見えている世界が、すべてではない
赤ちゃんは、
生まれたばかりの頃は視力がまだ十分に発達しておらず、
目の前のものもぼんやりとしか見えないと言われています。
一方で、生まれつき視力が弱い人もいれば、
とても遠くまで鮮明に見える人もいます。
世の中には、人には見えないものが見えると話す人もいます。
それが本当かどうかは、ぼくにはわかりません。
でも、ひとつだけ確かなことがあります。
ぼくたちは、それぞれ違う世界を見て生きているということです。
人間だけを見てもそうなのですから、動物ならなおさらです。
イルカは音で周囲を感じ取り、
コウモリは超音波で暗闇を飛び回ります。
トンボは、人間では捉えきれないほど
素早く動くものを見分けることができます。
犬はぼくたちよりもはるかに豊かな匂いの世界を生きています。
同じ場所に立っていても、
見えている景色はきっと違うのでしょう。
そう考えると、自分が見ているものこそが世界の真理だ
と思い込むのは、とても危ういことなのかもしれません。
自分には当たり前に見えているものが、誰かには見えていない。
逆に、自分には見えないものを、誰かは確かに感じ取っている。
人それぞれ考え方や価値観が違うのも、ごく自然なことなのでしょう。
ぼくたちは世界そのものを見ているのではなく、
自分というフィルターを通した世界を見ています。
だからぼくは、自分と違う景色を見ている人がいることを忘れずにいたいと思います。
そして同時に、周りに合わせるだけではなく、
自分自身が見て、感じて、これは大切だ、と思えた感覚も大事にしたい。
世界には、たった一つの正しい見え方はありません。
自分だけの景色を大切にしながら、
誰かの見ている景色にも少しだけ想像力を向けて生きていけたら。
