「ただいま」
「ただいまー!おそとさむいー!」
あれ?へんじがきこえない
こたつのへやでおばあちゃんがテレビをつけながらねていた
ぼくは「またか」とおもいながら テレビのおおきなわらいごえをけした
そっと こたつにはいった
こたつのなかはあつくて ぼくはあしをうごかした
まるたみたいにかたく うごかないあしとぶつかった
「あっ ごめん」
おばあちゃんはおきなかった
ゲームをしながらママがかえってくるのをまっていた
おばあちゃんはずっとねてる
からだがあったかくなったころ
ママがかえってきた
「たかし おかえり」 っていった
ぼくも 「ただいま」 っていった
「ゲームするならあかるくしなさい」
おへやのでんきをつけてくれた
ママはおばあちゃんのかおをのぞきこんでからぼくをみた
ぼくはくびでちいさく ううん っていった
「おかあさん おきてください」
すこしおおきなこえでママがいった
「おかあさん? ねえ!おかあさん!!」
ママのこえがおおきくなる
おばあちゃんのかおをみた
いつもとちがう
いつもとちがうっておもった
「おばあちゃん」
なんにもこわくないことばなのに こわくてこわくてことばがでてこなかった
「いってきます」 「いってらっしゃい」 「ただいま」 「おかえり」
いつものあいさつ いつものへんじ
だけど おばあちゃんからの「おかえり」はどこにもいなくなった
