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〔ショートショート〕昏い夕暮れ

私の夕暮れの絵が好きだと、彼は言った。だから、あれから私は夕暮れの絵しか描いていない。
分かってる。彼はただ売れる絵が欲しいことも、あちこちの女に手を出していることも。分かっていたのに耐えられなくなって、自傷行為を繰り返すうち、流れる血を見てふと気が付いた。ああ、これは彼と見た夕暮れの色だって。この血を絵の具に混ぜたら、私だけの夕暮れが描けるはず。そう思ったら死ぬことなんて後回しになった。やっぱり私、絵が描きたかったのね。
私の描いた昏い夕暮れは好評で、彼もとても喜んでくれた。それが嬉しくてたくさん描いてきたけど、私の体はそろそろ限界。だから、この世の終わりのような一面の夕暮れを描いて、全部おしまいにしよう。
今、玄関のドアが開く音がした。彼、今日は時間通りに来たのね。私の最後の絵は、彼との合作にすると決めている。フフ、想像するだけでワクワクするわ!
私は用意した鉈を手に取ると、笑みを浮かべて玄関に向かった。
(完・406字)


こんばんは。こちらに参加させていただきます。

ちょっと遅刻ですね。済みません💦
たらはさん、お手数かけますがよろしくお願いいたします。
読んでくださった方、ありがとうございました。

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