今更ながらVOICEVOXで音声コンテンツを作りたい
更新頻度高くない予定で始めたnoteなのに、3日連続で記事を書いています。
とはいえ、ボイボ屋を自称するならこれだけは書いておこうと思ったやつです。
無料で使える音声合成ソフトVOICEVOXを使った創作についてです。
VOICEVOXとは
VOICEVOXはヒホ(ヒロシバ)さんによって開発された音声合成ソフトウェアで、初版リリースは2021年の8月。
記事執筆時点で既に4年近く経過しており、使用実績もかなり多い音声合成ソフトとなっています。
VOICEVOXで作成された音声はYouTubeのCM動画とかの中でもよく使われているので、知らず知らずのうちに耳にしていることも結構多いのではないでしょうか。
今や音声合成ソフトはウェブサービス等も含めると色々選択肢があるのですが、その中で敢えてVOICEVOXを選ぶメリットと言いますか、強みについてまずは書いていきたいと思います。
VOICEVOXの利点
原則無償で使える
VOICEVOXはフリーソフトです。
なので、ダウンロードやPCへのインストールに際してライセンス料を支払うことなく使うことができます。
また、OSもWindows、macOS、Linuxに対応しており、普段お使いのPCにインストールしてすぐ使うことができます。
さらに、各音声ライブラリーについても原則無償で利用できます。
一般的に有償の音声合成ソフトの場合、ソフトウェア本体とは別に、音声ライブラリーごとにライセンスを購入する必要があったりしますが、VOICEVOXはその必要がありません。
ただし、VOICEVOXおよびその音声ライブラリーを使ったことが分かるよう創作物にクレジット表記をしておくことが求められます。(クレジット表記なしで使用したい場合は、使っているライブラリーごとに別途ライセンス料を権利者に支払う必要があるようです)
また、音声ライブラリーごとにクレジット表記の要件だったり、使用許諾の範囲・要件が異なることもあるので、使用予定の各音声ライブラリーについては事前に利用規約を確認しておきましょう。
商用利用できる
VOICEVOXで作成した音声は原則として商用利用できます。
なので、YouTube等の投稿動画サイトで収益化もできますし、事業の宣伝等に使うこともOK。
法人の場合でも基本的に同様ですが、音声ライブラリーによっては許諾要件が法人(法人と委託契約を結んだ個人も含む)と個人では異なる場合があるので、そこは事前の確認が必要です。
使用回数制限がない
無償で使える音声合成のウェブサービスもありますが、発声させられる文字数などに制限があったりします。(課金すれば増やせますが)
VOICEVOXにはそうした制限がないため、字数制限などを気にせず長いテキストを読み上げさせたり、ラジオドラマのようなものを作ることも(かなり大変ではありますが)可能です。
調整できる
最近の音声合成ソフトは優秀なので、アクセントやイントネーションも概ね正しく発声でき、ユーザーが手動で修正する必要は少なくなっているかもしれません。
しかし、時には微妙におかしい発声になってしまう場合もあります。
そのような場合でもVOICEVOXなら手動で調整が可能です。
調整作業はそれなりに手間ですが、生成される音声の質がグッと高まるのでVOICEVOXを使っていて一番面白いところでもあります。
歌わせられる
当初、VOICEVOXはテキストリーダー機能だけの音声合成ソフトだったのですが、その後のアップデートによってボカロのような歌唱ソフトとしての機能も追加されました。
これによりDTMにも利用できるようになりました。
歌唱機能においても30人近い音声ライブラリーを無償で利用できるのはもちろんのこと、テキスト読み上げ時と同じ声質で歌わせることができるため、例えば創作物中で同じキャラクターにセリフを読ませ、かつ歌わせるというような表現方法も可能となりました。
音声合成ソフトで同様のことができるものは他にはあまりないと思います。
また、最新の有償の歌唱ソフトに比べれば劣るものの、従来のボカロ等と比べても発声に機械っぽさがなく、生身の人間に近い歌唱を披露できるようになりました。
一方で、実際に歌わせてみるとわかりますが、音程が微妙にズレることもしばしばあります。
その場合には手動でピッチを修正したり、音域の数字を変えることで音程が合ってくる場合があります。
あるいは、少しマニアックな楽しみ方かもしれませんが、敢えてその微妙な音程のズレ(音痴)をリアルな「味」として表現に使ってしまうのもアリです。
これまでに制作したもの
YouTubeチャンネルを作成してから記事執筆時点で2ヶ月近く経つのですが、これまでに制作して公開してきたものを軽く紹介します。
JASRAC等が権利を持つ既存楽曲のカバー
最初に作り始めたのが、既存のアニソンやポップスをVOICEVOXに歌わせたカバーです。
既存の楽曲のカバーをYouTubeに公開するのは著作権的に大丈夫なの?と思う方もいるかもしれませんが、実はYouTubeはJASRACと包括契約を結んでいるため、JASRACに登録されている楽曲であれば基本的にはYouTubeで公開することができます。(公開にあたって投稿者が使用料を支払う必要はありません)
ただし、オリジナルの音源を使うことは著作権とは別の権利に抵触するため、権利者からの許諾がない限り、自身で演奏したり歌った音源でなくてはなりません。(CDに収録されているカラオケ音源を使うのもNG)
なので、VOICEVOXでカバーを作る時の最大の難点は、カラオケ音源をどうやって用意するかというところになります。
私の場合、それなりにピアノを習っていた経験があるので、ボーカルの耳コピくらいならなんとかできるのですが、インストゥルメンタル部分を全部耳コピするのはちょっと無理です。
そのため、第三者が耳コピして作成したカラオケ音源で、かつ「歌ってみた」等での二次利用が許可されているもの探してきて、使わせていただくことになります。(使った場合は作成者のクレジットを表記するとともに、その旨連絡しておくのが良いでしょう)
残念ながら、そういう音源が見つからない場合は頑張って打ち込みで自作する(または演奏する)か諦めるしかありません。
そういう難しさがある中、私が着目したのは合唱曲です。
特に、中学校の合唱コンクールなんかでよく歌われ、多くの人が一度は聞いたことがある or 実際に歌ったことがある合唱曲をVOICEVOXに合唱させてみたカバーが現在のメインコンテンツになっています。
合唱曲を使う利点は三つあります。
一つめは今書いた通り、多くの人が聞いたことがあるであろうことから懐メロ的に聞いてもらえる効果が期待できそうということです。
あるいは、これから歌う予定の生徒さんが曲の雰囲気を掴むために聞くということも期待できるかもしれません。
二つめはカラオケ音源が基本的にピアノ伴奏のみで楽譜も入手しやすいため、私の音楽スキルでも伴奏音源を打ち込みで十分自作できるということ。
そして三つめは無料で多数キャラクターの音声ライブラリーを使えるVOICEVOXの利点が活かせるということです。
有償の歌唱ソフトで同じことをしようとすると、ライブラリーごとにライセンス料が必要になってかなりのお金がかかってしまうことが想定されますが、VOICEVOXならば無料にも関わらず10人合唱とかが余裕でできてしまいます。
ちなみに、VOICEVOXによる合唱はそこまで機械的には聞こえないけど、あんまり上手くはないです。
人間の合唱のようにはあまり聞こえてきません。(使っているキャラクターの数が少ないからというだけでもなさそうです)
ただ、前述した通りそれが「味」だと私は思っていて、実際の中学生が学校の合唱コンクールとかで歌うのに一番近いクオリティになっているのではないか?と密かに思っています。
つまりは、聴く人のノスタルジーに訴えかける一つの手段にならないかな、と。
で、本当はここに私が制作してYouTubeに公開しているVOICEVOXのカバー曲の動画を埋め込もうと思ったのですが、埋め込むとJASRACに使用料を支払わされるリスクがありそうだったので急遽とりやめました。
ボカロ曲・同人音楽のカバー
こちらもカバー曲ですが、前項とは違って一般にJASRAC等が管理していない楽曲になります。
この場合は原則として著作権者から直接許諾を得てから公開する必要がありますが、このジャンルの楽曲は最初から二次利用を許可していることも多く、実際には許諾の手続きを踏むことなく利用できるケースもあります。(もちろん、利用に際して利用規約や利用条件などはよく確認しましょう)
また、「歌ってみた」等の二次利用を想定してカラオケ音源が提供されていることもあり、前項と比べて音源の準備で悩まなくても済むことが多いのも利点です。
ただ、中には二次利用を禁止している制作者もいらっしゃるので、その場合は素直に諦めましょう。
私も昔人気だったボカロ曲で1曲だけVOICEVOXのカバーを作ったのですが、音源の二次利用に関しての許諾がよくわからなかったので、とりあえず公開は差し控えることにしました。
生成AI楽曲のカバー
これは最近流行っているSuno AIなどの楽曲生成AIによって作られた曲のカバーになります。
生成AIのアウトプットに対する著作権はまだ不透明なところがありますが、前項の楽曲に準じた扱いで現状は良いと思います。(制作者に許諾を得るのが無難)
なお、Suno AIなどは歌詞を入力するわけですが、その歌詞を制作者の方が書いている場合は当然に著作権が発生しています。
ちなみに、私がnoteを始める一つのきっかけとなったのがYouTubeのタイムラインに流れてきた生成AI楽曲をたまたま聞いたことでした。
こんな曲をAIが作るのかという驚きもさることながら、ボーカルの音声のリアルさに圧倒されたのです。
今更ながらVOICEVOXで遊び始めたばかりの私にはかなりのショックでした。
そこから生成AIに対する世間の反応を調べていく過程でnoteに書かれた多くの記事に辿り着いたことでnoteを始めることにつながっていった…という感じです。
閑話休題。
Suno AIのボーカルは確かにかなり上手いのですが、発音が曖昧になったり歌詞と違っていたりするような箇所もちらほらあって気になります。
制作者は何で直さないんだろう?とずっと疑問だったのですが、どうやらメロディを変えずに発音だけピンポイントに修正するということができないらしいです。
であるならば、出来上がった音源からボーカルだけをどうにか除去してしまって、VOICEVOXに歌わせたものとリミックスすれば良いのでは?と思いつきました。
生成AIによる楽曲は今後も量産されていくはずなので、その中で気に入ったものやVOICEVOXに歌わせるのに向いていそうな曲なんかはカバーしていきたいですね。
どんな楽曲が向いているかというと、普通のポップスというよりかはアニメのキャラクターソングのような類だと思っています。
つまり、音声ライブラリーにあるキャラクターの声そのものとVOICEVOXの絶妙な「下手さ」が逆に「味」になって活かしやすい楽曲ってことです。
というわけで、ようやく1曲だけご紹介できるYouTubeの動画があるので埋め込みをしておきます。
こちらは私もフォローさせて頂いているYunomixさんがご自身で描かれたラフ絵を元に、Suno AIやChatGPTをはじめとするいくつかのAI技術を駆使して制作された「電波ソング」を、私が耳コピしてVOICEVOX:春日部つむぎに歌わせてみたカバー曲になります。
この曲に限らず、生成AIの作るメロディーは少なくとも私の中にある音楽的な文脈からはちょっと遠いので、耳コピにも若干苦労しました。
(ちなみに、Yunomixさんはガチですごい人だと個人的には思っていて、葛藤しながらも生成AI技術を模索してご自身のクリエイティブな活動に積極的に取り入れていく姿勢は本当に参考になります)
これから制作していきたいもの
上述したコンテンツたちは今後も定期的に作っていきたいとは思うのですが、歌に偏りすぎかなと。
本来、VOICEVOXは読み上げソフトなので、歌以外の音声コンテンツももっと制作したいと思っていて、下記のようなものを考えています。
読み聞かせ(絵本など)
例によって著作権に引っかかるので、既存の出版物の絵本とかでは難しいですが、同人系のものならワンチャンあるかもと思っています。
というのも、私の影響でうちの子たちの間で「ずんだもん」がちょっとしたブームになっていて、ものは試しにとばかり本棚にあった「11ぴきのねこ ふくろのなか」をVOICEVOX:ずんだもんに読み上げさせたところ、そこそこ良い感じに仕上がったためです。(手動での調整も結構入れました)

VOICEVOXのずんだもんは音声ライブラリーの種類がかなり豊富で「あまあま」「ツンツン」「なみだめ」など、雰囲気の違う音声ライブラリーを複数利用できるため、それなりに表情をつけた読み聞かせが可能です。
公開とかはしていませんが、一度作ってしまえばそれ以降読み聞かせはずんだもんに委託できるのでうちでは重宝しそうです。
ゲーム実況
主にレトロゲームなどの実況プレイ動画ですね。
これは王道コンテンツすぎて今更感がすごいですが、昔のRPGとかをVOICEVOXを使ってフルボイスにした上で、ダイアログにないセリフまで作り込んで実況動画を制作してみるのはどうだろうかと考えています。
というか、当初はこれをやりたくてYouTubeチャンネルを開設したんですけどね。
とにかく、発声の調整作業が膨大にありそうで明らかに大変そうではありますが、多数のキャラクターを抱えていて回数制限もないVOICEVOXの利点はかなり活かせそうな気がしています。
ラジオ番組
私は大学生の頃、声優志望のメル友と短いネットラジオっぽいものを共同制作していたことがちょっとだけあったんですが、それと似ていますね。
要はVOICEVOXにラジオパーソナリティをやってもらおうということです。
台本を全部テキストで用意してやらなくてはいけない上に、またしても調整作業が多発しそうなので、現実的なのかはよくわからないですが。
多分、テイスト的には深夜のアニラジっぽいものになるんでしょう。
余談ですが、90年代に実際に放送されていたとあるアニラジではパーソナリティの若手声優さんのフリートークに至るまで、ラジオ作家の方が全て台本を作っていて一字一句その通りに読ませていたとか。(かなり病的だと思うけど、それ今ならVOICEVOXでできます!)
また、上述した生成AI楽曲から気に入ったものを紹介できたりしたら良いかも!?とかちょっと考えています。
さらに、ラジオドラマとかまでやり出すと、前々項の読み聞かせとも抱き合わせになりそうです。
まとめ
今回はVOICEVOXを使って私が制作しているコンテンツと、これから制作していきたいと思っているコンテンツについて手前味噌ながらご紹介しました。
正直言ってこれから制作していきたいものについてはVOICEVOXでどこまでできるのかかなり不安ではあるのですが、まずは短いものから作ってみたいなと思っています。
というわけで、今回はこの辺で。
では、また。
(2025.04.09 一部文面を加筆修正)
