「オリオン、雪嶺へ降り立つ」——星空フォトコンテスト優秀賞受賞
このたび、ビクセン主催
第6回 星空フォトコンテスト2025 ~それぞれの宙を見上げて~ にて、
拙作「オリオン、雪嶺へ降り立つ」が優秀賞に選ばれました。

441点の応募作品の中から評価いただけたことを、とても光栄に思います。
オリオン、雪嶺へ降り立つ
冬の夜、凍てつく空気の中で見上げたオリオン座。
その姿は、白く連なる雪嶺へ静かに降り立ったかのようでした。
星を撮るというより、あの瞬間の空気を写したかった。
息を吐くたびに白く濁る視界。
澄んだ空気の中で近くの沢から水の音が響く。
手袋を外すとすぐに指先が痺れるほどの寒さでした。
オリオンは、ただそこにある星座ではなく、
その場の空気と結びついていました。
今回の作品は、星の配置の美しさと言うよりも、
「星と地上が交わる瞬間」をどう表現できるかを意識した一枚です。
ビクセン星空フォトコンテストの傾向
今回改めて感じたのは、
このコンテストは単なる技術競争ではない、ということです。
審査総評から読み取れる傾向は、大きく分けて三つあります。
1. 「想い」が重視される
写真の完成度だけでなく、
その一枚にどんな気持ちが込められているか。
コメントや作品タイトルも含めて、
“物語”として評価されている印象があります。
2. 前景と星の関係性
星だけでなく、
地上の風景との関係が丁寧に構成されている作品が多い。
星景写真においては単に「星を撮る」よりも
「星や大気現象と、何を組み合わせるか」が問われます。
3. テーマの解釈の自由さ
このコンテストのテーマは「それぞれの宙を見上げて」。
抽象度が高いからこそ、
撮り手の視点の個性が重要視されます。
逆に言えば、
“誰でも撮れる構図”は埋もれやすいと考えます。
傾向から考える対策
来年以降応募する方に向けて、
自分なりの整理を書いておきます。
構図以前に「なぜこの星や大気現象を撮ったのか」を明確にする
タイトルと写真を一体で設計する
前景との関係性に物語を持たせる
技術はあくまで「伝えるための手段」と考える
星空フォトコンテストは、
“完璧な写真”を競う場ではなく、
星を見上げた人の視点を共有する場なのだと思います。
展示のお知らせ
今回の入賞作品は、2月26日(木)〜3月1日(日) に開催される
「カメラと写真映像のワールドプレミアムショー『CP+2026』
(会場:パシフィコ横浜)内のビクセンブースにて展示予定です。
もし会場に足を運ばれる方がいらっしゃいましたら、
ぜひ実際のプリントをご覧いただけると嬉しいです。
おわりに
星を撮り始めて数年。
何度も凍え、空振りし、「もういいか」と思いながらも
また夜に出ていきました。
今回の受賞は、結果そのものよりも、
“見上げ続けてきた時間”が肯定されたような感覚があります。
これからも、単に星を撮るのではなく、
星を見上げたときの自分の心や、その土地への想いを撮っていきたい。
そう思えた出来事でした。
