日本の「自然」が変わり始めている──環境省『第3次気候変動影響評価報告書』を読む
2026年2月、環境省から618ページにおよぶ大型報告書が公表されました。『気候変動影響評価報告書 詳細(2025年度版)』──通称「第3次気候変動影響評価報告書」です。気候変動適応法第10条に基づき、おおむね5年ごとに作成・公表されるこの報告書は、日本における気候変動影響を7分野・80小項目にわたって科学的に評価した、いわば"日本の自然と社会の健康診断書"です。
前回の第2次評価(2020年12月)から約5年。2186件の学術文献を引用し、6つの分野別ワーキンググループが3年以上にわたって議論を重ねた本報告書は、単なるアップデートではありません。気候変動の「スピードと深度」を、エビデンスで示しています。
なぜ今、このタイミングでこの報告書を深く読むべきなのでしょうか。理由は3つあります。第一に、2026年10月にアルメニア・エレバンで開催されるCBD COP17に向けて、GBF(昆明・モントリオール生物多様性枠組)の各ターゲットの進捗報告が加速しており、日本のネイチャーポジティブ戦略の科学的基盤として本報告書が最も重要な参照資料となること。第二に、TNFD開示の義務化・準義務化が各国で進む中、日本企業がシナリオ分析に用いるべき「日本固有の気候・自然リスクデータ」として、本報告書が最も包括的であること。第三に、報告書の結論が「適応のギャップは拡大し続けている」というIPCC AR6の警告を、日本の具体的な場所と産業に落とし込んで実証していることです。
ネイチャーポジティブ経営に携わる方であれば、この618ページを読み解くことで、自社のリスクと機会の解像度が格段に上がるはずです。しかし、正直なところ618ページを通読するのは相当な労力を要します。そこで本記事では、この報告書の全体像を俯瞰しつつ、特にネイチャーポジティブ経営に携わる方々にとって「経営判断に直結する知見」を抽出し、TNFD・SBTN・GBFとの接続も含めて読み解いていきます。今日も楽しんでいってくださいね!
▼参照資料:環境省『気候変動影響評価報告書 詳細(2025年度版)』(令和8年2月)

1.第3次評価の全体像──何が変わったのか
評価フレームワークの進化
第3次評価は、前回の評価手法を踏襲しつつ、IPCC第6次評価報告書(AR6)や英国の第3次気候変動リスク評価(CCRA3)の考え方を取り入れて大幅に改良されています。
評価の3軸は「重大性」「緊急性」「確信度」で、それぞれレベル1〜3の3段階で判定されます。重大性は「社会」「経済」「環境」の3つの観点から、影響の範囲、対象の重要性・希少性、持続時間・不可逆性、発生可能性、波及効果の有無を総合的に判断します。レベル3は「特に重大な影響が認められる」に相当し、例えば社会面では「多くの人命の損失」「社会の維持・発展への特に深刻な影響」、環境面では「生物種・生息地への特に深刻な影響」「生態系機能の特に深刻な低下」といった基準に該当します。
ここで注目すべきは、緊急性の評価軸が大きくシフトしたことです。第1次評価では「2030年頃まで」、第2次評価では「21世紀中頃まで」を目安としていた「影響の発現時期」に加えて、第3次では「追加的な適応策への意思決定が必要な時期」という英国CCRA3的な観点が本格導入されました。つまり、「いつ影響が出るか」だけでなく、「いつまでに意思決定しなければ手遅れになるか」──このタイムラインが、各小項目に対して示されているのです。
緊急性レベル3は「できるだけ早く意思決定が必要」、レベル2は「概ね10年以内に意思決定が必要」を意味します。行政・事業者が一定の対策の実効性を確保しうる時間的スケールとして、現在から10年後程度までが現実的であるという前提に立っています。これは、企業のTNFD開示やSBTN目標設定において、「いつまでに何を決めるべきか」を逆算するための、極めて実務的な判断材料になります。
7分野・80小項目の構成
報告書が対象とする7分野は、①農業・林業・水産業(水稲、果樹、畜産、回遊性魚介類など)、②水環境・水資源(湖沼・河川の水質、地下水、水需要)、③自然生態系(高山帯、自然林、サンゴ礁、海洋生態系など)、④自然災害・沿岸域(洪水、土砂災害、海面上昇、複合災害)、⑤健康(熱中症、感染症、メンタルヘルス)、⑥産業・経済活動(製造業、エネルギー、金融・保険、建設、不動産)、⑦国民生活・都市生活(インフラ、住宅、レジャー、世代間公平性)です。
特に今回の評価では、産業・経済活動分野の小項目が大幅に再編され、総務省日本標準産業分類・CDP気候変動レポート・TCFDガイダンスを参考に「食料品製造業」「原材料業」「情報・通信業」「運輸業」「不動産業」「衣料品製造業」が新設されています。自然生態系分野では「物質収支」が独立の大項目に昇格し、森林の炭素・水フラックス、海洋酸性化、貧酸素化が陸域から海洋まで横断的に評価されるようになりました。つまり、企業のTCFD/TNFD開示と直接マッピングできる粒度で影響評価が行われるようになったのです。
確信度の評価──「わからない」も情報である
もう一つ重要な変更点があります。確信度の評価において、「知見の種類、量、質、整合性」と「知見の見解の一致度」の2軸を用いたIPCC的な手法が精緻化されました。日本国内では将来影響予測に関する知見の量がIPCCの検討に比して少ないため、定量的な分析の知見があるかどうかが主要な判断材料の一つとなっています。多くの将来予測で確信度がレベル1〜2にとどまっているのは、知見が不十分であることを正直に示すものですが、それは「影響が小さい」ことを意味しません。むしろ、確信度が低い領域にこそ予防原則に基づく対応が求められます。
2.自然生態系──「レベル3」が集中する危機の震源地
自然生態系分野は、本報告書において最も深刻な評価が集中している領域です。合計511件の文献が引用され、前回から235件が新たに追加されました。「高山・亜高山帯」「温帯・亜寒帯」「生態系サービス」で文献数が特に増加しています。生態系分野の重要な特徴は、ここでの影響が生態系サービスを通じて農業・水産業・観光業・国民生活へ波及するという「連鎖の起点」であることです。

高山帯の崩壊シナリオ
高山・亜高山帯は、現状の約1℃上昇段階も含め、すべての温度シナリオで重大性レベル3(特に重大)と評価されました。すでに「特に重大な影響が認められている」ということです。
高山植物群落の開花期が早期化し、開花期間が短縮されています。過去90年間の植物群落の変化に着目した調査では、木本植物および非高山植物の出現頻度が増加し、高山植物の生育空間が圧迫されている実態が明らかになりました。さらに、高山植物群落の開花時期と花粉媒介昆虫の発生時期との間にミスマッチ(フェノロジカルミスマッチ)が拡大しており、過去90年間の分析に基づく予測では、高山植物群落全体の開花期間が5日間短縮されると推定されています。このミスマッチは、受粉率の低下を通じて植物の繁殖成功率を低下させ、長期的な個体群維持を脅かします。
さらに深刻なのは、ニホンジカとイノシシの高山帯への侵入です。立山連峰では2015〜2016年にイノシシが確認され、高山植物の掘り返し被害が報告されました。同じく立山連峰の高山帯ではニホンジカの侵入も確認されています。南アルプス国立公園の高山帯(標高2,700m以上)では1990年代に初めてニホンジカが確認され、2000年代以降、植生に顕著な変化が見られるようになりました。標高2,200〜2,800mの調査では、ニホンジカの採食強度の増加を受けて、シラカンバ林と背の高い草地群落のα多様性が低下していることが報告されています。
この「気温上昇→積雪量の減少→野生鳥獣の高標高域への分布拡大→高山生態系の劣化→ライチョウの生息地喪失」という連鎖は、TNFDのLEAPアプローチが重視するカスケードリスク(連鎖的リスク)の典型例です。報告書は、ライチョウの生息に不可欠な高山植物群落の被覆率が今後減少すると予測しています。高山植物群落の被覆率の低下度合いは地形への依存度によって異なり、風衝地など地形的に安定した場所が将来の「逃避地」(レフュージア)として機能する可能性も指摘されています。
サンゴ礁──日本近海から「消滅」する予測
亜熱帯の沿岸生態系も、全シナリオで重大性レベル3です。
2016年夏季、石西礁湖内および崎山湾(西表島西部)周辺の各サイトで、いずれも平均白化率90%以上の大規模白化が発生しました。さらに2024年にも平均白化率89.0%の白化が確認されています。白化からの回復はサンゴ群集間で大きく異なり、以前の水準まで回復しない種類があることも明らかになりました。沖縄県伊平屋島の礁池では、1998年以降の度重なる白化被害がミドリイシ類に集中した結果、白化への耐性が高いユビエダハマサンゴ群落やエダコモンサンゴ群落へと群集構造が置換されていると報告されています。
海洋酸性化の影響も深刻化しています。北太平洋西部では海洋酸性化の進行速度が大気中CO₂の増加ペースに追従しており、2008〜2017年の酸性化速度は、1983〜2017年の平均と比較して約30%速く進行していました。宮古湾、志津川湾、柏崎海岸などでは、アラゴナイト飽和度(海洋生物が殻や骨格を形成するための指標)が時折1.5を下回り、太平洋カキなどにとって潜在的に危険なレベルまで低下していることが確認されています。東京湾では87日間にわたってアラゴナイト飽和度が閾値を下回っているという衝撃的なデータもあります。
将来予測はさらに厳しいものです。3〜4℃上昇シナリオでは、21世紀末までに水温上昇と海洋酸性化により、熱帯・亜熱帯の造礁サンゴの生育に適する海域が日本近海から消滅すると予測されています。一方、太平洋房総半島以南と九州西岸北岸では温帯性サンゴの分布が北上しており、新たな生態系の再編が進行中です。
藻場の喪失──ブルーカーボンの危機
温帯・亜寒帯の沿岸生態系でも、重大性はレベル3です。植食性魚類(アイゴやブダイなど)の分布拡大による藻場の食害(磯焼け)が各地で深刻化しています。藻場は「海のゆりかご」として漁業資源の涵養機能を担うとともに、炭素吸収源(ブルーカーボン)としても注目されています。その喪失は、漁業の基盤から気候変動緩和機能まで、生態系サービスの複合的な劣化を意味します。
物質収支──森林も海洋も「炭素の計算」が変わる
今回新たに独立項目となった「物質収支」は、ネイチャーポジティブ経営にとって極めて重要な知見を提供しています。日本の森林における土壌由来の温室効果ガス交換量は過去30年間(1980〜2009年)にわたって増加しており、CO₂放出は年0.23%、メタン吸収は年0.44%の割合で変化しています。各地の土壌温暖化実験では、1℃の地温上昇によりCO₂排出量が6.2〜26%増加すると推定されています。つまり、「森林がCO₂を吸収してくれる」という前提が、温暖化の進行とともに崩れつつあるのです。
海洋では、RCP8.5シナリオで21世紀末までに世界の海洋の72%以上で溶存酸素量が低下すると予測されています。日本海沿岸では、酸素濃度がすでに1960年代の自然変動範囲を下回っている深度範囲が確認されています。海洋の貧酸素化と酸性化は、養殖業や水産資源に直接的な脅威をもたらします。
SBTNの陸域・海洋目標やGBFターゲット8(気候変動の最小化)との関連で、企業が自社バリューチェーンにおける炭素・水・栄養塩のフラックスを把握する際、この「物質収支」セクションのデータは不可欠なベースラインとなります。
3.農業・林業・水産業──食卓が変わる、産地が変わる
コメの品質危機──白未熟粒率40%の衝撃
水稲は、1.5〜2℃上昇時・3〜4℃上昇時ともに重大性レベル3と評価されています。
白未熟粒(コメ粒が白く濁る現象)の被害が全国で拡大しています。白未熟粒は出穂後20日間の日平均気温が26℃を超えると増加しますが、白未熟粒の発生が確認される都道府県数は、2013〜2017年の約24都道府県から、2017〜2021年には約31都道府県に増加しました。
2023年の猛暑では白未熟粒が多発し、新潟県の「コシヒカリ」の1等米比率はわずか4.3%まで急落しました。全国平均でも1等米比率が大幅に低下する過去に例のない事態です。推定白未熟粒率が1%増加すると、1等米比率は約1.6ポイント低下するという定量関係も明らかにされています。
将来予測では、高温とCO₂濃度上昇の複合影響を組み込んだ新モデルにより、従来の温度のみに基づく予測が大幅に修正されました。CO₂濃度の上昇自体が白未熟粒率を増加させることが明らかになり、高温と高CO₂の影響を考慮した場合、白未熟粒率は今世紀半ばで約20%、今世紀末には約40%に達すると推定されています。収量についても、従来は「CO₂施肥効果で増収」と予測されていましたが、高温との複合影響により、RCP8.5シナリオでは21世紀中頃以降に収量が減少に転じるとの下方修正がなされました。ただし、高温耐性品種の導入と適切な移植時期の調整により、温暖化が2℃程度まで進行しても白未熟粒率30%以下の高品質米の生産量を維持できるとの推定もあり、適応策の効果も定量的に示されています。
果樹──リンゴもミカンもブドウも「産地移動」の時代
果樹は、現状の約1℃上昇段階ですでに重大性レベル3、緊急性もレベル3という、報告書中で最も厳しい評価の一つです。
ブドウ、リンゴ、ウンシュウミカンのほぼすべての樹種について、夏季の高温による果皮の着色不良・日焼けなどの品質低下が日本全国の産地で発生しています。着色不良などの被害を報告した都道府県数は、2012〜2016年と比べ2017〜2021年の5年平均で増加しています。
将来予測では、ウンシュウミカンはSSP5-8.5シナリオで栽培適地が北・内陸に広がる一方、現在の主要産地での栽培が困難になること、カンキツグリーニング病を媒介するミカンキジラミの定着地域がRCP8.5シナリオで北上することが予測されています。リンゴは、RCP2.6シナリオの21世紀末でも東北地方の主産地の平野部が栽培適地よりも高温となる一方、北海道では栽培適地が拡大するとされています。高温によりウンシュウミカンの生産が困難になる地域では、アボカドへの転作が選択肢として挙げられているのが印象的です。
これらの栽培適地の変化は、地方経済・地域ブランドの根幹を揺るがす問題です。果樹は植栽から収穫開始まで数年〜十数年を要するため、「10年後を見据えた品種・品目の意思決定」が今まさに求められています。
漁業の地殻変動──サケ・サンマの衰退とブリ・サワラの北上
海水温の上昇により、回遊性魚介類の分布が劇的に変化しています。
東北地方太平洋沿岸域では、冷水性のサンマ・サケの漁獲量が引き続き減少しています。サンマの道東海域の漁場は縮小し、シロザケの回帰率は低下を続けています。スルメイカも日本周辺海域で資源が急減し、日本海で体サイズの小型化が報告されています。
一方、暖水性のブリ・サワラの漁獲量は北海道・東北海域で顕著に増加しています。近年特に顕著なのは、東北地方太平洋沿岸域でふぐ類、タチウオ、チダイ、ケンサキイカ、ガザミなど、以前は南方の魚種とされていた種の漁獲が増加していることです。ふぐ類では太平洋沿岸で自然交雑種が出現しており、種の同定が困難になるケースも報告されています。これは食の安全に直結する問題です。
マサバの産卵場が北上するとともに産卵終了時期が延びていること、クロマグロの稚仔魚の分布が日本海において拡大したと推測されていることなど、海洋生態系全体の再編が進んでいます。報告書は、日本の水産業がこれまでも海洋環境の変化に対応してきた歴史を認めつつ、「加工・流通のインフラや消費者の嗜好の変化が漁獲の変化に追いつかない可能性がある」と指摘しています。
この「漁業のトランジション」は、ネイチャーポジティブの文脈では機会にもなりえます。北海道で増加するブリをブランド化する「北海道ブリ」の取り組みや、東北で新たに漁獲される暖水性魚種の加工技術開発は、気候適応型の水産ビジネスの萌芽です。しかし同時に、サケ文化の喪失、サンマ漁の衰退は地域のアイデンティティと経済基盤に深刻な影響を与えます。TNFDの「依存と影響」評価において、企業は自社の水産物サプライチェーンがこの「海の地殻変動」にどう曝露されているかを、種単位・海域単位で把握する必要があります。
ブナ林の消滅──世界自然遺産の危機
ブナの全国の生育適域面積は、1.5〜2℃上昇時には現在の97.5%と微減にとどまりますが、3〜4℃上昇時には現在のわずか22%にまで激減すると予測されています。特に西日本ではブナ林の分布適域の減少が著しく、白神山地のブナ分布南限である高隈山(鹿児島県)の適地はRCP2.6でも大幅に縮小、RCP8.5ではほぼ消滅するとされています。現在のブナ優占林の59%がミズナラ優占型に、22%がコナラ優占型に遷移することも予測されています。
ブナ林の衰退は世界自然遺産(白神山地)の存在意義に関わる問題であり、各地域のブナの「逃避地」(レフュージア)として四国山地の主稜線部が重要である可能性が指摘されています。TNFDの「場所の重要性」評価において、こうした生態学的知見は不可欠です。
4.自然災害──「想定外」が「新しい日常」になる
洪水被害額の長期トレンドと将来予測
自然災害・沿岸域分野も、洪水・高潮・土石流など多くの項目で重大性レベル3です。
1993〜2018年の26年間における外水氾濫による一般資産被害の累計は約3兆3,408億円に上ります。洪水の発生地点数や浸水面積あたりの被害額は増加傾向にあり、平成29年九州北部豪雨、平成30年7月豪雨、令和5年梅雨期の大雨の発生確率や、平成30年7月豪雨・令和元年東日本台風・令和2年7月豪雨の強度が地球温暖化の影響で増大したことが科学的に裏付けられました。将来予測では、2℃上昇時に洪水発生頻度が約2倍、4℃上昇時には約4倍になるとの見通しです。

「複合的な災害影響」──新設された注目項目
今回の評価で特に注目すべきは、「複合的な災害影響」が新たに独立項目として設けられたことです。
洪水と高潮が同日に発生する複合災害の年期待被害額は、2050年気候で約1.1〜1.2兆円、2100年気候で約1.2〜1.4兆円に達すると予測されています。現在と比較して1.4〜1.8倍です。伊勢湾・三河湾を対象とした研究では、高潮と洪水の複合氾濫では、高潮のみと比べて平均浸水範囲が約51%、平均浸水深が約23%増加すると報告されています。
2024年1月の能登半島地震とその後の9月の豪雨、2018年の大阪北部地震と台風21号の連続被害──地震で脆弱化した地盤やインフラが気象災害で追い打ちを受ける「地震→豪雨」の連鎖は、もはや理論上のシナリオではなく繰り返し現実化しています。南海トラフ地震と台風が連続して発生した場合のシミュレーションでは、名古屋・大阪の都市機能の長期的低下と沿岸域の人口減少が予測されています。
令和元年房総半島台風では暴風で電柱1,996本が倒壊・傾斜し、千葉県で最大約64万戸が停電、復旧に約2週間を要しました。停電の長期化は冷蔵食品の廃棄、医療機器の停止、通信途絶を引き起こし、特に在宅医療を受けている高齢者に深刻な影響を与えました。6割強の高齢者入居施設がライフライン被害を受け、約2割の施設で入居者の体調悪化が見られたとの調査結果もあります。
気象災害と感染症の複合リスクも現実化しています。令和2年7月豪雨では避難所でのCOVID-19感染が懸念され、「感染症が心配で避難しなかった」との回答が各国10〜20%に達しました。南海トラフ地震と台風の連続発生シミュレーションでは、名古屋・大阪の都市機能の長期的低下と沿岸域の人口減少が予測されていますが、このシナリオに感染症パンデミックが重なった場合の影響は、現時点では十分に研究されていません。報告書が指摘する「確信度の低い領域」の典型例であり、予防原則に基づく対応が求められます。
企業のBCP設計においては、単一ハザードではなくマルチハザードのカスケードシナリオを想定する必要性が、この報告書によって科学的に裏付けられました。「地震→豪雨→停電→通信途絶→サプライチェーン断絶→復旧の長期化」という一連の連鎖を、時間軸を含めてシミュレーションすることが、真のレジリエンス経営には不可欠です。
5.健康──「暑さで人が死ぬ国」になった日本
超過死亡の加速
日本全国で高温による超過死亡の増加傾向が確認されており、熱中症による死亡者数は2000年代に入ってからは毎年数百人から千人を超えています。特に高齢者の超過死亡数の増加傾向が大きく、熱帯夜の日には全年齢および高齢者の全死亡が9〜10%増加することが報告されています。WHOの報告書では暑さによる世界的な死亡の37%が人為的な気候変動によるものと推定されています。
人口密度の高い大都市圏でより大きな死亡リスクの増加が見られる一方で、相対的に寒冷な地域でも高齢者死亡率が顕著に増加しています。高温に起因した死亡は所得などの社会経済的要因の影響を受けることも明らかになっており、「暑さの公平性」が社会課題として浮上しています。
将来予測では、すべての都道府県で超過死亡数が2020年代と比較して2090年代には約2倍からそれ以上になると予測されています。気温上昇を2℃未満に抑えることで気温関連死亡の大幅な増加を抑制できるとの研究結果もあり、パリ協定の1.5℃目標が「命を守る数字」であることが改めて裏付けられました。
国際労働機関(ILO)の報告では、職業上の暑熱曝露が世界全体で18,970人の死亡と209万年の障害調整生存年(DALY)に関連していると推計されています。日本の建設業、農業、製造業の現場でも労働環境の悪化は深刻で、報告書の産業・経済活動分野では「作業員・従業員の熱中症リスク増加」が建設業・製造業・サービス業にまたがる共通リスクとして識別されています。これは企業にとって労働安全衛生上の法的リスクであると同時に、労働生産性の低下を通じた経済損失でもあります。
メンタルヘルスと新たな健康リスク
「メンタルヘルスへの影響」が新たに独立項目として評価されたことも注目です。花粉症については花粉飛散量が増加傾向にあり、夏季の気温と翌年の花粉飛散量に正の相関が確認されています。さらに、海水温上昇による熱帯性渦鞭毛藻の北上でシガテラ中毒リスクが本州・四国・九州にまで拡大し、海洋酸性化に伴う麻痺性貝毒の発生増加も懸念されています。海洋生態系の変化が人間の食の安全と健康に直接波及する、「ワンヘルス」的なリスク連鎖が可視化されました。
6.産業・経済活動──すべてのセクターが「当事者」になった
産業分野の再編と15セクターの網羅的評価
第3次評価の産業・経済活動分野は203件の文献を引用し、うち98件が新規追加です。15の小項目(全般、製造業、食料品製造業、エネルギー産業、原材料業、商業、金融・保険業、観光業、建設業、情報・通信業、運輸業、不動産業、サービス業、医療・福祉・製薬業、衣料品製造業)に加え、「海外からの2次的影響」が設けられました。
報告書は、気候変動の影響がセクター横断的に波及するメカニズムを体系的に示しています。この波及構造を理解することが、TNFD開示におけるマテリアリティ評価の精度を左右します。

エネルギー産業では、冷房需要の増大による夏季ピーク負荷への対応が求められる一方、風パターンの変化による風力発電量の変動や、降水パターンの変化による水力発電への影響も懸念されています。海水温上昇が発電施設の取水温度を上昇させ、冷却効率を低下させるという指摘もあります。
建設業では、気圧・風パターンの変化に伴う設計基準の見直しが必要となっており、極端気象の増加に伴う工期遅延リスクも高まっています。建設作業員の熱中症リスクは、屋外労働時間の制約を通じて工事のリードタイムとコストに直接影響します。
観光業では、積雪量の減少によるスキー産業への影響、砂浜の減少やサンゴの白化による海洋レジャーへの影響、極端気象による閉園・臨時休業の増加が報告されています。観光業はその土地の「自然資本」に最も直接的に依存するセクターであり、TNFDの依存度評価において最優先で取り組むべき業種の一つです。
運輸業では、極端気象による交通インフラへの被害、豪雨による道路・鉄道の寸断、港・空港での運航計画の変更が頻発しています。サプライチェーン全体の物流レジリエンスが問われる時代に入りました。
不動産業では、工期遅延、設備運営費の増大、浸水リスクの高い立地の資産価値低下が懸念されています。不動産のバリュエーションにおいて気候・自然リスクを組み込む動きは国際的に加速しており、日本の不動産セクターもこの潮流から逃れることはできません。
医療・福祉・製薬業では、熱中症救急搬送数の増加による医療現場のひっ迫、感染症パターンの変化が指摘されています。気候変動は医療需要の構造そのものを変えつつあり、製薬企業にとっては研究開発パイプラインの優先順位を見直す契機にもなりえます。
金融・保険業──保険料率が語る「自然の値段」
金融・保険業への影響は本報告書で最も具体的な数字を伴って示されています。過去の主な風水害による保険金支払額の上位10件のうち7件を2014年以降の災害が占めており、平成30年台風第21号の保険金支払額は1兆円に達しました。保険会社では従来のリスク定量化手法では将来予測が困難になっており、火災保険の最長契約期間が10年から5年に短縮され、参考純率の引き上げが続いています。洪水による経済影響がGDPを引き下げる圧力をかけ、企業と金融仲介機関のバランスシートを悪化させることも定量的に示されました。
この「保険の値段が上がり続ける」事実は、自然資本の毀損が金融システムを通じて経済全体に波及するメカニズムの最もわかりやすい表現です。
海外サプライチェーンの脆弱性
「海外からの2次的影響」では、輸出国における穀物収量の減少、海外生産拠点の浸水被害、食料安全保障や経済安全保障への影響が初めて体系的に評価されました。TNFD開示において原材料調達国の自然リスクを評価する際、国内の直接影響のみならず国際サプライチェーンにおける間接波及を含めた「ダブルマテリアリティ」の視点が不可欠であることを、本報告書は科学的に裏付けています。
7.「公平性」と「連鎖」──報告書が突きつける構造的課題
世代間・世代内公平性──災害弱者への不均等な影響
報告書は「公平性・社会的弱者への配慮」を独立項目として評価しています(重大性レベル2、緊急性レベル3)。近年の災害における全死者のうち65歳以上の高齢者の割合は、令和元年東日本台風では約65%、令和2年7月豪雨では約79%に達しました。
子育て世代も脆弱です。住宅が被災した子育て世代は、幼稚園・学校への通園・通学手段の変更、子育てを支援してきた地域ネットワークの断絶により、社会参画の機会および雇用機会の喪失につながるとの指摘があります。子どもは災害により大きな心身の負担を受けますが、避難所では遊びや学習の環境が保障されないことが多いと報告されています。
「障害者と気候変動」については、国連人権理事会が気候変動の悪影響が障害者にとりわけ強く及ぶとする決議を行っている一方、「日本国内ではこの議論や研究は皆無に近い」と報告書が指摘していることは、今後のESG開示における「公正な移行」(Just Transition)の議論において重要な論点です。
米国における猛暑災害の研究では、脆弱性を抱えた人々の特徴──高齢であること、単身で社会的に孤立していること、健康上のリスクを抱えていること──が日本の生活困窮者の特徴と共通しているとの指摘もあります。気候変動による被害の程度は居住地域のみならず、人々の社会経済的状況によって大きく異なるのです。
ここでネイチャーポジティブとの接続を考えてみましょう。グリーンインフラの整備は、都市のヒートアイランド効果の緩和を通じて暑熱による健康被害を軽減します。しかし、その恩恵は整備された地域の住民にしか届きません。低所得地域や高齢化率の高い地域にこそグリーンインフラが必要であるにもかかわらず、財政力の乏しい自治体ほど整備が遅れるというパラドックスがあります。TNFDの「ステークホルダーエンゲージメント」において、社会的弱者の視点を組み込むことの重要性が、この報告書から読み取れます。
連鎖的・複合的影響──ドミノ倒しのメカニズム
「連鎖的・複合的影響」が独立セクションとして設けられ、分野横断的なリスク伝播が整理されました。例えば、「海水温上昇→サンゴ白化→藻場喪失→漁業資源減少→食料品製造業への原材料供給変動→地域経済衰退→コミュニティの脆弱化→災害レジリエンスの低下」──こうした連鎖が科学的知見に基づいて示されています。TNFDの「依存と影響の特定」(LEAP-D)やSBTNのバリューチェーンフットプリント評価と完全に整合する考え方です。
8.水の未来──流域スケールで考える
水環境・水資源分野は、ネイチャーポジティブ経営で見過ごされがちな領域です。
地下水については、海面水位上昇による塩水化が一部地域で既に発生し、緊急性レベル3と評価されています。農業用水では、収量最大化のための田植え日選択と水需給バランスの関係が地域ごとに分析され、融雪出水が大きい北日本(北海道・東北・北陸・近畿・中国日本海側)では水需給バランスが改善する一方、灌漑期後半の流量に依存する西日本(関東・中部・近畿・中国瀬戸内海側・四国・九州)では悪化するという「南北格差」が明確に示されました。鳥取県の調査では41年間で灌漑必要水量が15%増加しており、その要因の81.1%を「平均気温の上昇」と「最大連続干天日数の増加」が占めています。
この知見はSBTNの淡水目標(Freshwater V2)設定や、WRI Aqueductの日本国内データ精緻化に直接活用できます。企業が水リスクを評価する際、「日本は水が豊かだから水ストレスは低い」という一般的な認識を見直す必要があります。報告書は、日本国内でも西日本を中心に灌漑期の水需給が逼迫する地域があること、地下水の塩水化が沿岸地域で既に始まっていることを明確に示しています。
湖沼の水環境も変化しています。世界393の湖沼のデータ分析から、湖沼の溶存酸素量の減少は海洋における現象よりも著しく大きく、1980〜2017年の期間で表層水と深層水の溶存酸素濃度がそれぞれ0.45mg/Lおよび0.42mg/L減少したことが示されています。日本のダム湖でも水温上昇に伴う水質変化(富栄養化の進行、藍藻類の発生増加)が報告されており、上水道の浄水処理コストの増大が懸念されます。
スマート流域管理──衛星SARデータとAIによるリアルタイム流域モニタリング、パラメトリック保険による洪水リスクの移転、グリーン×グレーインフラのハイブリッド設計──は、リスクの裏側にあるビジネス機会でもあります。水は気候変動と自然資本の交差点に位置する「つなぐ資源」であり、流域単位の統合管理アプローチは、ネイチャーポジティブ経営の実践において最も具体的な切り口の一つです。
9.ネイチャーポジティブ経営への実装──5つのアクションポイント
本報告書の知見を、企業経営にどう実装するか。以下の5つを提案します。

アクション1:TNFD-LEAPの「L」に報告書データを統合する
LEAPの「Locate」において、本報告書は最も包括的な国内データベースです。自社の事業拠点・サプライチェーンが位置する地域の気候変動影響を80小項目の評価結果と照合し、場所固有のリスクと機会を特定できます。
具体的な活用例を挙げましょう。西日本に農業サプライヤーを持つ食品メーカーなら、水資源分野の「水需給バランスの悪化」、農業分野の「病害虫の北上」「白未熟粒率の増加」「果樹の着色不良」という四重のリスクを重ね合わせて評価すべきです。沿岸部に工場を持つ製造業なら、「海面上昇」「高潮・高波」「複合災害」「停電リスク」のマルチハザード評価が必要です。北海道に事業拠点を持つ水産加工業者であれば、冷水性魚種の衰退と暖水性魚種の増加が原材料調達構造そのものを変えることを織り込むべきです。
報告書の7分野・80小項目は、TNFDの「セクター別ガイダンス」と組み合わせることで、日本固有のリスクマトリクスとして機能します。まずは自社のバリューチェーンマップに80小項目をオーバーレイし、「関連する小項目」と「その評価レベル」を一覧化することから始めてみてください。
アクション2:「緊急性レベル3」項目からバックキャストする
緊急性レベル3の項目(高山帯、サンゴ礁、藻場、果樹、病害虫、回遊性魚介類など)に関連するバリューチェーンを持つ企業は、2026年中に意思決定プロセスを開始すべきです。「できるだけ早く」とは修辞ではなく、科学的評価に基づく期限です。
例えば、果樹分野は重大性・緊急性・確信度のすべてがレベル3と評価されています。リンゴの主産地が10〜20年以内に栽培適温を超える可能性が示されており、果樹は植栽から収穫まで数年〜十数年を要することを考えると、品種転換や産地移転の判断は今がラストチャンスに近いのです。自治体の農業振興計画、食品メーカーの原材料調達戦略、地方銀行の農業融資ポートフォリオ──すべてが同時に「気候変動適応の意思決定」を迫られています。
レベル2の項目は「概ね10年以内」、つまり2030年代前半が期限です。GBFの2030年ターゲットやSBTN中間目標とちょうど重なるため、ネイチャーポジティブ移行計画の中に自然に組み込むことができます。

アクション3:気候×自然の「ダブルマテリアリティ」を統合する
TCFDとTNFDを別々の開示として扱う時代は終わりです。本報告書は618ページにわたって、気候変動と自然資本の劣化が不可分であることを実証しています。
気温上昇はサンゴ白化をもたらし、藻場を壊し、漁業を変え、食品サプライチェーンを揺さぶります。CO₂濃度の上昇は海洋酸性化を進め、貝類の殻形成を阻害し、養殖業を直撃します。降水パターンの変化は森林の水収支を変え、土砂流出を増やし、ダムの堆砂を加速させ、水力発電の効率を左右します。これらの連鎖は、どこからが「気候」の話で、どこからが「自然」の話なのか、境界を引くことができません。
TCFD・TNFD統合シナリオ分析として一体的に評価・開示することが、投資家コミュニケーションの説得力を飛躍的に高めます。CBD COP17(2026年10月、エレバン)に向けて、日本企業がこの統合アプローチを先行的に示すことは国際的リーダーシップの発揮にもつながります。EUのCSRD(企業持続可能性報告指令)が求めるダブルマテリアリティ評価においても、気候と自然の統合は必須の方向性です。
アクション4:NbSで「適応×緩和×ネイチャーポジティブ」の三位一体を
報告書は各項目について適応策を整理していますが、多くは既存対策の延長にとどまり、IPCC AR6が指摘する「適応のギャップ」が存在します。
自然を活用した解決策(NbS)は、このギャップを埋める最も有望なアプローチです。洪水適応としてのグリーンインフラ整備・流域治水への転換・遊水地の保全復元は、同時に生態系の回復(ネイチャーポジティブ)と炭素吸収(緩和)に貢献します。藻場の保全・再生は、ブルーカーボン吸収、漁業資源涵養、沿岸防災強化という三つの便益を一つの投資で実現します。報告書が指摘する「森林の水収支の変化」に対しても、混交林化や天然林への移行管理は、炭素吸収の安定化、水源涵養機能の強化、生物多様性の回復を同時に達成できます。
こうした「一石三鳥」のソリューションは、個別の適応策よりもコスト効率が高く、投資家に対しても「自然資本への投資が複数のリターンを生む」というストーリーを提供できます。

アクション5:GBFヘッドライン指標との接続を確立する
CBD COP17に向けてGBFヘッドライン指標の計算方法論が急速に整備されつつあります。本報告書は日本の生態系の状態と変化トレンドに関する最も包括的なベースラインです。GBFターゲット1(保護地域30%)、ターゲット2(劣化生態系の回復30%)、ターゲット8(気候変動の生物多様性への影響の最小化)、ターゲット15(企業開示)等の進捗評価に不可欠なデータソースとして、TNFD開示における定量報告の基盤にぜひ活用してください。
特にターゲット8は気候変動と生物多様性の交差点に位置しており、本報告書の知見はまさにこのターゲットのナショナルレベルでの実装根拠となります。企業がネイチャーポジティブ移行計画においてGBFターゲットに沿った目標を設定する際、本報告書のデータは「日本における科学的ベースライン」として最も信頼性の高い参照点です。
10.まとめ──618ページが語る「行動の窓」
第3次気候変動影響評価報告書は、日本の自然と社会が直面するリスクの全体像を、これまでにない精度と広がりで描き出しています。しかし、報告書の価値は「読む」ことではなく「使う」ことにあります。
3つの「行動の窓」
窓①:今すぐ動く(2026年中) ── 緊急性レベル3項目に関連するバリューチェーンの棚卸し。CBD COP17に向けた自社ポジションの確立。複合災害リスクを組み込んだBCPの更新。
窓②:2030年までに変える ── SBTN中間目標・GBFターゲットと連動した移行計画の策定。TCFD/TNFD統合シナリオ分析の実施。NbSを軸とした三位一体戦略の構築。

ネイチャーポジティブの「羅針盤」として
報告書の最後に記されている検討体制には、農学、水文学、生態学、医学、経済学、工学など、多分野にわたる専門家の名前が並んでいます。この報告書は、日本の科学者コミュニティが3年以上をかけて国に対して発した「科学的助言」です。本報告書の本質は、「自然が変わりつつある速度」に対して「人間社会の対応がどれだけ遅れているか」を可視化したことにあります。IPCC AR6が指摘した「適応のギャップの拡大」が、日本という具体的な場所で、農業や漁業や生態系やインフラや暮らしのレベルで、どのように顕在化しているかを示しています。
ネイチャーポジティブ経営とは、このギャップを埋めるための経営です。618ページの先に見えるのは、危機だけではありません。高温耐性品種の開発、ブルーカーボン事業、NbSを活用した流域治水、パラメトリック保険、スマート流域管理、暖水性魚種を活用した新たな水産加工──自然と共存する経済をデザインする「機会の窓」が、まさに今、開かれています。
*本記事は、環境省『気候変動影響評価報告書 詳細(2025年度版)』(令和8年2月)の内容に基づき、筆者が独自の分析・解釈を加えて作成したものです。報告書の原文は環境省ウェブサイトからダウンロードできます。
ネイチャーポジティブに関する最新情報は、note.com/nature_positive で発信しています。
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