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第5章:首を冷やすと肩こりが起きる医学―頚椎のクリック音(ポキポキ音)との関係―



肩こりを感じるとき、無意識に首を回して「ポキッ」と鳴らしてしまう人は多いのではないでしょうか。

この音は一般的に首のクリック音、頚椎のポキポキ音などと呼ばれます。

実はこの現象には首の温度・筋肉の緊張・関節の動きが深く関係しています。

特に冬場や冷房環境では、首を冷やすことが肩こりの原因になることが医学的にも説明できます。

ここでは首と肩こりの関係、クリック音の正体、首の保温の重要性を解剖学と生理学から解説します。


1. 首が冷えると筋肉はどうなるのか

首の後ろには、肩こりの原因となる筋肉が集中しています。

主な筋肉として、僧帽筋、肩甲挙筋、板状筋、胸鎖乳突筋があり、これらの筋肉は頭の重さを支えています。

首が冷えると
寒冷刺激↓
交感神経活性↓
血管収縮↓
筋血流低下↓
筋緊張

という反応が起こります。

遠回りに見えますが、首を冷やすと筋肉が固くなるのです。

2. 筋肉が硬くなると関節が動きにくくなる

頚椎は7つの椎骨で構成されています。

関節構造に椎間関節とその間の椎間板、それを支える靭帯、これらは筋肉の柔軟性によってスムーズに連動し、動きます。

しかし筋肉が緊張すると、関節可動域低下が始まり、関節の滑走低下が起こります。

その結果関節内圧が変化します。


3. 首のクリック音の正体

首を回したときのポキッという音。

これは骨がぶつかる音ではありません。

医学的にはキャビテーションと呼ばれる現象です。

関節の中には滑液(かつえき)という液体があります。

関節が急に動くと
関節内圧低下↓
気泡発生↓
気泡破裂

が起こると言われており、この時にクリック音が発生すると言われています。

研究
Kawchuk et al.
Joint cracking and cavitation.
PLoS ONE.

MRIで確認された結果クリック音は関節内気泡形成であることが証明されています。


4. 首が冷えるとクリック音が増える理由

寒い環境では

筋肉が硬くなる↓
関節可動域低下↓
関節内圧変化↓
キャビテーション

が起こりやすくなります。

そのため冬や冷房、風などで首が冷えるとクリック音が増えることがあります。

5. 首の保温が肩こりを防ぐ理由

首を温めると血流が増加し、筋緊張低下、関節滑走の改善が見込めます。

つまり首を温めることは肩こり予防として合理的なのです。

具体的にタートルネックなどは医学的にも理にかなった衣類と言えます。

6. クリック音は危険なのか

通常のクリック音はほとんど問題ありません。

ただし次の症状がある場合は注意が必要です。

痛みが発生する
しびれて指先などに違和感が起こる
可動域制限し、屈伸、回旋ができなくなった
頭痛

これらがある場合は頚椎症や椎間板障害などの可能性もあるため、専門医の診察が必要になります。


まとめ

首を守ることが肩こり予防になる

首は脳への血管に神経が通り、体温調節などを担う重要な部位です。

首が冷えると筋肉が硬くなり、関節が動きにくくなり、クリック音や肩こりが起きやすくなります。

そのため首元の衣類はファッションであると同時に身体を守る役割を持っています。

タートルネックやネックウォーマーは首を締める衣類ではなく首を守る衣類です。

参考文献
Kawchuk GN et al.
Real-time visualization of joint cavitation.
PLoS ONE.
Guyton & Hall
Textbook of Medical Physiology
Bogduk N.
Clinical Anatomy of the Cervical Spine
Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy


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