旅行記 / 山陰・中国地方 山陰と山陽を結ぶ山中路線と瀬戸内海 (2019/08)
恨めしや、台風。3ヶ月連続で旅程を破壊していったな。
本当はあと一日多いはずだったのです。しかし、当初の一日目に台風が見事直撃。泣く泣く旅程を変更し、一日減らしてスタートすることに。
加古川線や姫新線、境線にも乗れず。結局この辺りの路線は、2020年7月に行くことになりました。一年間温めておくのはなかなかしんどかったです。
今回のメインは出雲大社と「奥出雲おろち号」です。前回の記事で時刻表を買った話を書きましたが、この列車も同じく、臨時列車のページをめくっていて発見しました。本数の少ない木次線(きすきせん)を走るトロッコ観光列車です。台風一過、果たして乗車することができたのか…?
何に乗って、どこへ行ったか
● 主なJR路線:伯備線、木次線、芸備線、福塩線、山陽本線、岩徳線、
小野田線、宇部線、呉線、吉備線
● 主な私鉄路線:一畑電車
● 主に行った場所:出雲大社
● バランス:[観光] ・・・・★[鉄道]
◆Day 1◆ 伯備線と山陰本線で松江へ
今回はJR西日本のローカル線に乗りまくろう、という目的が強かったので、観光地としては今日の出雲大社ぐらいしかありません。観光地を巡るより、もうすぐ消えてしまうかもしれない?ローカル線に今のうちに乗っておこうということで今回の旅程を組みました。もちろん青春18きっぷメインです。
まずは岡山まで山陽本線で出てきました。以前にも書いた、例の真っ黄色の列車がたくさんいます。相生から岡山は、近そうでなかなか時間のかかってしまう区間です。最近は新幹線で飛ばしたい欲が出てきています。

岡山からは特急料金の節約も兼ねて、新見まで鈍行で北上していきました。この列車、何か別のところで見覚えのある顔やな…と思って調べてみると、JR東海にも居るんですよね。
伯備線は川と並走しながら、岡山県と鳥取県を結びます。片側には川、もう片側には山といった具合です。
新見駅は山あいにあるターミナル駅です。山中ローカル路線である姫新線や芸備線も乗り入れています。留置線にいろいろな列車が眠っていましたが、115系ながら103系のような顔の車両を見て一瞬ギョッとしましたね。

新見からは特急やくもに乗り換えて松江を目指しました。伯備線はカーブが多い路線ですが、やくもは振り子式車両なのでそこそこのスピードで走っていきます。
伯備線の車窓から見える一番の景色は伯耆大山(ほうきだいせん)ですね。台風一過のこの日は頂上に少し雲が掛かっており、全体を拝めなかったのが残念でした。何回か通っているのですが、ばっちり見えたことは一度もありません…。そして写真に堂々と写り込む電線。

米子からは平地を走ります。相変わらず田園風景が続いていました。
松江でやくもから下車し、ここからはバスに乗って松江しんじ湖温泉駅へ。どうでもいい話ですが、駅前のとあるコンビニにて別のコンビニのポイントカードを出してしまうという実績を解除してしまいました。恥ずかし…。
宍道湖の横を一畑電車で出雲大社まで走る
バスの車窓から見える宍道湖は、水面が光を反射して綺麗でした。すっかり晴れて前日の台風がウソのようです。しばらくバスに揺られて、一畑電車の松江しんじ湖温泉駅に到着しました。

一畑電車に乗って間近で宍道湖を見てみると、前日の台風の影響なのか水がだいぶ濁っていました…。それとも場所によるものなのでしょうか。
一畑駅ではスイッチバックが楽しめます。かつては写真の奥の方にも線路が伸びていたのですが、廃止されてしまいこのような形になったそうです。

川跡駅で大社線に乗り換えて、出雲大社を目指します。ここからは最新型の7000系に乗車することができて良かったです。車内は出雲大社のモチーフと、ご当地キャラの「しまねっこ」で彩られていました。

出雲大社前駅舎にはステンドグラスが使われていて素敵です。駅前は石畳の道路で、両方向に鳥居が見渡せました。少し歩いたら「出雲大社」の石碑が見えてきます。いかにもな雰囲気ですが、この手前には信号のある交差点があってギャップがすごいです。

神社って訪れるとキリッとした気持ちになりますよね。各社殿の屋根の檜皮葺きが整っていてきれいでした。そして大注連縄がド迫力。せっかくなので縁結びのお守りも買って帰りました。果たして御利益やいかに?

出雲大社を出てから、海岸まで歩いてみました。パンフレットで見てみると近いように見えたのですが、そこそこ距離があり、途中に坂道もあったので徒歩だと大変でした。
でも!打ち寄せる波は穏やかで、巨岩と陽光のコラボレーション(?)も。心が洗われるような綺麗な風景でした。

出雲大社前駅まで戻ってから再び一畑電車に乗り、雲州平田駅へ。「いずも縁結び温泉ゆらり」に立ち寄ってみました。旅先で温泉に行くのも楽しみの一つです。ちなみに雲州平田駅の周辺は住宅地でした。ちょうど暮れていく時間帯で、雰囲気がありましたね。

晩御飯もいただいてから、お宿のある電鉄出雲市駅を目指しました。横のJR出雲市駅の屋根にも神社感があります。
◆Day 2◆ 奥出雲おろち号で風を感じながら走る
ひたすら祈っていました。前日は運休になってしまっていたからです。土砂災害で線路が流れた…などでない限り大丈夫だろうとは思っていましたが、山中ローカル線の木次線(きすきせん)を通ることを考えると不安でした。
朝起きてすぐにJR西日本の運行情報を確認すると…無事に運転されることが分かりました!めでたし!ルンルン気分で出雲市駅に向かいます。
ホームには既に奥出雲おろち号が停車していました。トロッコ列車なので、もちろん窓はありません。椅子は木製でちょっと狭め。出雲市から備後落合まで、山陰本線と木次線を通って行く4時間の列車旅です。

遊園地などのアトラクションではなく、実際の営業線でトロッコ列車に乗るのは初めてで新鮮でした。トロッコ車両の見た目は下の写真のような感じ。ここには載せませんが、雨が降ったとき用?に、窓付きの普通の客車も牽引しています。

ちなみに出雲市から宍道までこのトロッコ車両が最後尾として進みますが、宍道からはスイッチバックして先頭になります。つまり…木次線内では前面展望が楽しめるんです!
なお、出雲市から宍道までは延長運転という扱いになっており、通常は宍道から備後落合までの運転です。今回は延長運転を狙って予定を組みました。延長運転の日程がいつなのかについてはホームページで確認できます。
沿線はおなじみの田園地帯ですが、風に直接当たりながら眺めるとまた別の爽快さを感じられますね。ただし、そこそこ速いので風もわりと強いです。帽子などを飛ばされないように注意が必要です。

車内販売されていた木次乳業のアイスが美味しかったです。夏にはちょうど良いですね。他にもお弁当などの車内販売もあります。いろいろ買ってみて楽しんでみてはいかがでしょうか。
途中トンネルを通る場所もあり、そこではトロッコの天井にご注目。電球とおろちが妖しく光ります!ここでも注意なのですが、窓がないため走行音が反射してモロに耳に入るので、うるさいのが苦手な方は耳栓をしておくなど対策が必要です。

そして、出雲坂根駅では今回の旅で3回目のスイッチバックです。ここでは列車を降りて撮影する時間があります。この記事で下の写真が初出ですが、こんな機関車がトロッコ列車を牽引してくれています。

スイッチバックの後、列車はどんどん標高を上げていきました。最高点周辺からの眺めは壮観です!時期を選べば紅葉も見られて綺麗だそうです。

最高点を過ぎて三井野原駅の手前からは峠の下りとなります。もうしばらく走って、終点の備後落合駅に到着しました。駅を出てすぐ、下の川に降りることができます。駅前には何らかの施設がある様子ではありませんでした。
…施設はおろか、駅には自販機すらないことを知りました。観光列車の終点駅にしては衝撃です。冬は売れないから、というのが理由だそうです。
芸備線と福塩線で福山へ
備後落合からは芸備線で三次まで乗りますが、次の列車まで2時間ほどあります。その間に備後落合の「名物駅長」さんが、昔の写真などを見せながら芸備線の歴史を解説してくれました。元国鉄マンの方だそうです。
芸備線も、豪雨災害などによる廃線の危機感は常にあるようです。三江線の例を見るに、地方ローカル線の存続には地元の理解が不可欠だということを改めて実感しました。
備後落合は「落合」なのですが、人が落ち合う交通の要衝、というのが由来だそうです。ここまで乗って来た木次線と、芸備線の新見~備後落合、備後落合~三次の列車が発着する駅です。かつての転車台も存置されていましたが、草木に埋もれかかっていて時の流れを感じました。

そして、一日のうち14時半頃の一回だけ、それらの3系統の列車が落ち合うタイミングがあるのです!見られたら幸運、というわけではないですが…。おろち号に乗って来た場合は折り返しのおろち号に乗るか、これら3系統の列車のどれかに乗ることになります。私は芸備線の三次行きに乗りました。
備後落合から次の比婆山までの間は一歩間違えればすぐ川に転落してしまいそうなほど険しい場所を走り、25km/hでの徐行が続いていました。比婆山を出ると、少し開けて峠の下りが連続します。
終点の三次に到着し、福塩線(ふくえんせん)の列車に乗り換えます。三次から塩町の間は芸備線と被っており、折り返す形になります。「福塩線」という響きが新鮮で、ぜひ乗ってみたかった路線でした。福山と塩町を結んでいます。

三次で折り返し、とは書きましたが、当時は豪雨災害の影響で三次から広島まで芸備線では行けなかったため、もはやそうするしかありませんでした。芸備線の残りの区間も合わせて、今度乗り通しに来たいと思っていました。
※2021年4月に芸備線を全線乗り通すことができました!今度書きます。
塩町で芸備線の線路と離れて福塩線に入って行きます。田園風景を見ながら進み、終点の府中に到着です。ちょうど夕暮れ時と重なり、残りの府中から福山までの区間ではもう暗くなってしまって車窓を楽しめませんでした。
最後に、福山から山陽本線で岩国まで移動しました。3時間もかかります。長い…。岩国に到着したら、もう22時半でした。
◆Day 3◆ 岩徳線と小野田線と宇部線をめぐる
最終日の朝はまず岩徳線(がんとくせん)に乗りました。岩国と徳山なので岩徳線です。残念ながら先頭車両の方向幕が機能しておらず真っ白でした。

岩徳線はかつて山陽本線の一部だったそうです。短絡線として建設されたということですが、現行の山陽本線の方が岩国から徳山までの所要時間が短くなっています。
今回は徳山から山陽本線に乗り換えます。山陽本線の列車が岩徳線の列車の到着を待ってくれるので、徳山で乗り換えることができました。
徳山から小野田まで山陽本線に乗って、小野田からは待ちに待った小野田線です!後で出てくる宇部線や吉備線とともにBRT転換が検討されているとの話もあり、早めに乗りに行っておこうと思っていたのでした。こちらも先頭車両の方向幕が真っ白です。

雀田には一日3往復(2021年現在)しか走らない本山支線が伸びています。これもいつか乗りに来たいと思いつつ、さらに先の方へ進んでいきました。
※2020年7月にいろいろあって本山支線に乗りに行くことができました。
妻崎から居能までの間で厚東川を渡る場面があり、海側が広々として眺めが良かったのですが、写真を撮り損ねてしまったのが残念でした…。
終点の宇部新川に到着です。駅周辺は市街地が広がっていました。宇部市の中心部は山陽本線の宇部駅周辺ではなく、市役所にも近い宇部新川駅のようです。

続いて宇部線に乗りました。途中に空港があったり終点の新山口で新幹線と接続したりするためか、大きな荷物を持った乗客が多かった印象です。お盆だったから、というのも大きかったと思いますが。
新山口からはショートカットで新幹線に乗り、広島まで行きました。山口県内を在来線で乗り通すのはしんどいということを以前実感したので、今回は躊躇なく課金します。あと2路線乗る時間も確保したいですからね。
呉線と吉備線に乗る
さて続いては、残りの2路線のうちの一つ、呉線に乗りました。快速列車の安芸路ライナーに乗車して呉方面を目指しました。駅名標にラインカラーの黄色が使われています。

安芸路ライナーの終点、広で三原行きに乗り換えます。同じホームでの乗り換えでしたが、座席を求めて皆さん必死でしたね…。中津川ダッシュならぬ広ダッシュでしょうか。でもダッシュは危ないのでやめましょう。
日頃の行いの甲斐あってかダッシュせずとも座ることができました。座席は進行方向右側にしました。理由はもちろん、瀬戸内海が見えるからです!
瀬戸内海にほど近いところをゆったりと走る呉線、旅情を誘いますね。

終点の三原に到着して、播州赤穂行きを待ちます。糸崎発の列車でしたが、これに乗るともう一回乗り換えるだけで大阪まで戻れるという、なかなかの長距離列車です。乗り通したい気持ちを抑えつつ今回は倉敷で降りました。
Day 1以来の伯備線で総社まで行き、今回最後の目的路線である吉備線へ。地元の方々がそこそこ乗車していました。こちらはちゃんと先頭車両の方向幕が機能しています。車窓からは夕刻の田園風景を楽しみました。

終点の岡山からは再び山陽本線で姫路、そして大阪へと戻っていきました。今回は観光地をほとんど巡らずローカル線がメインとなりましたが、乗れる間に乗りに行けて良かったかなと思います。
で、「行ったことのない都道府県に行ってみる」が列車の旅の大きな目的の一つだったのですが、だいぶ制覇してきたので、今回あたりからは徐々に「乗ったことのない路線に乗ってみる」にシフトしていくことになります。都道府県ではなく、「行ったことのない市町村」みたいな形にもなります。
そして前回の旅行に続いて、観光列車に乗る楽しさも知ってしまいました。果たしてこの先どうなることやら…。
次は、台風にまたしても旅程を破壊されてしまった千葉・東京西部の記録を書きます。
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