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ネイチャーテック!:次なるメガトレンドへ

 10月17日(金)には、記念すべき「Nature Tech!」のイベントがあったのですが、風邪で倒れて伺うことが叶いませんでした。出張後休みを入れずに働き続けるのには無理がありました。ここではイベントの感想を書こうと思っていましたが、公式にお譲りします。満席御礼だったそうです。良かったです。写真もいただきありがとうございます。ドタキャン、すみません。

[日経XTech] 自然を測る「ネイチャーテック」に世界の投資3000億円、日本が標準化主導

 さて、そこで、罪滅ぼしを兼ねて、今回は、世界のネイチャーテックの動向の記事を書こうと思います。

 また、まいど、音声(中級者向け)、動画(初級者向け)もつけました。本日も楽しんでいってくださいね!
ガイド:ネイチャー×テクノロジー×金融 についてのPodCastです(26分)

初級者向け:動画8分30秒


1. ネイチャーテックの全体像:ネイチャーテック・エコシステムの解剖

 ネイチャーテック市場は、多様な技術、規制、金融商品が複雑に絡み合うダイナミックなエコシステムです。この市場への投資を成功させるためには、まずその全体像を理解するためのフレームワークが不可欠です。Nature Tech Collective (NTC) では、ネイチャーテックを「自然ポジティブへの移行を可能にし、加速させ、規模を拡大させるあらゆるテクノロジー」と定義しています。この定義に基づき、NTCは市場を5つの主要カテゴリーに分類する「5Mフレームワーク」を提唱しており、これがエコシステムを理解する上で極めて有用です。

 ▼NTCが公開しているネイチャーテック企業のディレクトリーはこちら

  1. 市場圧力(Market Pressures):71の事業体
     このカテゴリーは、ネイチャーテック市場の需要を創出する原動力です。TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)やCSRD(企業サステナビリティ報告指令)といった国際的な規制・フレームワークが企業に情報開示を義務付け、行動変容を促しています。さらに、NGOや業界団体(例:Biodiversity Credit Alliance)が企業の取り組みを監視・評価し、市場全体に自然ポジティブな行動を取るよう圧力をかけています。

  2. 計測・モニタリング(Measurement & Monitoring):57の事業体
     自然の状態を正確に把握するための基盤技術群です。長年の課題であった「自然データギャップ」を埋めるため、リモートセンシング(衛星・ドローン)、eDNA(環境DNA)、バイオアコースティック(生物音響)といった革新的な技術が活用されています。NatureMetrics社はeDNA分析で水や土壌から生物種の存在を特定し、Planet社は多数の小型衛星で地球全体を高頻度で観測するデータを提供しています。

  3. モデリング(Modeling):159の事業体
     「計測」によって集められた膨大な生データを、実用的な洞察へと変換するカテゴリーです。AIや機械学習を駆使して、企業が抱える自然関連のリスク評価、将来のシナリオ分析、サプライチェーンにおける環境負荷の特定などを行います。金融機関や企業にとって、自社で生データを分析するのは専門知識と多大な労力を要するため、この分野への需要は極めて高く、最も活況なカテゴリーとなっています。

  4. マテリアルチェンジ(Material Change):ー
     物理的に自然ポジティブな変化を駆動する技術や介入を指します。これには、ドローンを活用した大規模な植林、土壌の健全性を回復させる再生農業技術、資源の浪費をなくすサーキュラーエコノミー関連のソリューションなどが含まれます。エコシステムの中で、実世界の環境を直接的に改善する役割を担います。

  5. マネタイゼーション(Monetization):140の事業体
     自然保全活動に直接的な資金フローを生み出す金融メカニズムです。生物多様性の保全・回復への貢献度を価値化し、クレジットとして取引する「生物多様性クレジット」や、グリーンボンドなどのサステナブルファイナンス商品、そしてそれらを取引するマーケットプレイスがこのカテゴリーに含まれます。

 この5Mフレームワークは、単なるカテゴリーのリストではなく、実動するバリューチェーンを描写したものです。「市場圧力」が最初の需要シグナルを生み出し、企業に「計測・モニタリング」ソリューションを求めさせます。その結果得られるデータは、「モデリング」カテゴリーの原材料となり、実行可能なビジネスインテリジェンスへと変換されます。このインテリジェンスが、「マテリアルチェンジ」のROI(投資収益率)を実証し、最終的に「マネタイゼーション」のメカニズムを通じて資金調達と規模拡大が実現されます。これら5つのカテゴリーは相互に連携し、エコシステム全体を動かしています。

カテゴリー/役割/エコシステム内での連携
市場圧力/需要の創出/規制が企業に計測と情報開示を義務付ける。
計測・モニタリング/データ基盤の提供/計測データがモデリングのためのインプットとなる。
モデリング/洞察への変換/モデリングによるリスク評価がマテリアルチェンジの必要性を示す。
マテリアルチェンジ/物理的な変化/保全活動の成果が計測され、マネタイゼーションの対象となる。
マネタイゼーション/資金フローの創出/金融商品がマテリアルチェンジへの投資を促進する。

 また、Nature4ClimateとNature Tech Memosは、約1,000社のネイチャーテック企業を収録する「The Nature Tech Directory」を2024年に公開しました。目的は、自然ポジティブ経済へ移行するための解決策探索を容易にすることです。
 ディレクトリはこちら
 このサイトには、検索・絞り込みのための体系(例:Measurement、Modeling、Monetization ほか多数)が整理され、各組織ページには適用生態系やインパクト焦点の項目が用意されています。ネイチャーテックの市場理解として、Nature4Climateの白書は、ソリューションを大きく「Deployment(現場適用)/MRV(測定・報告・検証)/Transparency(可視化・トレーサビリティ)/Connection(接続・仲介)」の4類型で捉えています。

 以下では、業種別にどのような技術が関わっているのかをみてみましょう(Nature Tech Directory)。

  • 農業・畜産
    再生型農業(Regenerative Agriculture)、精密農業(Precision Agriculture)、土壌モニタリング等のタグが付く企業。サプライチェーンScope3削減の文脈とも接続します。個社で言えば、4EIは、自然資本在庫評価やAI/機械学習を用いたリモートセンシングに強みがあり、Precision Agricultureのタグを持ち、衛星から土壌品質の監視実績を掲げています。

  • 林業・土地利用
    森林測量、再植林、自然資本在庫の評価など。LiDAR、リモートセンシング(Remote Sensing)の活用が主。例えば、44molesハンドヘルドLiDARによる森林計測や点群データ生成により、森林の炭素固定量を評価します。

  • 水産・海洋
    海洋生態音響、海洋生息地の保全、ブルーカーボン関連。例えば、ACCURATE projectは海洋生態音響(Aquatic Bioacoustics)で海洋活動と生物多様性を測定する大学発プロジェクトです。

  • サプライチェーン・小売
    一次データ収集、トレーサビリティ、インセッティング等。企業のScope3管理や原料調達の持続可能性と結びつきます。例えば、Able Ecosystemsは小規模農家から一次データを収集し、ブランド等の意思決定を支援。Supply Chain Transparencyのインパクト焦点を持ちます。

  • 自然資本プロジェクト開発・金融
    生物多様性クレジット標準、カーボンクレジット、MRVソリューション、信用設計(Credit Scheme Methodology)など。17tonsは衛星モニタリングやAIによる環境インパクトの測定・検証(MRV)を提供し、Nature Credits等の市場要求にも接続しています。Plan Vivo Foundationは生物多様性証書「PV Nature」の標準策定とデジタル監視・機械学習の導入を明記。

  • 保全・研究支援/市民科学
    研究機関や市民科学アプリ、コンピュータビジョン等で野生生物や生態系のデータ取得と分析を支援。13S(I3S)は写真識別とコンピュータビジョンで個体識別を支援する無償アプリ。保全現場の研究効率化に寄与します。Addax Data Scienceは生態学者向けにAI種識別や早期警戒の実装支援を提供。研究者の実務を効率化する“横糸”に該当します。

  • 横断的な地球観測・分析(マルチ業界)
    衛星・航空・ドローン由来の観測やEarth Observation Analyticsで、複数業界を支える“共通基盤”。2ExcelGeo森林・環境に特化したリモートセンシングEarth Observation Analyticsを提供。複数の保全・土地利用テーマをカバーします。

 このように市場全体の構造を理解した上で、次に、このエコシステムがどれほどの勢いで成長しているのか、具体的な投資動向のデータを見ていきましょう。


2. 市場の勢い:データで見るネイチャーテックへの投資動向

 近年の主要な投資動向データをまとめます。

  • 累積投資額: 2018年以降、ネイチャーテック関連企業は1,106件の取引を通じて、累計102億ドルのベンチャーキャピタル(VC)資金を調達しています。

  • 近年の成長: 市場の成長は加速しています。2024年上半期のVC投資額は8億7,800万ドルに達し、2023年下半期の5億8,100万ドルから51%という著しい増加を記録しました。

 さらに、VC投資のトレンドを詳細に分析すると、市場の質的な変化も見えてきます。

  1. 分野別動向: 依然として「食料・農業」分野が最大の投資カテゴリー(全体の約40%)を占めていますが、近年は「MRV・生物多様性クレジット」分野への資金流入が急増しています。この急増は、TNFDやCSRDといった枠組みが義務付ける要件に対する直接的な市場の反応であり、投資家が高潔性を持つ規制された自然市場に必要な基盤インフラに資金を投じていることを示しています。

  2. 地域別動向: 米国が投資額では依然として市場をリードしていますが、欧州がその差を急速に縮めています。特に取引件数においては、2024年上半期に欧州(42件)が米国(26件)を上回りました。これは、CSRDを筆頭とする先進的な規制を持つ欧州で、より多くのアーリーステージのスタートアップが生まれていることを示唆しています。

 マクロな市場トレンドが示す力強い成長は、具体的な技術革新によって支えられています。ここでは、投資家が特に注目すべき3つの主要な成長分野に焦点を当て、新たなビジネスモデルと収益機会を分析します。

dMRV(デジタル計測・報告・検証)の進化:eDNAと衛星データが自然保護のゲームを変える

 自然関連プロジェクトの信頼性を担保する上で、MRV(計測・報告・検証)は不可欠なプロセスです。しかし、従来の人手に頼る手法はコストが高く、拡張性に乏しいという課題がありました。現在、AI、衛星データ、IoTセンサー、バイオアコースティクスなどを活用したdMRV(デジタルMRV)への移行が急速に進んでいます。dMRVは、プロセスの自動化によってコストを劇的に削減すると同時に、客観的データに基づいた高い透明性と信頼性を実現します。これは、今後拡大が見込まれる生物多様性クレジット市場の信頼性の基盤となる、極めて重要な技術分野です。 ネイチャーテックの中核のひとつであり、最も革命的な進歩を遂げているのが「測定・監視(Measurement & Monitoring)」の分野です。かつては専門家が長期間かけて現地調査を行わなければ把握できなかった生態系の状態を、テクノロジーが迅速かつ広範囲に可視化し始めています。これらの技術は、これまで不可能に近かった「生物多様性のベースライン(初期状態)測定」や「保全活動の投資対効果の検証」を科学的根拠に基づいて行うことを可能にしました。見えないものを可視化する力こそが、自然保護を勘や善意の世界から、データに基づいた戦略的な活動へと進化させているのです。

  • 環境DNA(eDNA) 川の水や土壌を一すくいするだけで、そこに生息する生物をDNAレベルで特定できる技術です。例えば、NatureMetricsSimplexDNAといった企業は、サンプル分析を通じて、その水域にどんな魚がいるか、特定の希少種が生息しているかなどを高精度で明らかにします。これにより、大規模なインフラ開発プロジェクトが始まる前に、生態系への影響を正確に評価することが可能になります。

  • バイオアコースティック(生物音響学) 生態系が発する「音」を録音し、AIで分析する技術です。Rainforest Connectionは、森林に設置した録音デバイスでチェーンソーの音を検知し、違法伐採をリアルタイムで警告します。また、Wilder Sensingのような企業は、鳥のさえずりや虫の鳴き声の変化から、生態系の健全性を評価するサービスを提供しています。

  • 衛星画像とAI分析 宇宙から地球を監視し、広大な自然の変化を捉える技術です。Pachamaは高解像度の衛星画像とAIを組み合わせ、森林一本一本の成長を分析し、炭素蓄積量を精密に測定します。一方、Chloris Geospatialは、広大な森林の破壊から再生まで、その炭素健全性を宇宙から監視し、気候変動や自然保護に関する行動を後押しする正確なデータを提供します。これにより、カーボンクレジットの信頼性を担保したり、企業のサプライチェーンにおける森林破壊のリスクを特定したりすることができます。

  • 企業事例:

    • Pivotal: AIと機械学習を用いてデータを収集・分析し、自然に対するポジティブな成果の証拠を提供しています。彼らの技術は、サステナビリティ・リンク・ボンドや生物多様性クレジットといった新たな自然金融メカニズムを大規模に実現するための信頼性の高い情報基盤を構築しています。

    • Chloris Geospatial: 地球上のあらゆる場所のバイオマス(生物量)の変動を監視するプラットフォームを提供し、企業のサプライチェーンにおける森林破壊リスクの評価や、自然再生プロジェクトの効果測定に活用されています。

NbS(自然を基盤とした解決策)のスケールアップ

 NbS(Nature-based Solutions)は、森林再生、再生農業、湿地帯の保全など、自然の力を活用して気候変動や生物多様性損失といった社会課題を解決するアプローチです。かつては小規模なプロジェクトが中心でしたが、テクノロジーの進化がその大規模な展開(スケールアップ)を可能にしています。ドローンによる播種、AIによる最適な植林地の選定、衛星データによる生育状況のモニタリングなど、テクノロジーがNbSプロジェクトの実行可能性と効率性を飛躍的に高めています。また、人間が作った機械やアルゴリズムだけでなく、自然の仕組みや生物そのものをテクノロジーとして活用する点もあります。これらの事例が示すのは、人間がテクノロジーで一方的に自然を「管理」するのではなく、自然が持つ本来の力を「模倣し、活用する」という新しい関係性の始まりです。自然そのものが持つ精緻で効率的なシステムこそが、私たちが直面する課題を解決するための最高のテクノロジーなのかもしれません。

  • 企業事例:

    • Morfo: ドローンを用いて、人の手ではアクセスが困難な広大な土地に多様な樹種の種子カプセルを散布します。この技術により、従来の手法と比較して100倍の速さで森林再生プロセスを加速させています。

    • Cultivo: テクノロジーを活用して質の高い自然資本プロジェクト(森林再生、土壌炭素貯留など)を発掘・評価し、それらのプロジェクトと機関投資家を繋ぐプラットフォームを提供しています。テクノロジーによってプロジェクトの透明性と投資魅力を高めています。

    • BeeOdiversity:ミツバチは「自然のドローン」 ベルギーの企業のBeeOdiversityは、ミツバチを「生きた環境センサー」として活用しています。ミツバチが巣に持ち帰る花粉を分析することで、その地域にどのような植物が生育しているか(生物多様性)や、農薬・重金属による汚染状況を非常に高い精度で監視できるのです。広範囲を飛び回るミツバチは、まさに自然が作り出した高性能なドローンと言えるでしょう。

    • Mycocycle:菌類が廃棄物を新素材に変える アメリカの企業のMycocycleは、菌類、特にキノコの根に相当する「菌糸体」の力を利用して、建設廃棄物などの有害物質を分解・無害化し、新たな建材へと生まれ変わらせる技術を開発しました。これは、自然界の分解者である菌類の驚異的な能力を応用した、究極のバイオテクノロジーです。

お金の流れを変える:「ネイチャー・フィンテック」が自然を新たな資産クラスに変える

 「環境保護にはお金がかかる」という考えは、もはや過去のものです。ネイチャーテックの中でも特に驚くべき発展を遂げているのが、金融と自然保護を融合させる「ネイチャー・フィンテック(Nature Fintech)」です。この分野は、自然を守る活動に経済的インセンティブを与え、新たなお金の流れを生み出しています。

 ネイチャー・フィンテックは、自然を価値ある資産として金融システムに組み込むための一つのバリューチェーンとして機能します。まず、規制などの市場圧力が自然配慮型の資産への需要を生み出し、測定・監視技術がその価値を証明するデータを提供します。次に、モデリング技術が自然関連のリスクや機会を価格に反映させ、最終的に新たなデジタル金融商品や市場を通じて収益化が実現するのです。

 この流れの中で、以下のような革新的な金融イノベーションが生まれています。

  • 生物多様性クレジット(Bio Credits): 企業の活動によって向上した生物多様性の価値をクレジット化し、市場で取引できるようにする仕組み(自然保護活動そのものを収益源に変える革新的なアプローチです)。

  • サステナビリティ・リンク・ボンド: 企業の生物多様性に関する目標達成度に応じて、金利などの条件が変動する債券。目標を達成すれば企業の資金調達コストが下がるため、自然保護への取り組みが促進されます。

  • インシュアテック(Insurtech)による炭素クレジット保険: 森林再生プロジェクトなどが発行するカーボンクレジットが、火災などの自然災害で価値を失うリスクを保証する保険商品。これにより、投資家は安心して自然関連プロジェクトに資金を投じることができます。生物多様性クレジットは、新たなアセットクラスとして大きな注目を集めています。この市場は、主要な買い手である企業が、規制上の義務(英国のBNGなど)や自主的な企業コミットメントを達成するために、オフサイトの検証済み保全・再生プロジェクトに投資することを可能にします。まだ黎明期にある市場ですが、企業の自然ポジティブへのコミットメントが高まる中、カーボンクレジットに次ぐ巨大な環境市場へと成長するポテンシャルを秘めています。

  • 企業事例:

    • Savimbo / Terrasos: これらは、生物多様性クレジットの創出を専門とする先駆的な企業です。地域の生態系に適した保全・回復プロジェクトを設計し、その成果を科学的根拠に基づいて測定・検証することで、信頼性の高いクレジットを開発しています。この黎明期の市場において、先行者優位を築く可能性を秘めています。


3. 需要サイド

 ネイチャーテック市場の力強い成長は、革新的な技術を供給するスタートアップだけでなく、それを積極的に導入する企業の旺盛な需要によって牽引されています。企業の「ネイチャージャーニー(自然への取り組みの道のり)」は、ACT-D(Assess, Commit, Transform, Disclose)という4つの段階で体系化できます。

  1. 評価(Assess):インパクトと依存関係の把握 最初のステップは、自社の事業活動とバリューチェーン全体が、自然にどのような影響を与え、またどれほど依存しているかを評価することです。この「評価」段階は、5Mフレームワークにおける「計測・モニタリング」および「モデリング」カテゴリーのテクノロジー提供者への需要を直接的に生み出します。

    • 事例:RWE(エネルギー) ドイツの大手エネルギー企業RWEは、eDNA(環境DNA)技術を活用して、事業拠点周辺の水域における生物多様性の状態をモニタリングしています。

    • 事例:Volkswagen(自動車) 同社は、Nala Earthが提供するグローバルな自然データプラットフォームを活用し、世界中の生産拠点周辺の土地、水、生物多様性の状態を評価しています。

  2. コミット(Commit):科学的根拠に基づく目標設定 評価の結果に基づき、企業は具体的で測定可能な目標を設定します。SBTN(Science Based Targets Network)のようなフレームワークは、科学的根拠に基づいた目標設定の指針を提供します。

    • 事例:Volvo Cars(自動車) 同社は、製品のライフサイクルアセスメント(LCA)を通じて、原材料の調達から廃棄までの全段階における生物多様性への影響を定量化し、「バリューチェーン全体で自然ポジティブな未来を目指す」という野心的な目標を掲げています。

  3. 変革(Transform):ビジネスモデルとサプライチェーンの改革 設定した目標を達成するために、企業は具体的な行動を起こします。この「変革」段階で、「マテリアルチェンジ」のソリューションが導入され、その多くは「マネタイゼーション」カテゴリーの金融商品によって資金供給されます。

    • 事例:General Mills(食品) 同社は、Regrow Agの技術(衛星データと土壌モデルの活用)を用いて、サプライチェーンにおける再生農業の進捗状況を大規模に追跡・検証し、目標達成度を管理しています。

    • 事例:Cargill(農業) 世界有数のアグリビジネス企業であるCargillは、ネイチャーテック企業であるHandprintと協業し、南米における森林破壊フリーの持続可能な大豆サプライチェーンの推進に取り組んでいます。

  4. 開示(Disclose):透明性のある情報公開 最後のステップは、これまでの取り組みの進捗と成果を、投資家やステークホルダーに対して透明性をもって開示することです。この段階で、dMRV技術が極めて重要な役割を果たします。検証可能で信頼性の高いデータを提供することで、企業の主張の信頼性を高め、「グリーンウォッシング」との批判を回避することができます。

このように、規制を起点とした企業の需要が、ネイチャーテック市場の持続的な成長を支える強力なエンジンとなっています。この確固たる需要構造こそが、投資家にとっての大きな魅力です。


4. そのほか、AIによるセレクト

 その他、以下は、生成AIに、しっかり考えさせた上で、選んでもらった、ネイチャーテックです。いろいろな技術がありそうですね。

精密発酵(Precision Fermentation)によるたんぱく質生産 : 微生物に目的たんぱく質の設計図を入れ、糖と栄養塩から発酵で作らせます。乳たんぱく質や卵白たんぱく質など機能性素材を、動物飼養なしに得るアプローチです。

  • 近年のレビューは、β-ラクトグロブリンやオボアルブミンなどのライフサイクル評価(LCA)で、温室効果ガスや水使用が従来比で低い傾向を示す研究が増えていると整理します。ただし電力と糖源に強く依存します。(ScienceDirect)

  • 企業公表のLCAでは、動物性ホエイ比で91〜97%の温室効果ガス削減などの数値が示されましたが、電源構成や工場条件に敏感です。第三者レビューの有無を確認して解釈する必要があります。(Perfect Day)

  • 中立的な解説は、「環境優位の可能性はあるが、原料サプライと電力脱炭素が前提」という条件付きの見方を示しています。(sustainablenutritioninitiative.com)

  • 土地利用の圧力緩和という観点で自然ポジティブに効く可能性があります。ただし一次原理は電気化学ではなく産業発酵で、投入物の調達が自然と衝突しない設計(廃糖化・副産物糖の活用、再エネ直結)が必須です。

生きた海岸線(Living Shorelines): 塩性植物・砂・岩・貝殻など自然素材を組み合わせ、波エネルギーを分散しつつ生息場を作る沿岸保全の工学です。防波堤のように波を跳ね返すのではなく、吸収・粗度付与でエネルギーを落とします。

  • 米国海洋大気庁は、緩やかな海域での侵食抑制と生息地価値を両立させる手法として活用を推奨しています。(NOAA Fisheries)

  • 大規模比較研究では、浸水時間が半分未満の干出礁は波高を約68%低減する一方、生態の至適条件と工学的効果が一致しない設計もある、と具体的な設計のトレードオフが示されています。(NOAA Institutional Repository)

  • 実例として、廃貝殻やリーフボールで浄化と侵食対策を両立させる取り組みが広がっています。米フロリダの事例では、市民・NPO・自治体が連携し再生礁を造成しています。(Axios)

  • 海岸保全をコストセンターから自然資産の再生投資へ変える設計です。ただし外洋の強波浪には適しません。サイト選定と設計パラメータの最適化が命です。湾奥の埋立地の護岸で「老朽化した直立壁」をいきなり高コスト更新せず、干出礁+植栽+低いロックシルの生きた海岸線を段階導入し、波高を落として土砂滞留を促す設計に置き換える。浄化機能と生息地を同時に増やし、維持管理費を平準化します。これは自然の粗度でエネルギーを散らすという一次原理の実装です。要点は「測れる自然を工学で受け止める」ことです。

ファイトレメディエーション:植物を自然の浄化装置として : ファイトレメディエーションは、植物が根や酵素を通じて毒素を吸収、分解、隔離する能力を利用します。

 これは、微生物と植物の共生関係が、栄養吸収を高めるために土壌を解毒する進化に遡ります。主な原理には、ハイパーアキュムレーション(特定の植物が金属を濃縮する)やライゾフィルトレーション(根域で水中の汚染物質を濾過する)があります。汚染された場所の修復に適用され、ブレーキシダで重金属を、ペニーワートでヒ素を浄化します。シンガポールのNTUの研究では、効率的な浄化に適した12の植物が特定され、掘削に代わる化学物質を使わない代替手段を提供しています。これは、土壌炭素貯蔵の強化を通じて、生物多様性の回復や気候目標に貢献します。機械的な方法(数か月から数年)と比較して時間がかかるものの、添加剤で加速可能です。この技術は、自然の癒し力を活用し、破壊的な浄化を置き換える気づきを体現します。

▼ その他、Gemini 2.5 Proさんの推奨Techはこちら


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