かして解くと、特に得をしやすい課題」を三つだけ選びます。例えば、

  • 毎年繰り返す中小規模の浸水

  • 夏の路面温度上昇や熱中症リスク

  • 空き地・遊休農地の増加と景観の劣化

などです。大事なのは、「この課題は、自然を活かすと長期的にコストを下げられそうか」という視点で選ぶことです。ここで、フィラデルフィアの例のように「グリーンインフラの方が長期コストを抑えられる場合がある」という海外の知見を参考にしつつ、地域独自の優先順位をつけていきます。

ステップ5 「小さなグリーンインフラ」を一つ決める

 次に、その三つの課題のうち、最も着手しやすいものについて、「小さなグリーンインフラ」を一つだけ具体化してみます。例えば、中山間地域の市であれば、

  • 上流域の農地を活かした「田んぼダム」

  • 既存公園を、平時は憩いの場・非常時は雨水をためる遊水空間に兼用する

  • 学校や公民館を、雨水浸透・木陰・生きもの観察の拠点として設計し直す

といったものが考えられます。実際に愛知県安城市では、市域の約4割を占める農地を活用した「田んぼダム」により、流域の浸水被害軽減と農業の両立を図る取り組みが進められており、他地域でも参考事例とされています。

ここで重要なのは、

  • 新しい大型事業をいきなり作るのではなく

  • 既に予定されている公園改修や学校改築、農業用水路の改修などに、「グリーンインフラの視点を上乗せする」

という発想に切り替えることです。この段階では、まだ「ランドスケープ全体の完成図」は不要です。「ランドスケープの中の、一つのピースをグリーンインフラとして塗り替える」ことが目的になります。

ステップ6 「見える化」と「語り方」に予算を割り振る

 予算が限られている自治体ほど、私は「見える化」と「語り方」に、少しでもよいので意識的にコストを割くべきだと考えます。

  • 雨水浸透量や温度低減効果などを、簡易な指標でよいので計測して公開する

  • グリーンインフラを活用している場所を、地図やストーリーとして発信する

  • 住民ワークショップや学校教育を通じて、「自然がこのまちのインフラになっている」という感覚を育てる

こうした「ソフトの投資」は、単体で見ると小さく見えますが、次の二つの効果を生みやすくなります。

  1. 次年度以降の予算要求の際に、「目に見える効果」として説明しやすくなる

  2. 企業や金融機関が、地域のネイチャーポジティブな取り組みを理解し、パートナーとして参画しやすくなる

2025年に公開された「地域のネイチャーポジティブ活動の手引き Ver.1.0」でも、「課題把握→計画→実行→改善」というスパイラルアップ型の進め方とともに、効果の見える化と合意形成の重要性が強調されています。ここで求められるのは、「地域の物語を自分たちの言葉で説明できること」です。

ステップ7 国の支援制度と民間資金を、ランドスケープの“面”で使う

 2025年時点で国は「グリーンインフラ支援制度集(令和7年度版)」として、40の制度を一覧化しています。ここでランドスケープ・ベースド・アプローチの出番です。個々の事業ごとに補助金を探すのではなく、「このランドスケープで、5年かけてどのような自然再興を実現したいか」を先に描き、その上で、複数の支援制度や民間資金を「面として組み合わせる」という順番に発想を変えることがポイントになります。環境省の「ネイチャーポジティブな地域づくり支援モデル事業」では、自治体・企業・金融機関・研究機関・NPOなど三者以上で連携する地域を対象に、ランドスケープアプローチでの調査やアクション整理への支援が行われます。このような仕組みは、「単発の事業補助」ではなく、「ランドスケープ単位での地域戦略づくり」を支えるものとして設計されています。予算が限られている自治体にとっては、むしろこうした「地域全体を描くフェーズ」こそ、外部の力を使う価値が高いフェーズだと言えます。

 以上が、「予算がない自治体でも、ランドスケープ・ベースド・アプローチをどう始めればよいのか」という問いに対する、現実的な7ステップ案は、でした。

仮事例でイメージする:A市・中山間地域のランドスケープ

 最後に、おさらいとして、仮想の自治体「A市」の最初のステップを簡単に描いてまとめます。

 A市は、人口5万人の中山間地域の市です。こんな状況だとしましょう。

  • 市域を貫く一級河川の支流で、毎年のように中小規模の浸水が起きている

  • 上流では耕作放棄地が増え、里山の管理が追いつかない

  • 高齢化が進み、公共施設の統廃合や道路の維持更新に頭を抱えている

  • 新しい大規模事業に回す余裕はほとんどない

 こんな、A市がランドスケープ・ベースド・アプローチで進めるとしたら、次のような道筋が考えられます。

  1. 市長が「ネイチャーポジティブ宣言」を行い、生物多様性地域戦略の見直しを表明する

  2. 支流流域を「A市ランドスケープ」と名付け、上流里山・中流農地・下流市街地・合流点の湿地を一つの単位として地図化する

  3. 既存のハザードマップ、生物多様性地域戦略、農業振興計画、観光計画を重ねあわせ、「自然の棚卸し」と「困りごとの棚卸し」を行う

  4. 課題の中から、「中小洪水」「熱波」「空き地の増加」の三つを優先課題として選ぶ

  5. 上流では田んぼダム、中流では農地と集落をつなぐビオトープと用水路の再生、下流市街地では公園と学校の遊水地化を、「小さなグリーンインフラ三点セット」として設計する

  6. これら三つの取り組みの水量・温度・生きものの変化を、簡易な指標でモニタリングし、市民・企業と共有する

  7. 環境省や国土交通省の支援制度、ネイチャーポジティブ自治体認証、企業のネイチャーファイナンス商品などを組み合わせ、「A市ランドスケープ再興プラン」として5年計画を描く

この流れは、多くの自治体にとって応用可能な「ひとつの型」になります。


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#グリーンインフラ


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