【映画レビュー】子ども向けだけど“子ども騙し”じゃない『パフィンの小さな島』の感想
大阪は東京よりも1ヶ月遅れでの公開だったんですよ!
私はオンライン試写で見せてもらったのですが…..(レビュー記事が遅くなりすみません)
『パフィンの小さな島』のざっくりとした感想
『パフィンの小さな島』を観ました。

パフィンの小さな島
(原題:Puffin Rock and the New Friends)
制作年:2023年 / 制作国:アイルランド・イギリス合作
80分
監督:ジェレミー・パーセル
『ウルフウォーカー』などで知られるカートゥーン・サルーンが制作に名を連ねるTVシリーズ『パッフィン・ロック』の初の劇場版。TVシリーズは実はNetflixでしれっと『ウーナとババの島』のタイトルで配信されているので日本でも見られます。日本語吹き替え版も製作されまして、ウーナたちの冒険を見守るお母さんパフィン役で上野樹里さんが声の出演をしています。
本作を観た感想をざっくり一言で言うと……
ド級の可愛さと誠実さで優しい秀作。
といった感じでした。
元がキッズ向けシリーズと聞いてたので楽しめるか心配してましたが、さすがカートゥーンサルーン。美術が逐一恍惚とする美しさなら、ストーリーも“そういうメタファーか”と思わせる、丁寧な映画でしたよ。
もう少し詳しい感想を書いていきます。
『パフィンの小さな島』のもっと踏み込んだ感想
■ちゃんと過酷!子ども向けだけど“子ども騙し”じゃない
テイストとしては間違いなく子ども向けの映画。
……ではあるんですが、この映画はどこか“子ども向け”で片付けられない作品であるのも確かなのが不思議。
そこが『ブレッドウィナー』や『ウルフウォーカー』のカートゥーンサルーンらしさなのかもしれないです。可愛いのだけどどこか気品があるし、優しいのだけど物語は過酷であると言う点では、すっごくカートゥーンサルーン作品っぽいです。

この映画では、小さな島で暮らすパフィンという種類の鳥たちや動物が、天敵となる動物や過酷な自然と対峙しながら暮らしているという内容。そこに自然災害によって故郷を追われた別の鳥がやってくるという内容で……
大人は否が応でもめちゃめちゃ移民問題とか連想させられる。
それだけでなく島を追われたパフィンたちは、海面上昇などの環境問題にも置き換えられたりするし、一方で動物ごとに特性も性格も異なることでトラブルが起きたり、一方では協力することもできたりと、80分という尺の中で、器用にいろんなことやってるのですよ、この映画。
あまりの器用さと、それと見せないスマートさがやっぱ凄まじいです。
子ども向け作品とは言いつつ“子ども騙し”になってないところが見事。
すごいわ、カートゥーンサルーン。
これ、大人が見てもちゃんと喰らいますよ。
一見子ども向けながら、大人も唸らせるいろんなテーマが盛り込まれてる。
■さすがのデザインと美術!そこもカートゥーンサルーン印
ストーリーだけでなくやっぱり恍惚としてしまうのが美術やキャラクターデザインなど絵の部分。
これまでのカートゥーンサルーン作品に違わず、シルエットだったり、色合いだったり、大画面映えのさせ方だったり──逐一、流石だと思わせる絵を見せてくれます。
美術面でもそんなんもあるんですか、ってシーンもあり。簡素そうな画なので予告ではスクリーンの大きさに耐えうる?なんて思ってたけど、オンライン試写での鑑賞を経た今となっては“これは大画面で観たい”系映画でした。

■キャスト陣の入れ替えはコアなファンほど残念?
気になる部分はキャストでしょうか。
実はNetflixシリーズから声優が変わっているので、シリーズに既に親しんでた人には寂しさはあるかもしれない!
ただ、私はこの劇場版の新キャスト陣での初体験だったので、違和感なく楽しめたし、新キャストの演技も悪くないので、その点は心配なし。
中でも高野麻里佳さんによる、弟のババが異常な可愛さに仕上がってました。めちゃ可愛いです。

そしてNetflixシリーズから続投(!)のナレーターのチョーさんが良い仕事してんだコレ。優しい保護者でもあり、過ちを諭す役目も持っていたり、チョーさんのナレーションがあるだけでストレスを感じるような登場人物の稚拙な行動の負荷がかなり軽減されました。
吹替版を作ってくれたのはほんと、グッジョブです。
これまでのシリーズに親しんだ人以外には吹替キャストの活躍もおすすめ
まとめ
●子ども向け作品では確かにあるものの大人の見ごたえあり。
●すごく洗練された絵の力も凄まじい。
●吹替キャストの活躍も見事。
という感じで、前提が子ども向け作品だったり、すでにシリーズのファンだった人にはやや違和感があるかもしれないけれども、完成度は間違いない映画でした。
未就学児向け映画がすでに充実してしまっている日本では、不利かもしれないですが、こういった作品を日本に持ってきてくれたチャイルド・フィルムさんには感謝です。
おまけ
公式サイト
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