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カタルシスを語る丘

そこは、究極の浄化の世界だった。

ポボスは鏡に向かって静かに話しかける。
「エレオス、出ておいで」
すると鏡の中のエレオスが、透き通るような笑みを浮かべてこちらへ歩み寄る。
ポボスは鏡の外の世界に、エレオスは鏡の中の世界からお互いを見てきた。
どんなに辛く悲しいことが起こっても、ここに来れば全てが癒される。そう信じて疑わなかった。

「今日は何を食べたの?」エレオスが聞くと、
「鳥が運んできた木の実だよ」ポボスが答えた。
「中の世界はどう?苦しくない?」ポボスが聞くと、「少し寒いかな」エレオスは答えた。
ここは、全面ガラス張りのパラレル。ポボスはいつも、下界から秘密のルートを辿り、丑の刻にこの世界へとやってくる。
「さあ、行くよ」
「うん」
二人は鏡に向かい、互いの左手と左手を合わせ、静かに目を瞑った。そして深く息を吐き、胸一杯に息を吸い込んだところで、二人はある呪文を口にする。

「アリスとテレス!」

ポボスは鏡の中へ、エレオスは鏡の外へ勢いよくダイブした。
🪞
13個の鏡を潜り抜けるたびに、ポボスには下界で人々に浴びせかけられた言葉が、フラッシュバックして降ってくる。その恐ろしい言葉の雨に、怯えることなく、一つ一つ鏡を超えていかねばならない。

同じ時、エレオスは、ポボスが人々からかけられた言葉を、アイ(私)メッセージで塗り替えて行く。
一枚目「変なの」→→→『私はわたし』
二枚目「大嫌い」→→→『わたし大好き』
三枚目「ダサっ」→→→『私カッコいい』
四枚目「ムカつく」→→→『私はブレない』
五枚目「いらない」→→→『私は必要』
六枚目「憎 い」→→→『私は関与しない』
七枚目「汚 い」→→→『私は美しい』
八枚目「恥ずっ」→→→『私はこれでいい』
九枚目「怖 い」→→→『私は優しい』
十枚目「裏切った」→→→『私は信じる』
11枚目「終わった」→→→『私が始まる』
12枚目「…無視」→→→『私はここにいる』

13枚目の鏡を潜り抜けると、そこには春の穏やかな陽気に包まれた、みどりの草たちが風にそよぐ大きな広場があり、ポボスの目の前に真っ白な荷車が置かれている。

ポボスは来ている服を全て脱ぎ、その荷車の中に放り投げた。一糸纏わぬ生まれたままの姿で、くるくると回って笑った。小高い丘の向こうから、エレオスもまた、生まれたままの姿で手を降りながらこっちへ駆けてくる。
「よく頑張ったね。ポボス」エレオスが労った。
「君の憐れみの念が私を救ったのだ」
ポボスは安堵した。
🪞
二人はゆっくりと最後の鏡に近づいた。
「例え、違う世界で暮らしていても、私はあなたを信じている」ポボスは確固たる信念を表した。
「どんなに恐ろしいエネルギーに晒されても、何度だって私はあなたを守る」エレオスは胸の上に手を当てて、こくりと頷いた。

春の日差しが降り注ぐ小高い丘の上に、一本の大きな木が風に揺られ、さわざわと音をたてた。
二人はまっさらな白い靴下を履き、再びそれぞれの世界へと帰っていった。

この世の恐れと哀れみに負けないくらいの、強い信頼のわたしを抱いて…。

あ、服全部脱いできちゃった💧
あるのは白い靴下だけ…👣🧦

ᵃʳⁱᵍᵃᵗᵒ~(˘͈ᵕ ˘͈♡)ஐ:*ナウ2nd

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