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〔ショートショート〕蘇生試験

ダメだ。また生き返らなかった。私は大きな魔法陣の中心に置いた、切り刻んだ鼠の死骸を棒で突く。呪文の途中で一瞬は体がつながって動いたものの、すぐにバラバラに戻ってしまった。道具も魔法陣も呪文もこれで良いはずなのに、なぜ上手く行かない?
偶然立ち寄った古本屋でこの禁書を見付けた時は胸が躍った。一度殺して蘇生させたものは、決して私を裏切らないと書いてあったから。趣味で古代文字を勉強しておいて良かったと、心から思ったのに。
こういう本には偽情報を紛れさせているという。誰でも真似できると大変なことになるから。だから私も他の文献を参考に工夫してみたが、なかなか思い通りの結果にはならない。
ふと部屋の奥の冷凍庫を見る。あの中には、私が本当に甦らせたいモノが入っている。浮気癖の直らなかった、嘘つきで愛しいモノ。だからこの試験は絶対に成功させなければ。
私は気を取り直して、魔法陣の文字を一部書き換えた。今度こそきっと、上手く行く。
(完・409字)


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