スロット・リバプールを見てみよう!!
You'll Never Walk Alone
ある意味でサプライズかもしれません。
現在のプレミアリーグでダントツで首位を快走しているのがリバプール。
首位にいること自体にサプライズはありませんが、昨シーズンいっぱいでリバポの一時代を築いたユルゲン・クロップがクラブを去りました。
後任にフェイエノールトで監督をやっていたアルネ・スロットが就任。

スロットが優秀な監督なのはフェイエノールトでCL戦ってた姿見れば分かります。ただ、クロップの後任は誰がやったとしても難しいです。そして、スロットの方向性とクロップとでは違いは存在します。
それが、シティの大不振もありますが、ここまでリードを広げて首位を維持するとは誰も思わなかったのではないでしょうか!そんなスロットのリバプールを見ていこうと思います!!
似て非なるもの
■いかにボールを運ぶか
中盤のプレッシング強度を重視したクロップと、人選から見ても変わってきたスロット。その象徴なのが遠藤→フラーフェンベルフ。プレッシングで強みをみせるタイプから運ぶことに強みをみせるタイプへ。

中盤も正三角形に変わり、マクアリスターがボランチへ。ソボスライはトップ下配置ですが、役割としてはbox to boxなので典型的なトップ下というわけではなさそう。
フラーフェンベルフを使っている意味を考えたら、クロップではカオスで生じたわずかな時間で速攻を繰り返すハーフコートゲームというより、後方からボールポゼッションして崩していくというスタイル。
その特徴なんですが、最近の流行りなんですかね。後ろにバックスは3枚残して後は前線に上がる。

ほとんどロバートソンが上がってますけど、後ろは3枚。サリーはしないでその相手プレスの背後でマクアリスターとフラーフェンベルフが受ける。やっぱサリーをやるチームは少なくなってますね。

ハイプレスの背後で受けることでプレスの無効化。前を向いたところで

今度はセカンドプレスを向かい打つ。その背後にソボスライとかガクポとかが受けてさらにプレスを無効化。
遠藤よりフラーフェンベルフなのは、前を向いてボールを受ける技術が後者の方が高いからでしょう。ただ遠藤も繋げなくはないので序列は下でもスロットの構想外というわけではない。遠藤の能力はCB起用では結構効いていたりするので。
■実際のボール運び
まだ開幕前のゲームからなんですが、

結構深い位置でボールを保持してます。GKアリソンへ相手がプレス。

来たから前へ蹴っ飛ばす。

この赤丸はフラーフェンベルフですかね。ポストしてディオゴ・ジョッタへ。その背後から追い越すようにオーバーラップ

ジョッタからスルーパス

これだけ見ると単なる疑似カウンターなんですが、例えばデ・ゼルビみたいな極端に低い位置から配列整えて縦へ速くですけど、まぁこのシーンに限って言えば速いんですが、相手が前進してプレスにきた背後をしっかり突いてるんですよね。
疑似カウンターというより、相手の前進してくるプレスの背後を獲れっていうスタンス。だから引いた相手だろうと、

前線はレーンごとに配置して対面構築してるので、前線へのパスコース数は足りているんですよね。だから相手が前から来るようなら前線にスペースが空き、引いてきたならば後方の3人はそれぞれ持ち運べる化物なので、自らがレーン破壊できる。
クロップも最終的にはポジショナルプレーっぽくなってましたが、スロットの場合は相手のブロックをいかに破壊するかというより、相手のプレッシングをどういなしていくかを優先的に考えてそう。だからビルドアップ時の決まった配置とかそんななくて(シティみたいなポジショナルプレー的可変)、ロバートソンかTAAのどちらが上がるかというのも相手次第。もっと言えば、これは前からやってますけどTAAの偽SBも相手のプレッシングによってやるやらないを決めてる。シティはパターン化してどんな相手でも崩せるビルドアップしてるとはまた別のアプローチですね。
■極端なサラー大外配置
ただ1つだけ、この選手は基本この位置固定だよなぁって選手がいます。
エースのモハメド・サラー。

今季からアフロヘアー辞めてボウズになりましたご存知エジプト一好感度高い男ですが、サラーの基本配置は常に右大外。
今季もいつも通りプレミアで得点を量産しているんですけど、今季はゴールから離れる大外に常に張っているんですね。

サラーをこの右大外固定している理由はいくつか考えられます。TAAを内側に絞らせるためとか、中だとマークが集中してしまってボールを受けにくくなってしまうのとゴール前に相手を密集させてしまうところとか。
クロップ時代は中に入ってフィニッシャーになる場面が多く、その大外はTAA、またはTAAが偽SB化したときはインサイドハーフにいたエリオットが代わりに出てくるとかありました。
サラーを大外に配置する大きなメリットなんですけど、

イプスウィッチ戦から。
マクアリスターがボール奪取してからなんですけど、左上にいるのがサラーですね。

右から駆け上がるはフラーフェンベルフ。たぶんクロップ体制の時はゴール前に駆け上がるはずなんですけどサイドに出ます。

この場面だけでもサラーはサイドに相手DF2枚を釣っているんですよね。こうなれば

釣った相手の背後にクロスを送れる。そこにソボスライが入ってくる仕組みはあるんで別の誰かが点獲れる。
デコイがデコイなのでここぞで効くんですよね。そのデコイ役も自分で点獲れる力あるし。
だから今のサラーは基本デコイなんです。正直サラーに得点をこだわらなくてもいいんですね。それが結果的にマークを分散できることに繋がってサラー自身も点獲れてるんですね。
■遠藤はスロット体制において需要があるのか
最後はちょっとこれでも。
プレッシングに関してはクロップのゲーゲンプレスを引き継いでいると思います。スロットもアヤックス出身ではないのでプレッシングスタイルを受け継ぐのに大きな障壁はないです。オランダでポジショナルプレーやっているのはアヤックスだけで、フェイエノールトはハッペル系統なのでむしろフィットする土壌はあったんですね。そういった意味でテンハグもユナイテッドではなくリバポだったらどうだったんだろうか。
そこで中盤のプレッシングです。
2ボランチに求められるは、前を向いてボールを運べるか。
自分で運べるかどうかなので、その点で遠藤はフラーフェンベルフよりかは劣ってはいるんですよね。
まぁそこはタイプの違いっていう単純な問題なんですけど、ただ遠藤を起用していたクロップとはそこの部分、いわゆるネガトラでは今のスロットは落ちる。
クロップが遠藤に求めていたのはネガトラにおけるスイッチャー。昔ジダンがレアルの監督でカゼミーロに求めていたことですね。ソボスライとマクアリスターが戻ってこれる時間を稼ぐのと、奪いきっちゃってセカンドカウンターに繋げられるか。

遠藤には潰せる力があったので、クロップのゲーゲンプレスには不可欠だった。
だけどコンセプトが異なるスロットにおいては優先順位が異なるので、フラーフェンベルフなんですけど、このネガトラのインテンシティはスロットも求めていると思います。プレッシングに関してはフラーフェンベルフよりも遠藤の方が上です。
その点、遠藤のいない中盤のプレッシング強度が落ちることは分かっているから、スロットはそもそもとしてプレッシングを変えてますよね。前でて潰しているのはCBで、コナテやファン・ダイクが潰しに行ってるんです。遠藤がCBで評価を上げているのも、前でて潰す役目を中盤からCBに変更したという意味でCBの方がむしろ遠藤の良さを活かせているんです。結論としては、遠藤の需要は機会が少ないだけで全然あるということで。
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