(67)イヌガヤ
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このシリーズは散歩中に見た300種くらいの植物を紹介していくシリーズです。
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イヌガヤ
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日本、朝鮮半島、中国大陸中北部に分布している。日本では、岩手県以南から鹿児島県屋久島まで分布する。ブナ帯などの多雪地帯には少なく、暖温帯上部の渓谷などに発達している夏緑広葉樹林などで生育する。耐陰性が強く、スギ林の林床でも育つ。
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材は緻密で硬く、粘りがあって耐久性にも優れる。古代には弓をこれで作った。
縄文時代の前期(6000-5000年前)頃の遺跡から矢じりや弓が多量に出土し、彼らがこれらを用いて狩猟をしていたとされる。その弓には南部ではイヌガヤが、北部ではハイイヌガヤが使われた。これは太さ3 - 6 cm、長さ50 - 120 cmの枝をそのままに削って作られた。これらの弓は特に飾りがないが、同時代から出るニシキギ科ニシキギ属の材を用いた弓は桜の樹皮を巻いた飾り弓で、実用には本種を、儀礼用にはそれらを用いたらしい。千葉県指定文化財になっている匝瑳市で出土した縄文時代後期の丸木舟の櫂にも利用されたことが分かっている。
これらは古墳時代頃まで使われたが、弥生時代頃より弓は狩猟用より戦闘用に用いられるようになり、より強くて太いものを求め、もっと太い材から削りだしたり、合わせ木で作られるようにと変化していった。
それ以外にも細工物に使われた。
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イヌガヤおよびハイイヌガヤの胚乳から取れる油はかつて灯火用に使われた。 縄文時代の遺跡からもイヌガヤの果実が発見されており、イヌガヤの油は有史以前から使用されていると考えられる。『延喜式』にも、「閉美油」の名でイヌガヤ(またはハイイヌガヤ)の油についての記述がある[17]。柳田國男の『火の昔』(1944)によれば、京都の古い神社ではいまだにイヌガヤ油を灯明に使用し、吉野の奥の村でも近頃まで燈火に使用していたという。
イヌガヤ油は凝固点が-5℃以下、沃素価が130.33で、寒中でも凍ることなく明るい光を放つため、冬の神事には欠かせない燈油であった。また1892年(明治25年)には、すでに石油系の良質な燈油が得られたにもかかわらず、灯台船用の油はイヌガヤ油に改められた事からも、イヌガヤ油は屋外で使用する燈油としてきわめて優れていたことがわかる。またこの油は理髪にも使われた。
イヌガヤの葉から発見されたホモハリングトニンは慢性骨髄性白血病に対する抗がん剤として使用されている。
引用文献
