新書:あの症例どうなった?
新書:
あの症例どうなった? 専門医に紹介した不思議な発作と神経症状たち
本書は『脳』の問診力を高めることを目的地としています
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構成:
・23症例のケースシリーズをベースに
・Clinical Note:てんかん診療に強くなるためのNoteが29個
・Lecture:神経診察のミニレクチャーが18個
・コラム:てんかん関連のコラム18個
・全344ページとまあまあのボリューム
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たとえば、こんな主訴って困りませんか?
「よくわからない意識障害」
「変な動きや震え」
「なんかぼーっとしてた」
「夜中の行動異常」
「心因性との鑑別に苦慮するイベント」
「何度も繰り返す発作」
これらの重量級の主訴に対して、どうやって問診や診察を進めると効率が良いでしょうか? それを学ぶテキストを目指してみました。また本書の後半では、てんかん患者のマネジメントについても収載されています。少し目次を紹介します。
目次紹介:症例22から学ぶ「問診力」と「鑑別力」
本書は22の症例提示があり、その主訴からどのように鑑別をあげていくかを紹介しています。
Chapter 1 てんかん or Not ―Neurologyの選球眼―
Case 1 てんかんの誤診はこうして生まれる
Case 2 「過呼吸」に30年苦しんだ中年女性
ショートCaseレポート 重積は止めたけど徐脈が続いています
Case 3 「静かに繰り返す意識消失」の大学生
Case 4 「動きが止まる発作」の青年
Case 5 「深夜にリビングで徘徊」の中年女性
Case 6 「物忘れと意識減損」を何とかしたい青年
Chapter 2 てんかんだと思うけど,対応合ってる?
Case 7 治療をやめたいと訴える全般てんかんの高校生
Case 8 若年ミオクロニーてんかん:こんなに再発する?
Case 9 診断後に発作が増えた若年女性
Case 10 てんかん重積状態で頻回にICU管理した難治てんかん
Case 11 電話対応ができなくなった焦点てんかんの女性
Chapter 3 ちょっと対応急ぎます
Case 12 毎晩,深夜に奇声をあげる発作
Case 13 発作が止まらない!駆け込み受診した蘇生後脳症
Case 14 安定していた後頭葉てんかん:幻覚で緊急入院
Case 15 発作の報告は誰を信じる? 難治てんかんの中年男性
Case 16 発作は止まるも静かに再上昇するCK値
最終章はてんかん診療のマネジメント強化
Chapter 4 外来相談は人生の『好転化』のチャンス
Case 17 『減薬』を試みた長期で多剤併用中の青年
Case 18 『妊娠希望』の多剤併用中の症例で減量してみた
Case 19 『学校』でしか発作が起きない教諭
Case 20 『車』で当て逃げした中年女性
Case 21 『バス』に怖くて乗れない女性
Case 22 『薬』は効いていたはずなのにますます悪化
Clinical Note.
各症例の後に解説としてのNoteがトータルで29個あります。
▶初回発作後の生活上のアドバイス
▶てんかん発作の多彩性
▶発作の急性期対応
▶てんかんの危険因子
▶自信を持っててんかんを除外するために
▶夜間のイベントを起こす鑑別疾患の問診ポイント
▶レム睡眠行動障害(RBD)があればパーキンソン病をチェックする
▶特発性全般てんかん(IGE)の「らしさ」を押さえる
▶ミオクロニーとミオクローヌス
▶見せかけの薬剤抵抗性てんかんとは
▶心因性非てんかん発作(PNES)とは
▶PNESに特徴的な発作症状
▶PNESの病態別の介入
▶「言葉が出ない」は,てんかん発作でも起こりえる
▶てんかん患者の不安障害
▶派手な病歴のてんかんは自己免疫性も考える
▶不随意運動とてんかん発作
▶ミオクローヌスはコモン
▶ミオクロニー発作で避けるべき抗発作薬
▶てんかんと精神症状
▶抗発作薬でPNESが悪化するパターン
▶脳卒中とてんかん発作
▶抗発作薬の減量や中止
▶妊娠に向けた計画的な薬剤調整
▶てんかんの画像診断
▶側頭葉てんかんでの扁桃体腫大
▶長期的な服用による代謝への影響
▶てんかん患者のQOL
▶抗発作薬のparadoxical effect



Lecture:ミニレクチャーは18個
❖診断エラーの回避のために
❖てんかん患者の予期せぬ死(SUDEP)
❖てんかん外来の問診リスト
❖自然に終息するてんかん
❖前頭葉てんかんの発作の細分化
❖VEEGで徐波も認めない側頭葉てんかんがあるのか?
❖なぜVPAの治療がうまくいかなかったのか?
❖特発性全般てんかんでも難治のパターンがある?
❖ペランパネル(PER)の使いどころ
❖紛らわしい「ミオクローヌス」と「ミオクロニー発作」
❖てんかん患者での精神症状のポイント
❖レベチラセタム(LEV)と精神症状
❖発作の報告はファクトチェックから
❖脳卒中後てんかんの予後
❖てんかんは治るのか?
❖葉酸の投与量はよくわからない
❖前兆という言葉の語弊
❖てんかんと自動車運転

Columnは18個
・発作のエマージェンシー
・睡眠関連摂食障害(SRED)
・ビデオ脳波モニタリングの敷居は下げていい
・てんかんと診断しがちな病歴
・LEVという使いやすさ,VPAという武器
・薬剤抵抗性てんかん(drug resistant epilepsy:DRE)
・てんかんは,何を治療するのか
・ベンゾジアゼピン系の使い分け
・PNESは精神科医がみるべきなのか?
・「震え」と「振るえ」
・arm drop試験とPNES
・産褥期の対策も忘れない
・てんかん合併妊娠と児の知能
・新しい脳地図
・musicogenic epilepsy(音楽誘発性てんかん)
・側頭葉てんかん患者に「物忘れ」を相談されたら
・道路交通法について正しく伝える
・てんかん重積や脳炎後の長期予後

執筆背景:なぜてんかんなのか?
皆さんの周りには「臨床がデキる」頼もしい先生がいますよね。
例えば、自分でなんでもできてしまう守備範囲の広いジェネラリストの先生たちです。頭痛の診療が得意だったり、パーキンソン病の診察も一通りこなしたり、脳梗塞やてんかん発作の急性期対応までカバーされてしまうと専門医としては立場がありません。ですが、実はそういったジェネラリストの先生たちにも一つだけ未踏の領域があります。
それは『てんかんに強いジェネラリストいない説』です。
もちろん「てんかん専門医こそ最強!」と主張するつもりはありません。むしろ真逆で、ジェネラリストの先生たちがもし「てんかん」を機能拡張したら、その希少性が爆上がりするのではないかと考えています。
なぜなら、てんかんの鑑別では「妙な意識障害や転倒イベント」、「震えや不思議な動き」、「心因のようにも思えるエピソード」など、コモンでありつつもヘビー級の症候たちが常に隣に居合わせだから。これらの病歴について、スムーズに問診が取れたり、鑑別リストをあげられるようになったらすごいですよね。てんかんは100人に一人もいるコモンな全世代の疾患ですから、その需要は確実です。
なぜ「てんかん」を知る必要があるのか
本書の背景にある「てんかんの誤診」について説明します。
医療では「かもしれない」に基づくオーバートリアージが必要な状況はありますが、てんかんのような人生に関わる慢性疾患の診断では時にとんでもないことになります。
けいれんした=てんかん
何度も意識を失った=てんかん
など。いやそんなことないでしょ?って思うかもしれませんが、状況証拠だけでのオーバートリアージが、実際の臨床でも存在します。そして困ったことに、てんかんについては、一度誰かが診断してしまうとその診断がその後に見直されることや覆されることはほとんどないんですね。「てんかんという診断」だけが一人歩きしたまま生涯を終える可能性だってあります。
解像度の低い問診や情報に基づいて「てんかんかもしれない」と疑うことは誰にでもでます。ですが、私たち臨床医はそれがきっかけで重大な「冤罪」に繋がりうることを知っておかねばなりません。
これを防ぐために何ができるか。それは解像度の高い情報であり病歴です。まずは「てんかんらしさ」と「てんかんらしくなさ」の基本と根拠を押さえていくことです。

あの症例どうなった?
一方で、大学病院とかの専門外来に紹介するのってハードルが高くないですか? 私も若いころ、専門の先生に紹介するのを躊躇した経験があります。「この紹介状で大丈夫なんか?」みたいに
しかも勇気を出して紹介したにもかかわらず戻ってきた返書には「ご紹介ありがとうございました、精査したいと思います」だけ。あの症例のあの症候はなんだったのか、果たして紹介は正しかったのかとモヤモヤしますよね。そうなんです、私たち臨床医は紹介した先、つまり臨床の結果を知らずして成長することはできませんし、その答えに至るまでの文脈にこそ真の価値があるんです。
そこで本書は「あの症例、どうなった?」の視点で、非専門医の先生が専門外来に紹介した症例をベースに、受診したその先での問診から始まる鑑別プロセスや思考過程を学べるように仕上げました。皆さんの神経診察の機能拡張に役立てば幸いです。
Amazonの口コミもたくさんいただき、ありがとうございました



医學事始の杉田先生に本書を献本させていただいたのですが
過分な書評をいただきました。ありがとうございます🙇
あの『医學事始』さんで、拙著「あの症例どうなった?」を紹介いただきました⭐️
— 音成秀一郎 | 脳の内科医 (@neshige_s) January 14, 2025
管理人の杉田先生とは面識があるので、あくまでもお友達評価として下駄を履かせてもらっていますが、今や臨床医のペディアとなった『医學事始』で紹介いただいて、とても嬉しいです↓↓https://t.co/kOhkVCzNNB pic.twitter.com/ZIoQDrzCdD
