Photo by
tr413
【ショートショート】平凡な日常
物語ならたいてい序盤に消えるキャラ、それが私。主人公になるのは、スキルの高いカッコいい姉や、天使のように可愛い妹、片想い中の生徒会長の彼、誰もが思わず振りかえる美人の友人。平凡な私は、彼らの陰のようなものだ。
「ね、割の良いアルバイトしない?」
学校帰り、また胡散臭い男に声をかけられた。「姉の弱みを探れ」「妹の部屋に盗聴器を置け」「生徒会長の彼女に嫌がらせしろ」「美人の友だちの盗撮写真をくれ」など、これまでに何度も変な依頼を持ちかけられた。
その度に、そんなことを頼むヤツの目的を探り、そいつの正体を掴み、時には警察の力も借りて退治する。大抵は変態とかライバルとか、分かり易い奴らだ。だがまれに、真の目的が隠れている場合や、そいつ自身も誰かに操られている場合もあり、手は抜けない。
今日の依頼は妹の下着泥棒だった。分かり易い変態なら、私ひとりで充分だろう。私は無言で相手の顔面中央に拳を叩き込む。
平凡でいるのも、楽じゃない。
(完・410字)
こんばんは。こちらに参加させていただきます。
たらはさん、お手数かけますが、よろしくお願いいたします。
読んでくださった方、ありがとうございました。
