「真偽が定かでないことを思い込みで書かない」
ライターさんなら多少緩いのかもしれませんが記者が記事として書くからには「真偽が定かでないことを思い込みで書かない」は、基本中の基本かと思います。
特に去就に関することには慎重な上にも慎重を重ねることにしています。
6月に取材したGLADIATOR大阪大会、セミファイナルで42歳の久保健太と25歳の今井健斗、運命の悪戯か岐阜で交流する練習相手同士がフライ級王座挑戦権を賭けて争うことになりました。
久保と今井は地元・岐阜で所属ジム全体の交流がある練習相手同士で、試合前に久保は「今井君は僕が所属するGSB多治見ジムの代表である梶田先生にパーソナルを受けていたり、時にはAsura gymで一緒に練習したり、Asura gymの弟子達は今井君が所属するマーシャルアーツクラブ中津川ジムに出稽古で毎週のようにお世話になっていたり、僕も大変お世話になっています。今はそれらの関係性、環境がストップしている程に今回のこの試合の影響はとても大きいです。お互い知り尽くしている実力はもちろんのこと、深いこんな関係性であっても試合することに注目して頂けたらなと思います。」と、複雑な胸中を明かしていました。
今井もまた「 対戦相手の久保健太選手は毎週のように一緒に練習をする仲間です。タイトルマッチ以外では戦いたくない相手でしたが、次期挑戦者決定戦ということでオファーを受けました。お互いに評価の上がる試合をした上で、僕が最高の結果を出してタイトルマッチに進みます 。」と覚悟をのぞかせていました。
1R、今井が詰め寄りワンツー、フックで攻めかかると久保も退かずに右ローで前進。今井がダブルレッグでテイクダウン。金網を背に立ち上がる久保をシングルレッグで尻もちをつかせる今井。マウント。左手を枕に肩パンチで久保のスタミナを削りバックを取る今井。完全に今井のペースに圧され劣勢の久保。
2R、久保が左フック。軽やかなステップからスーパーマンパンチ。今井がワンツーからのダブルレッグ、テイクダウン。尻もちをつき金網を背負わされた久保の口が開き肩で息。抗う久保が立って前転も今井が潰す。「フーッ」と荒く呼吸する久保を今井が肩固め。極まって久保がタップした。久保の手の内を知り尽くした今井が完全にコントロール。
久保を組んで潰して圧勝し今井健斗がGLADIATORフライ級王者挑戦権を獲得しました。
久保健太選手が試合直前にも長いコメントを発表していたということも手伝ってか、生放送で解説者は久保のマイクを引退表明と断定したか「お疲れ様でした」と発言、傍らで試合を撮影していたカメラマンが「引退か」とつぶやくのを聞きました。放送を視聴して速報でレポートを上げたと思われる記事にも「引退を示唆」とありました。
しかしながら・・・撮影画像と試合結果をひとまず持ち帰って検証し彼のマイクを何度も何度も確認した結果、私が導き出した結論は違っていました。
なぜなら・・・彼自身がマイクで「引退する」とは一言も言っていなかったからです。
試合後の久保健太選手のマイクです。

「GSB多治見所属久保健太です。こんな形でマイクを持たせてもらってすいません。きょう沢山の方たちに応援いただきました。恩師にも来ていただき、仕事でお世話になる人たちにも応援いただき(涙で声を詰まらせる)。今井健斗選手の強さは・・・特にグラウンドはわかっていました。もっと打撃でプレッシャーを与えて闘いたかったのですがこれが結果のすべてなんで。僕は3日後に43歳になります。これからは先生といろいろ相談しながら考えていきたいと思います。今井健斗はまだまだ若いです。これからも今井健斗君の応援をよろしくお願いします。どうか格闘技界、みんなで応援して支えてあげてください。ありがとうございました。」
対戦相手に対するリスペクトと賞賛に終始しています。
辞めますとは一言も言っておりません。このようなあいまいな形での「引退発表」は、プロレスでも格闘技でも見た記憶がありません。
この時点で私の予想は久保選手現役続行が8割を占めていましたが、これも確証はありませんでしたから彼のマイクを文字起こししつつ、彼自身の声明を待つことにしました。
試合から2日後、久保選手は自身のインスタグラムで「こんな自分にまだ試合のチャンスがあるなら、試合を応援して頂けるのなら、今の悔しい気持ちを次の試合に全て出し切り、日頃から応援して下さる皆さんに心から喜んで貰い心の中のどこか一つの糧になりたいです。自身が完全に出し切り格闘技から熱いものを最後にしっかりとお返しするまでは年齢とか関係なくまだ終われないのかなと感じています」と、現役続行宣言をしました。
どのように関わってきたかにもよると思いますが記者とライターさんとの決定的な違いは、文章に主観や感情を可能な限り排することにあると思っています。併せて活字離れが顕著な昨今を念頭に入れ、その道に精通した人にしか理解できないような難解な専門用語や語句を用いることも控えて、出来るだけわかりやすい文章を構成するよう心がけています。
何よりも大事なことは、真偽が定かでないことを主観や思い込みで断定しないこと。
そういった観点から、よほど明白な情報以外速報であげる必要はないと思います。
GLADIATOR年内最終戦のカードが続々発表されています。
https://x.com/k611k611611/status/1989344036814274640?s=20
再起の久保健太はBRAVEのニューエース熊崎夏暉と対戦。

▼GLADIATORフライ級 5分3R
久保健太(GSB多治見)
vs
熊崎夏輝(BRAVEGYM)
「GLADIATOR 033」
日程:2025年11月30日(日) 開場/12:00 開始/13:00予定
会場:大阪 176BOX 豊中市庄内東町5丁目7−25
チケット料金 VIP席 25,000円 自由席 9,000円
