#20 壊れない秩序の作り方:「散らかり」を許容する真のレジリエンス
対象: 完璧を目指して疲れた人
概要: 散らかりを許容することが
しなやかなレジリエンスを築く話
1. 拭えない徒労感
掃除が好きだ。掃除だけでなく、整理・整頓・清潔・清掃、いわゆる4Sというやつが好きだ。
休日にタスクではなく、概ねホビーとして家の4Sをしていて、ふと悶々とすることがある。一度完璧にきれいにすると、その状態がやたらと簡単に崩れてしまうのだ。
雑誌のように整えた部屋は、たった一冊の本を机に置いただけで「散らかった」ことになる。「せっかく片付けたのに」という徒労感が、ボディブローのように効いてくる。むしろ、多少散らかっている状態のほうが、正直気分はずっと安定している。
2.「完璧な秩序」の脆さ
これを物理の言葉で言うなら、「エントロピー(無秩序)を無理に下げすぎた状態は、エネルギー的に不安定になる」のだと思う。
この感覚は、掃除だけの話じゃない。仕事の進め方や、思考の整理でも同じようなことが起きている。
たとえば、ミスをなくそうと完璧なルールや手順を作るとする。すると次に現れるのは、必ず「例外」だ。想定外が起きるたびにルールは継ぎはぎになり、現場は窒息しそうになる。
思考のノートもそうだ。最初からきれいに体系化しようとすると、書く前に身構えてしまう。完成度の高い構造は、新しい思考が入り込む「余白(ノイズ)」を許さないからだ。
3. 「自責のループ」からの脱却
ここで、真面目な人ほど陥る「困りごと」がある。
最初に一気に整える。→ 数日で崩れる。
その崩れた状態を見て、「自分は意志が弱い」「管理能力がない」と自分を責めてしまうことだ。
でも、あえて言いたい。それはあなたの能力不足ではない。ただ少し調子に乗って「壊れやすい秩序」を設計してしまったことによる、必然的な結果だ。
4. 破壊されない設計
秩序が過剰になると、レジリエンス(復元力)が損なわれる。ガチガチに固めた構造は、一つ崩れただけで全体が機能しなくなる。
一方で、最初から少し緩みのある構造は、衝撃を吸収し、しなやかに形を変えて生き残る。「多少散らかっている状態」というのは、だらしなさではない。
エントロピーが自然に増大する力と、それを維持するコストとの間で、「自然回帰と折り合いをつけた、もっとも破壊されない設計」なのかもしれない。
5. 長く立ち続けるための基準
大事なのは、どれだけ秩序立っているか、どれだけ美しいかではない。何かが起きて崩れたときに、自分を責めずに立て直せるかだ。
エントロピーは下げられる。でも、下げすぎると人は疲れるし、システムは脆くなる。
どこまで下げるかの基準は、過剰な美意識ではなく、「自分がラクに長く立っていられるか?」で決めていいんじゃないか。
、、、まあ結局、実践としてはモノをどれだけ潔く捨てられるかにかかってるんだけどねw
