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Taigen City(第二章)

「Taigen Cityは、体言を、体現する Cityデす。」

そう言われても、何が何だかさっぱりわからなかった。しかし、そのニセジョブズは話を続ける。

「みなサン、体言とは、ご存ジデスか?知っている人は手を挙げてください。」

そこはなんだか古臭いスタイルだなと思いながらも、テキトーに手を挙げてみる。まあほとんどの入居者はわが出版社の人間だから、こういうのには明るいのだろう。少し周りを見渡せば、全員の手が挙がっていた。

「アリガトウございます、シュクラン」

「体言とハ、名詞で終わるヨウな、、言葉のことデス。たとエバ、りんごがアルとシマショウ。(リンゴが、ここにある。)という文、コレは体言ではありまセン。(ここにあるの、リンゴ。)というノガ体言です。        

サテ、皆さんハ、このTaigen Cityに入居シタので、常に体言で生活シテもらいマス。文字にシテ10文字以内ノ。守らなカッタラ、オシオキ、アリマス。」

またもどよめきが起きたが、もうこれまでもカオスすぎたのでみんな疲れていて、そのどよめきは小さかった。でも俺は騙されないぞ、、、と、

(これはヤバすぎる!!!!!絶対抜け出してやる!!!!!)

と覚悟を決めたものの、瞬間では騙されなかったが、これ以降昼寝の事しか頭に浮かばなくなってしまい、長期的には騙されたようになって話を聞き逃しそうになっていた。そんなときに隣の木野さんが起こしてくれた。

「今プロジェクター前にいる人、見たことありません??あれ絶対、ラッパーのオトナ・ライムですよ!!!!」

「えええ、あの人が、、良く気づきましたね。昔と雰囲気めっちゃ違うのに」

大学生の時、非常に気の合わなかった先輩がこいつの熱狂的なファンだったのを思い出す。

オトナ・ライムが話を始めた。結構な早口だ。

「Taigen Cityオフィシャルリリカルアドバイザーの、オトナ・ライムです。あの、僕本名、村井直人(ムライ ナオト)っていうんですけど、こんな変哲もない名前でも順番変えるだけで全然違うでしょ???、まあ、そういうことです。そんなことをTaigen Cityではやっていきたいっていう感じっすね。」

こうしてプロジェクターの前から一歩引いたところに戻った。そして派手な髪色のやつから順に拍手を始めたのが分かった。

「オトナ・ライムさン、ありがトウございまシタ。他にも、3人、一流のオフィシャルリリカルアドバイザーをお招きしてオリマス。皆さン、一年間、どウぞ、ヨロシクお願いいたしマス。Taigenしなかっタラ、お仕置きアリマス。あ、あト、コの後コンサートがありマス。任意で参加ハご自由ニ」

リトルスティーブジョブズもプロジェクター前からいなくなってしまった。すると途端にプロジェクター前にマイクを持って出てきたのが、あのオトナ・ライムだった。

「バイブス上昇中の会場ーーー」

そしてブブゼラなりなんなり車のクラクションなりわかんない爆音が鳴り響き、会場の照明は消え、どこに隠してあったのかレーザーまで出現した。いやいや参加した飲み会のせいで、さらにいやいやな場所へ参加させられるのはもうこりごりだ。帰るとしよう。木野さんはまんざらでもない様子だったのが気がかりだが、もうこんな目には会いたくない。木野さんにも何も告げず、真っ先に俺は少数の同志と一緒に「任意」参加の会場を振り切ってカフェの出口、そしてエレベーターに向かう。帰るとき、激しいぶちまけるようなビート音と共にこんなリリックが聞こえてしまった。

「激しくとぶ鴨! 高く噴き上げる水! 雲の上からのキス!!」

もう、嫌だ。実家に帰りたい。(続く)

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