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小説 ヌープ あとがき

 この話を書くきっかけになったのは、HEARシナリオ部というサークルに入ったことでした。
 私は病気で肺活量や滑舌が悪くなったので、リハビリを兼ねて朗読を始め、それで、 朗読や 声の演技を配信する人たちと交流するようになりました。
 そういう配信内容をメインにするHEARという配信サービスに登録して、  私も下手ながら朗読や雑談を配信するようになったのです。
 朗読や声の演技を配信するにあたって、問題になるのが、著作権です。
 著作権が切れている作品、つまり著者が亡くなって70年経過している相当古い作品しか基本的に朗読配信はできません。
(著作権を持っている方に許諾をもらえるような交渉力と財力があれば別ですが)
 それで、条件をつけつつ、朗読に使っていいという前提で、オリジナルの物語や台詞を書いている人たちがいる事を知りました。
 私は、そういう物語を書くシナリオサークルに入ったのです。
 学生時代以来、何十年ぶりに物語を書き始めました。
 HEARシナリオ部では、月に1つテーマを決めて、作品を書くことになっています。
 その中で「電子レンジ」という、なんとも難しいテーマが上がりました。
 何もアイデアを思いつかなくて本当に困りました。
 そんなとき、以前、Wi-Fiがどうしても繋がらない時に、サポートデスクに、相談したことを思い出しました。
 そこで言われたことの一つが「電子レンジのように強い電波を出すものが近くにないですか?」ということでした。
 ああ、これなら書けるかも、と思いました。近くに置いておくと、電源もないのに通信障害を起こす、不思議な骨董品。
 家電製品でもないのに、どうして、この骨董品からは、高周波が出ているんだろう。そういう謎があるSFの物語を書こうと思いました。

 いろいろ考えているうちに、思った以上に物語が長く大きくなっていきました。最終的には、2万7千字あまりになって、これは、本人も予想していませんでした。
 学生時代も含めてショートショートしか書けた事がなく、これだけの長い物語を最後まで書けたのは、初めての経験です。

 この作品は、HEARシナリオ部で「電子レンジ」という難しいテーマが無ければできませんでした。仲間がいて、一緒に書くということで、私は随分、いろんなことを学ばせていただきました。
 素人で粗雑な人間なのに、HEARシナリオ部の方たちは、私にとても親切にしてくださった。

 本来、私は、機械や電波の仕組みがまるでわかっていないので、電波の事を、友人のエンジニアの方に、教えていただいたりもしました。素人にもわかるように、お忙しい中、わかりやすい言葉で、いろんな事例を教えて頂きました。

 第2部の主人公がある決断をするのですが、それについて、粗筋をお伝えして「自分が同じ状況だったら、どういう決断をするか」何人かの友人に聞いてみました。友人たちは、それぞれ、詳しく意見を伝えてくれました。とても参考になったし、その言葉の一部が、物語の中に使われています。

 私は、物語は一人で書くものだと思い込んでいましたが、ああ、こういうふうに、いろんなきっかけがあり、いろんな人たちの協力で出来上がることもあるんだなあと、実感しています。

 HEARシナリオ部の皆さん。
 エンジニアのGさん。
 粗筋を伝えてあなたが主人公だったら、あの状況でどういう決断をするかについて尋ねた友人たち。
 皆さんがきっかけを作ってくれたり、協力してくれなかったら、こんなに長い話を書けなかった。
 感謝しています。

 ネットに長い文章を載せる難しさも、感じていました。
 これだけ、膨大な情報がある中で、長い文章はなかなか読んでいられません。
 このあとがきを読んでくださっている中で、貴重な時間を使って物語の方も読んでくださった方がいらっしゃったとしたら、その方にも、深く深く、感謝いたします。


・音声配信HEAR https://hear.jp/

・HEARシナリオ部の広報をしていただいている
たけのこさんのページ。HEARシナリオ部の作品のリンクがあります。

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