〜 おへその乱読1000本ノック #0107 ~ Sestrin2:ロイシンをmTORC1へつなぐ栄養センサー
ようこそ、第107回 おへその乱読1000本ノックへ。
前回は、SAMTORを介したメチオニン代謝とmTORC1制御を見てきました。今回は、mTORC1上流のアミノ酸センサーの中でも、ロイシン感知に焦点を当てます。
今回取り上げるのは、Wolfson et al.(2016)による、Sestrin2を介したロイシン感知機構の論文です。ロイシンは、mTORC1を強く活性化するアミノ酸として知られていましたが、その情報を細胞内でどの分子が直接受け取るのかは長く不明でした。
本論文では、Sestrin2がロイシンに直接結合し、GATOR2との相互作用を介してmTORC1経路へロイシン充足状態を伝えることが示されました。ロイシンという栄養シグナルが、どのようにmTORC1活性化へつながるのかを読み解いていきます。

要旨
ロイシンは必須アミノ酸であると同時に、細胞成長を促すmTORC1シグナルを活性化する重要な栄養信号でもある。しかし、細胞内でロイシンの量を感知し、それをmTORC1へ伝えるセンサーの正体はこれまで不明であった。
本研究では、Sestrin2というタンパク質がそのロイシンセンサーであることを明らかにした。細胞からロイシンを除くと、Sestrin2はGATOR2というタンパク質との結合を強め、ロイシンを再び与えると結合が外れた。一方、同じくmTORC1に必要なアルギニンを除いてもこの反応は起きず、Sestrin2は特にロイシンに応答することがわかった。さらに、精製したタンパク質を使った実験で、ロイシンがSestrin2に直接結合することを確認した。結合の強さ、すなわち解離定数は約20 μMであり、細胞内でmTORC1が活性化し始める濃度とほぼ一致していた。メチオニンやイソロイシンも弱く結合を妨げたが、アルギニンは結合せず、この性質はショウジョウバエのSestrinでも保たれていた。
機能面では、Sestrin1/2/3をすべて欠損させた細胞ではロイシン不足に対するmTORC1の反応が鈍くなったが、正常なSestrin2を戻すと反応が回復した。一方、GATOR2と結合できない変異体や、ロイシンを結合できない変異体では、ロイシンの情報を正しくmTORC1へ伝えられなかった。
以上から、Sestrin2は細胞内でロイシンを直接感知し、その結合状態に応じてGATOR2との相互作用を変化させることで、mTORC1の活性を制御していることが示された。ロイシン1つの量の変化が、Sestrin2を介して細胞成長のシグナルへと変換される仕組みを明らかにした研究である。
1. イントロダクション:ロイシンセンサーはどこにあるのか
ロイシンは、タンパク質を構成する必須アミノ酸の一つであると同時に、mTORC1を活性化する重要な栄養シグナルでもある。mTORC1は、タンパク質合成や脂質合成、オートファジーなどを制御する細胞成長の中心的なキナーゼ複合体であり、ロイシンはその活性化因子として古くから注目されてきた。
アミノ酸によるmTORC1制御では、Rag GTPaseが重要な役割を担う。アミノ酸が十分に存在すると、Rag GTPaseはmTORC1をリソソーム表面へ移動させ、そこでRhebによる活性化を受けやすくする。このRag経路の上流には、GATOR1、GATOR2、Sestrinなどの制御因子が位置している(参考図)。

参考図 アミノ酸によるmTORC1制御ネットワーク
アミノ酸シグナルは、リソソーム膜上のRag GTPaseを中心とする経路を介してmTORC1の局在と活性を調節する。Ragヘテロダイマーは、アミノ酸十分条件下でmTORC1をリソソーム膜上へ動員し、Rhebによる活性化を可能にする。この過程にはRagulator/LAMTOR、v-ATPase、GATOR1、GATOR2、KICSTOR、FLCN–FNIPなどの複合体が関与し、さらにSestrin、CASTOR、SAMTOR、SLC38A9などのセンサーが、ロイシン、アルギニン、メチオニン由来SAMなどの情報をRag経路へ入力する。本稿で扱うSestrin2は、ロイシン情報をGATOR2との相互作用変化としてRag経路へ接続する細胞質側センサーである。(出典:Fernandes and Demetriades, 2021より一部改変)
これらのうち、GATOR1はRag経路を抑制する因子であり、GATOR2はそのGATOR1を抑えることでmTORC1の活性化を助ける因子と考えられている。一方、Sestrin2はGATOR2と相互作用し、mTORC1シグナルを抑制するタンパク質として知られていた。しかし、Sestrin2がどのような栄養情報を受け取り、それをどのようにGATOR2を介してmTORC1の制御につなげているのかは、これまで明らかになっていなかった。
そこで本研究では、Sestrin2がロイシンを直接感知する分子であるかどうかを検証した。中心となる問いは、Sestrin2がmTORC1経路におけるロイシンセンサーなのか、という点である。
2. ロイシンはSestrin2–GATOR2相互作用を特異的に制御する
はじめに、ロイシンとアルギニンがSestrin2–GATOR2相互作用にどのような影響を与えるかを比較した。HEK-293T細胞からロイシンまたはアルギニンを欠乏させ、S6K1のThr389リン酸化を指標にmTORC1活性を評価したところ、いずれの欠乏条件でもmTORC1シグナルは低下した。しかし、Sestrin2とGATOR2の結合を免疫沈降で調べると、両者の反応は明確に異なっていた(Fig. 1A)。
ロイシンが欠乏すると、Sestrin2はGATOR2の構成因子であるWDR24と強く共沈降した。さらにロイシンを再添加すると、この結合は速やかに解除された。一方、アルギニンを欠乏させた場合もmTORC1活性は低下したものの、Sestrin2–GATOR2相互作用は増加しなかった。この結果は、Sestrin2–GATOR2相互作用がアミノ酸不足全般に応答するのではなく、ロイシンの状態に特異的に応答することを示唆した(Fig. 1A)。
次に、この変化が細胞内の複雑なシグナル伝達を介して生じるものか、それともロイシンがSestrin2–GATOR2複合体に直接作用しているのかを検討した。アミノ酸欠乏状態の細胞から得た低温細胞抽出液にロイシンを直接加えたところ、Sestrin2–GATOR2の結合は解除された(Fig. 1B)。さらに、免疫沈降によって取り出したSestrin2–GATOR2複合体そのものにロイシンを加えた場合も、同様に結合は解除された(Fig. 1C)。
この解離反応はロイシンで最も強く見られ、メチオニン、イソロイシン、バリンにも弱い効果が認められた。一方、アルギニンにはこうした作用は見られなかった(Fig. 1C〜E)。以上の結果から、ロイシンはSestrin2–GATOR2相互作用を特異的に解除するアミノ酸であり、Sestrin2がロイシン感知に関与している可能性が強く示された。

Fig. 1 ロイシンはSestrin2–GATOR2相互作用を特異的に解除する
HEK-293T細胞を用いて、ロイシンまたはアルギニンの欠乏・再添加がSestrin2–GATOR2相互作用とmTORC1活性に与える影響を調べた。 A ロイシン欠乏によりSestrin2がGATOR2構成因子WDR24と結合し、ロイシンを再添加するとこの結合が解除されることを示している。一方、アルギニン欠乏ではS6K1のThr389リン酸化は低下するものの、Sestrin2–GATOR2の結合誘導は見られない。 B 細胞抽出液にロイシンを直接加えた場合にもSestrin2–GATOR2結合が解除されることを示す。 C~E 免疫沈降したSestrin2–GATOR2複合体に各種アミノ酸を加え、その中でもロイシンが最も強く複合体を解離させることを示している。
3.Sestrin2はロイシンに直接結合する
前章では、ロイシンがSestrin2–GATOR2相互作用を直接解除しうることが示された。そこで次に、ロイシンがSestrin2そのものに結合するのか、それともGATOR2側や別の共精製因子に作用しているのかを検討した。
この点を調べるため、精製タンパク質をアガロースビーズ上に固定し、放射標識した[³H]ロイシンとの結合を測定するアッセイを行った。その結果、[³H]ロイシンはSestrin2に結合した一方で、GATOR2構成因子WDR24、GATOR2複合体、対照タンパク質Rap2Aには結合しなかった。また、過剰量の非標識ロイシンを加えると、この結合は競合的に低下した。これらの結果から、Sestrin2がロイシン結合能をもつことが示された(Fig. 2A)。
Sestrinファミリー内で比較すると、Sestrin1もSestrin2と同様にロイシン結合能を示した。一方、Sestrin3のロイシン結合は弱かった。この違いは、Sestrin1、Sestrin2、Sestrin3におけるGATOR2相互作用のロイシン応答性の違いとも対応していた(Fig. 2B)。
さらに、Sestrin2に共精製される未知の哺乳類タンパク質が実際のロイシン結合因子である可能性を除外するため、大腸菌で発現・精製したSestrin2を用いた実験も行った。大腸菌はSestrinやTOR経路をもたないため、この系でロイシン結合が確認されれば、Sestrin2自身がロイシンに結合する直接的な根拠となる。実際、大腸菌由来のSestrin2はロイシンに結合し、対照として用いたRagA/RagCヘテロ二量体には結合しなかった(Fig. 2C)。
ロイシン結合は、熱安定性シフトアッセイでも確認された。精製Sestrin2にロイシンを加えると融解温度が上昇したが、アルギニンでは同様の変化は見られなかった。この結果は、ロイシンがSestrin2に直接結合し、タンパク質の安定性を変化させることを裏付ける(Fig. 2D)。
最後に、非標識ロイシンを用いた競合結合実験により、Sestrin2のロイシンに対する解離定数は20 ± 5 μMと求められた。この濃度域は、細胞内でmTORC1活性化が半最大となるロイシン濃度に近く、Sestrin2のロイシン結合が生理的に意味をもつことを示唆する。メチオニンとイソロイシンもロイシン結合を競合的に妨げたが、その親和性はロイシンよりかなり低かった(Fig. 2E〜G)。
以上の結果から、Sestrin2はロイシンに直接結合するタンパク質であり、その結合親和性と特異性は、mTORC1経路におけるロイシンセンサーとして働く条件を備えていることが示された。

Fig. 2 Sestrin2はロイシンに直接結合し、その親和性は約20 μMである
精製タンパク質を用いた[³H]ロイシン結合アッセイにより、Sestrin2のロイシン結合能を解析した。 A ロイシンはSestrin2に結合する一方、WDR24、GATOR2複合体、対照タンパク質Rap2Aには結合しないことを示している。過剰量の非標識ロイシンにより結合が競合されることから、この結合は特異的である。 B Sestrin1もSestrin2と同様にロイシン結合能を示すが、Sestrin3の結合は弱いことを示す。 C 大腸菌で発現・精製したSestrin2にもロイシンが結合し、対照として用いたRagA/RagCヘテロ二量体には結合しないことを示している。 D 熱安定性シフトアッセイにより、ロイシンがSestrin2の融解温度を上昇させることを示す。一方、アルギニンでは同様の変化は見られない。 E 競合結合実験により、Sestrin2のロイシンに対する解離定数が20 ± 5 μMであることを示す。 F,G メチオニンおよびイソロイシンもロイシン結合を競合的に妨げるが、その効果はロイシンより弱いことを示している。
4. Sestrin2はGATOR2を介してmTORC1のロイシン応答を制御する
Sestrin2がロイシンに直接結合することが示されたことを受け、次に、この結合がmTORC1活性の制御とどのように対応するのかを検討した。HEK-293T細胞をロイシン欠乏状態にした後、さまざまな濃度のロイシンを再添加し、S6K1のThr389リン酸化を指標としてmTORC1活性を評価した。その結果、ロイシン濃度の上昇に伴ってmTORC1活性は回復し、20〜40 μM付近で半最大の活性化が見られた(Fig. 3A)。
同じ濃度域では、Sestrin2–GATOR2相互作用もロイシン濃度依存的に低下した。すなわち、ロイシンが増えるほどSestrin2はGATOR2から解離し、その濃度依存性はmTORC1活性化の濃度依存性とよく対応していた。この結果は、Sestrin2へのロイシン結合、GATOR2からの解離、mTORC1の活性化が、同一の濃度域で連動して起きていることを示している(Fig. 3B)。
次に、Sestrin2とGATOR2の結合そのものがmTORC1のロイシン応答に必要かどうかを調べるため、Sestrin2のS190W変異体を用いた。この変異体はロイシン結合能を保つ一方で、GATOR2との結合能が大きく低下している。実際、S190W変異体は[³H]ロイシン結合アッセイにおいて野生型Sestrin2と同様にロイシンへ結合したが、GATOR2との相互作用は弱かった(Fig. 3C, D)。
さらに、Sestrin1、Sestrin2、Sestrin3をすべて欠損させたHEK-293T細胞を用いて、Sestrin2の機能を再構成した。この三重欠損細胞では、ロイシン欠乏によるmTORC1の抑制効果が弱まっていた。ここに野生型Sestrin2を戻すと、ロイシン欠乏に応答したmTORC1抑制が回復した。一方、GATOR2と結合しにくいS190W変異体を戻した場合には、この応答は十分に回復しなかった(Fig. 3E)。
以上の結果から、Sestrin2は単にロイシンに結合するだけでなく、GATOR2との相互作用を介してmTORC1のロイシン応答を制御していることが示された。Sestrin2–GATOR2相互作用は、ロイシンの状態をmTORC1経路へ伝えるために必要な過程であると考えられる。

Fig. 3 Sestrin2–GATOR2相互作用はmTORC1のロイシン応答に必要である
ロイシン濃度を段階的に変化させ、Sestrin2–GATOR2相互作用とmTORC1活性の関係を解析した。 A ロイシン欠乏後にロイシンを再添加すると、S6K1のThr389リン酸化が濃度依存的に回復し、mTORC1活性が上昇することを示している。 B 同じロイシン濃度域で、Sestrin2–GATOR2相互作用が濃度依存的に低下することを示す。 C S190W変異体は、野生型Sestrin2と同様にロイシン結合能を保持していることを示す。 D S190W変異体ではGATOR2との結合能が大きく低下していることを示している。 E Sestrin1/2/3三重欠損細胞ではロイシン欠乏へのmTORC1応答が弱くなるが、野生型Sestrin2を再導入すると応答が回復する。一方、GATOR2結合能の低いS190W変異体では、ロイシン応答を十分に回復できないことを示している。
5. Sestrin2のロイシン結合能はmTORC1制御に必要である
前章では、Sestrin2–GATOR2相互作用がmTORC1のロイシン応答に必要であることが示された。そこで次に、Sestrin2がロイシンに結合すること自体が、この経路の制御に必要かどうかを検討した。この検証のため、Sestrin2のロイシン結合に関わると考えられるアミノ酸残基を置換したL261A変異体とE451A変異体を用いた。
まず、これらの変異体のロイシン結合能を[³H]ロイシン結合アッセイで調べた。その結果、L261A変異体およびE451A変異体では、野生型Sestrin2に比べてロイシン結合が大きく低下していた。この結果から、L261およびE451はSestrin2のロイシン結合に重要な残基であることが示された(Fig. 4A)。
次に、これらの変異体がGATOR2との相互作用をロイシン依存的に変化させられるかどうかを検討した。野生型Sestrin2では、ロイシンを加えるとGATOR2との結合が解除された。一方、L261A変異体やE451A変異体では、ロイシンを加えてもGATOR2との結合は十分に解除されなかった。この結果は、Sestrin2がロイシンに結合できない場合、ロイシンが存在してもGATOR2から解離できないことを示している(Fig. 4B)。
さらに、Sestrin1、Sestrin2、Sestrin3をすべて欠損させたHEK-293T細胞に、野生型Sestrin2またはロイシン結合欠損変異体を再導入し、mTORC1のロイシン応答を調べた。野生型Sestrin2を戻すと、ロイシン欠乏時にmTORC1が抑制され、ロイシン再添加によって活性化するという、ロイシンへの応答性が回復した。一方、L261A変異体またはE451A変異体を戻した細胞では、mTORC1はロイシンに十分応答しなかった(Fig. 4C)。
この結果は、Sestrin2がロイシンを結合できることが、mTORC1のロイシン応答に必要であることを示している。すなわち、Sestrin2は単にGATOR2と結合するだけの抑制因子ではなく、ロイシンとの結合状態に応じてGATOR2との相互作用を変化させることにより、mTORC1活性を制御していると考えられる。
以上の結果から、Sestrin2は細胞質内でロイシンを直接感知し、その情報をGATOR2およびRag GTPase経路へ伝えるロイシンセンサーとして機能することが示された。ロイシンが十分に存在する場合、Sestrin2はロイシンに結合してGATOR2から解離し、mTORC1の活性化を可能にする。一方、ロイシンが不足すると、Sestrin2はGATOR2に結合し、mTORC1活性を抑制する方向に働く(Fig. 4D)。

Fig. 4 Sestrin2のロイシン結合能はmTORC1のロイシン応答に必要である
Sestrin2のロイシン結合欠損変異体を用いて、ロイシン結合そのものがmTORC1制御に必要かを解析した。 A L261A変異体およびE451A変異体では、野生型Sestrin2に比べて[³H]ロイシン結合が大きく低下することを示している。 B 野生型Sestrin2ではロイシン添加によりGATOR2との結合が解除されるが、L261A変異体およびE451A変異体ではこの解離が十分に起こらないことを示す。 C Sestrin1/2/3三重欠損細胞に野生型Sestrin2を再導入するとmTORC1のロイシン応答が回復するが、L261A変異体またはE451A変異体では十分に回復しないことを示している。 D Sestrin2が細胞質側のロイシンセンサーとして働き、GATOR2およびRag GTPase経路を介してmTORC1活性を制御するモデルを示す。
6. 結論:Sestrin2はロイシン感知をmTORC1制御へつなぐ
本研究により、Sestrin2はmTORC1経路におけるロイシンセンサーとして機能することが示された。Sestrin2はロイシンに直接結合し、その結合状態に応じてGATOR2との相互作用を変化させる。ロイシンが不足した状態では、Sestrin2はGATOR2と結合し、mTORC1の活性を抑制する方向に働く。一方、ロイシンが十分に存在すると、Sestrin2はロイシンに結合してGATOR2から解離し、Rag GTPaseを介したmTORC1の活性化が可能になる。
この仕組みは、ロイシンという単一のアミノ酸に関する情報が、Sestrin2–GATOR2–Rag GTPase経路を通じて、mTORC1制御へと変換されることを意味している。とくに、Sestrin2のロイシン結合親和性がmTORC1活性化の濃度域と近いことは、Sestrin2が細胞内ロイシン濃度の変化を直接読み取るセンサーとして機能していることを裏づけている。
一方、mTORC1はロイシンだけでなく、アルギニンをはじめとする複数のアミノ酸からの入力を受け取っている。アルギニン欠乏によってmTORC1活性は低下するものの、Sestrin2–GATOR2相互作用に変化は見られない。この結果は、Sestrin2がアミノ酸不足全般を感知する因子ではなく、ロイシン入力に特化した制御因子であることを示唆している。アルギニンなど他のアミノ酸に関する情報は、SLC38A9を含む別の経路を介してRag GTPaseの制御へ合流している可能性がある。
本研究は、Sestrin2を細胞質側のロイシンセンサーとして位置づけ、ロイシンがmTORC1の活性化へとつながる分子機構を明らかにした。Sestrin2を介したロイシン感知機構の同定により、mTORC1上流のアミノ酸センサー研究は、具体的な分子実体に基づいて理解される段階へ進んだ。
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