白鳥ねここの人生劇場4話~仏壇の前に突然正座させられた話【前編】~
さてさて。
前回、白鳥ねここの
”感情を伴った”最も古い記憶は、
3歳頃のイベント
であったことが判明いたしました。
要約すると、こうであります。
(♪あんたがたどこさ♪
を替え歌にしてね)
♪
お父さんどこさ 奥さ
奥どこさ お二階さ
お二階どこさ 閉鎖さ
閉鎖病棟にゃドア2つあってさ
それをナースが鍵使って開けてさ
呼んでさ 父がさ 来たさ
それをnoteにちょいと記す
♪
詳しくはこちら↓
マチガエテニゲチャワナイヨウニ
と、鍵のかかった
2つのドアの奥から
登場した父であるが、
白鳥の次の記憶では
いつの間にか、
「いってらっしゃい」
と母に抱かれながら
バイバーイと手を振り
仕事に向かう父を見送っていた
情景が途絶え、
ずっと家に父がいる
という状況になっています。
(ニゲテキチャッタノ?)
いや
普通に退院したんでしょうよ。
のちに父はこの頃のことを、
『俺はよぅ、あの会社
(トヨ〇系上場一部企業)に
骨埋める気でやってきたんだ。
会社も俺の病気
(当時:精神分裂病+躁うつ病1型
現在:統合失調感情障害)
を承知のうえで、
自慢じゃねぇけどよ
エリートコースの部署に
置いてくれとったしなぁ
あぁ、俺と同じ病気のヤツが
もう1人だけおったんだけど
そいつもちょくちょく
入院しとったなぁ
俺もよぉ、
入退院繰り返すスパンが
どんどん短くなってまってなぁ
断腸の思いで泣く泣く
17年勤めた会社を辞めたんだわ
お前が3歳の時だなぁ。
会社側は
辞めんでいい、少し休んだら
ラクな部署に移動するか?
安定して来たらまた戻ればいい
って提案してくれたんだけどなぁ
迷惑もかけるし、もう…
俺も限界だったんだわなぁ。』
と涙を滲ませ話してくれましたが
当時の幼女白鳥は
(おとうさん
ずっとうちにおるなぁ
どうしたのかな
ニゲテキチャッタのかなぁ?)
などと時折気になりつつも、
4歳まで未就園児であったため
大好きなおばあと散歩して
畑にある肥溜めに興味を示したり
近所のお姉さんたちに
かまってもらったり
家の目の前にある砂利の駐車場で
お友達と遊んだり
父に駅前のパチンコ屋に連れていかれ
床に落ちてる玉を拾ったり
優しく摘んだり
手のひらで転がしてみたり
鷲掴みにしてみたり
そっと口に含んで
ゆっくりと舌で転がしてみたり…
#なんのはなしですか
(◯ンタマ… 銀玉よ
パ チンコ玉の話以外に
何かございますの?)
しばらくまた白く煌々と輝く
スポットライトを浴び
それなりに子どもらしく
人生劇場を愉しんでおりました。

あまり変わっておりませんね

↑から先はまだ未舗装ですね
(のちに舗装され通学路となります)

ご立派なお宅が建っております
お車が昭和レトロで素敵ですわね
そんな日々を過ごしていた
幼女白鳥だが、
とある日
タイトルにもあるように
仏壇の前に突然正座させられる
というイベントが発生したのである。
白鳥の実家は
こちらに軽く紹介したような
長屋の借家であったのだが、
1階には4畳半の和室と
キッチン、風呂、トイレがあり
和室には
若草色の絨毯が敷き詰められ
昼間はリビング
夜間はおばあの寝室
という使われ方でありました。
昼間の4畳半空間には
おばあのタンス、仏壇、テレビ
長方形の座卓
それを囲うように座布団が4枚

というように配置されており
夜は座卓を縦にして
庭側に寄せられ
座布団は座卓の下に収納し
空いた空間に布団を敷き
庭側を頭にしておばあが就寝する
というスタイルでありますね。
とある日、幼女白鳥は
お昼レイアウトの1階和室で
3時のおやつを食べたのち
おばあとお手玉や
おはじきをして遊んでおりました。
すると2階から父が降りて来て、
部屋に入るなり
『おいコラァ!ねここぉぉ!!
俺のことバカにしやがって
バカヤロウはおめぇだ!!
このた〜けぇぇ!!!
ちょっとそこ座っとれぃ!!!!』
※た〜け=たわけ=戯け
『ふざけた奴』とか『バカ』
より罵倒の度合いが強い
東海地方の方言
と、チンピラもしくは
TOKONA-X(名古屋のMC)の
"知らざぁ言って聞かせやSHOW"
かの如く啖呵を切りながら
ヒョイと幼女白鳥を持ち上げ、
普段は父の定位置である
仏壇前の座布団に
仏壇を拝む方向で座らせたのだ。
…
……
キョトン
その時の白鳥は、
正しくキョトン面であったと思う。
間髪入れず父は
『バカヤロウ!
正座だ!正座あぁぁ!!!』
と、今まで見たことのない
鬼の形相で白鳥を睨みつけ
捲し立ててきたのである。
幼女白鳥は
全身に
ぎゅっっと力が入った
白く煌々と輝いていた
スポットライトは
黒と紫が混ざった色に変色し
突然仏壇前に正座させられた
幼女白鳥の輪郭を
ぼんやりと映し出す
幼女白鳥の額には
縦線が数本入っていたであろう
…などという
"はじめて"の時のような
生ぬるいモノではない
黒紫のスポットライトを浴びる
幼女白鳥には
強風が吹き荒れ
雷鳴が轟き
土砂降りの雨が打ちつけ
全身が小刻みに震えるほどの
"恐怖"
に慄き、
父から目を背け俯き
ポロポロと涙が溢れていた。
"声を出したら
もっと恐ろしいことになる"
と、本能で感じたのだろうか
幼女白鳥は、
仏壇の前で全身に力を入れたまま
しばらく声を押し殺し
さめざめと泣いていた。
すると、
2階から降りてきた母が
興奮気味な父にかけ寄り
『あなた!落ちついて!
ねここは何も言ってない!!
お父さんのこと
バカになんかしてないから!!』
と、父の腕を掴み
その場に座らせた。
左隣で胡座をかいた父は
ぶつぶつと何やら言っているが、
幼女白鳥には
父の顔を見る余裕などない。
右側にいたおばあも突然のことで
しばらく固まっていたようだが、
母が登場したあたりから
『大丈夫、大丈夫
お父さん怖かったなぁ〜』
と、正座のまま泣く白鳥の背中を
優しくさすってくれていた。
しばらくすると母が
小さな袋から小さな粒を取り出し
父に『あなた、ほら飲んで』
と、水の入ったコップと共に
差し出しているのが横目で見えた。
父は素直にその粒をゴクリと飲み
まだ何やらぶつぶつ言いながら
母に連れられ2階へ上がっていく…
………
ヘナヘナと全身の力が抜け、
背中をさすってくれていた
おばあにしがみ付き
幼女の白鳥は慟哭の声をあげた。
泣き疲れて
そのまま眠ってしまったのだろう。
目が覚めたら
テーブルに料理が並んでいた。
そしてその前には、
陽気でおしゃべりな
いつもの父の姿があったのだ。
『ねここ、悪かったなぁ
俺怖かったかぁ?』
「うん、こわかった
おにみたいにこわかった。」
『そおかぁ 俺はなぁ、
ココの病気なんだわな。』
そう言いながら父は、
右手の人差し指で
自分の頭を指した。
『ここにおらん人の声が
聞こえたりな、
頭の中がぐちゃぐちゃに
なったりな、難しいけど
そういう病気なんだわ。』
白鳥は返事に困った。
なんかわかるようで、
なんもわからんからだ。
おとうさんはあたまのビョーキ
であることは理解した。
でも、
ここにいないひとの
こえがきこえる
とか、
あたまのなかがぐちゃぐちゃ
というのが、
どういう状態かわからないのだ。
「そっかぁ
あたまのビョーキなんだね。」
理解出来たことだけ伝えると、
父はこう続けた。
『そうだな、頭の病気だな。
ほんでな、
『母さんもな、俺と一緒のな
頭の病気なんだわ。』
…
……
お手玉をしていたら
突然鬼と遭遇し
仏壇前に正座させられ
強風が吹き荒れ雷鳴轟くなか
土砂降りの雨にもさらされ
石のように固まり
ずぶ濡れのまま気絶し
満身創痍の状態から
少し回復し目が覚め
立ち上がろうとした瞬間
立て看板が吹っ飛んできて
幼女白鳥に直撃し
立て看板もろとも
斜め上に吹っ飛んでいった
人生劇場開幕から約4年
舞台上は大荒れとなり
舞台袖へと
飛んでいってしまった幼女白鳥
このあと一体
どうなってしまうのか!?
(ガチンコファイトクラブ?)
つづく
