サウナのすべてをここに。赤坂「サウナ東京」開店日レポ(サウナレポ)
ついに来た。本当に来るとは思っていなかった。それでも来た。何が?「サウナ東京」が。
大量のサウナ室に3つの水風呂、立地はアクセス抜群の赤坂。「サウナ東京」はしばらく前からそんな触れ込みでサウナ界隈を賑わせていたが、あまりにSNSの情報が更新されないので、「これはサウナブームにあてこんだ詐欺とかなのではないか?」と作者はいぶかしんでいた。しかし、そのうち4月にオープン予定と明記され、内装の写真が公開され……ついに、4月24日、オープンを迎えた。できたのならば、行くしかない。

要約
5つのサウナ、3つの水風呂、あらゆるサウナがそろった施設の決定版
アトラクションのような外見の瞑想サウナ、あえて昭和を再現した昭和遠赤サウナなど、見所満点
今後の「サウナどっか1つ行くならここ」施設。要チェック!
本編
「サウナ東京」は赤坂にある。赤坂は最近複数のサウナ施設がオープンし、にわかにサウナ激戦区となっている。場所がら、ギラギラツーブロックおじさんたちが多くいそうだ。いまのところ男性専用施設である。順番待ちのQRコードを読み込んでしばらくすると呼び出され、入店。
最近の施設にありがちな、黒を基調にしたシックなデザインに間接照明。奥には「特濃炭酸泉」とかかれた、ほどよくぬるい浴槽があり、テレビが流れている。川崎「ゆいる」や荻窪「なごみの湯」みたいな、「シュエップスに入ってんのか?」というほどの特濃ではなかったが、そこそこの濃度の炭酸だった。温度もぬるめでちょうどいい。
本命のサウナたちは2階にある。この構造は渋谷「SAUNAS」を思い起こさせる。
上がってみると、待ち受けていたのは大量のサウナ室……広いものも狭いものもあわせて、たしかに5個ある。決して広い敷地ではないのに、この数は驚異的だ。さらに、その中心には3つの区画に分かれた水風呂に、さらに冷却室(アイスサウナ)、奥には広くておしゃれな休憩スペースまで見える。
はやる気持ちをおさえながら、ひとつずつサウナを見ていく。この順番を考えているときが楽しい。
1 蒸気乱舞
まずは一番広いサウナ「蒸気乱舞」に入ることにした。中央にそびえたつ巨大サウナストーブが威圧的でかっこいい。ちょうどスタッフがロウリュをしてくれていたので、ありがたく受ける。オートロウリュ機能が故障しているらしく、人力で定期的にやっていたらしい。
座面は広く、あぐらもかきやすい。ストーブの周りも広くとられているので、おそらくアウフグースイベントを意識した設計だろう。
ロウリュしていない状態での設定は少しだけ控えめ、しかしちょうどいいぐらいだ……とおもっていたら、どこからかジュウジュウ、バチバチとロウリュの音が聞こえてきた。音のするほうを探すと、なんとひな壇状の座席の下に隠されたストーブがあって、そこからロウリュ音と熱気が立ち上っているのだった。
他の施設も似たような形で温度湿度を調整しているのかもしれないが、ここまで存在感がある隠しストーブも珍しい。この時点で温度も湿度もけっこう上がって良かった。
2 水風呂
「サウナ東京」の水風呂は3つの温度に分かれていて、かなりぜいたくだ。少しぬるめ(バイブラあり)、冷たい、そして9℃、いわゆるシングルの水風呂まである。赤坂には「サウナリゾートオリエンタル」という数少ないシングル水風呂施設があるのに、ここにもシングルとは……こんなことがあっていいのか。
一番標準的な温度の水風呂は、他の二つと比べてかなり広く作られており、多くの人が入れるし、人口密度が少ないときには手足を伸ばして浮かんだりできるのが良い。標準的といいつつ、14℃ぐらいだったので慣れない人には冷たく感じるかもしれない。
少しぬるめの水風呂は、バイブラがあるというと東中野「松本湯」や巣鴨「巣鴨湯」のようなものを想像するかもしれないが、それよりは温度も低く、バイブラも激しめなので、体感でいうと標準的な水風呂ぐらいはある。
そしてシングルは……説明不要。めちゃくちゃ冷たい。
この3つの水風呂が、導線も完璧に配置してあるので、サウナ後の使い方は選び放題だ。しかも、水風呂が苦手な人には冷却室まである。本当に至れりつくせりだ。
それぞれの温度で楽しむもよし、シングル→ぬるめと移動して長く水風呂を楽しむもよし……まさに「君だけの水風呂を作り出せ」といったところ。ここまでの施設は、そうそうお目にかかれない。
ちなみに、最初の水風呂は通常→外気浴にした。
3 瞑想サウナ
浴室内で目ざとく見つけたのが、何かの予約をとっているらしいスタッフ。尋ねると、瞑想サウナは時間入れ替え制だという。さっそく予約をとった。
時間になると、蒸された人間が出てきて、かわりに入る。
薄暗い照明の中、森のBGMが流れ、ブースのように仕切られた空間に椅子が並んでいる。その様子がディズニーランドのホーンテッドマンションみたいで、かなりテンションが上がった。
「セーフティーバーは私がおろそう」といいながら座り、しばらくするとBGMが少し大きくなる。光がゆっくり明滅したりする。
温度は少しぬるめ、湿度はあまりなく、雰囲気だけか?と思っていたのも束の間。音に耳をすませて目を閉じていると、すごくリラックスできるのだ。汗をだらだらかくというよりは、岩盤浴ぐらいの体感が近い。
リラックスに身をゆだねていると、あっという間に交代の時間がきてしまった。もしかしたら寝ていたかもしれない。
サウナらしくないのに、しっかり気持ちよくなってしまった。あまりよく覚えていないので、ぜひ皆さんも体感してほしい。
ちなみに、この後は通常→ぬるめバイブラにした。
4 戸棚蒸し風呂
サウナが並んでいる一角に、ドアが開閉するたびに大量の蒸気がもうもうと立ち上っている部屋があった。
入ってみると、中も蒸気であふれており、目を凝らさないと先が見えないような状態。よく見れば、部屋の中には風呂のように水がはっていている。なんだ、これは?
イメージとしては、レベル100のミストサウナといった感じ。湿度というより蒸気そのもので体感温度を上げてくるのはミストサウナと同じだが、その濃さが尋常ではない。
熊本「湯らっくす」の阿蘇山大噴火サウナでもここまでの蒸気ではなかった。立ち上がると耳が痛いほど。
足湯状態で腰掛けると、しかし、これがかなり良いのだ。
もともと湿度が高いサウナやミストサウナは好きなのだが、普通のサウナよりも温度が低いことが多い。その点、この戸棚蒸し風呂は温度が普通のサウナ並みに高く、しっかり蒸し上げることができる。気分はせいろの饅頭だ。
日常的に体感することのない、一寸先が見えないほどの蒸気を体感できたのも不思議な体験で、ぜひ一度体感してほしい。
ちなみに、この後は冷却室→外気浴にした。
5 昭和遠赤
「サウナ東京」の一番クレイジーな部分といって過言でないのは、この昭和遠赤サウナだ。
このサウナは、サウナブームに乗った施設以前のサウナ……サウナストーンではなく遠赤外線のストーブでカラカラの湿度、テレビが常時流れているサウナを、わざわざ令和最新施設に再現しているのだ。
実際、入ってみると、リニューアル前の渋谷「改良湯」のような強烈な乾燥熱気が顔に当たる。テレビのワイドショーを見ながら会話している人たちを、騒がしいなと横目に見ながら蒸される、ありふれた日本のサウナの風景がある。
「東京」を冠する店だからこそ、ブームに乗ったフィンランド式のサウナだけでなく、こうした日本のサウナを取り込んでいく、という姿勢はあっぱれだが、一つの施設が持っているコンセプトとしては空恐ろしく感じる。
ただし、令和最新版にアップデートされている部分ももちろんあり、座面は少し広めに取られていて、足をあげて均一に熱を受けやすい、新しくて清潔、などは利用者に不快さを感じさせない令和の心配りだ。
ちなみに、この後はシングル→ぬるめバイブラ→外気浴にした。
6 手酌蒸気
いわゆるケロサウナで、セルフロウリュができる。最近知ったのだが、ケロサウナのケロというのは特殊な木で、わざわざフィンランドとかから輸入しているのだという。
昭和遠赤サウナとは対極の、令和フィンランド式サウナといった風情で、入ってみると木の香りがして良い。
湿度高め、照明暗め、静かなサウナ室にたまに響くロウリュ用の水を補給する音、そしてセルフロウリュ音。これが令和のサウナだ。素晴らしい。
特徴としては、セルフロウリュをしたあとに使う砂時計があり、一定時間経過しないと追加のロウリュが行えないことになっていた。これについては湿度の好みなどもあるので賛否あると思うが、かけすぎを防止するためには良いと思う。
ちなみに、この後はシングル→外気浴にした。
7 アウフグース
ここまでやったところで、アウフグースイベントが行われる旨の告知があり、蒸気乱舞に乗り込んだ。
蒸気乱舞はアウフグース用の設備だとは思っていたが、実際受けてみると熱波師と客との距離が適度に設定されていてよかった。
また、最近は音楽にあわせてパフォーマンスをする熱波師も多く、それ用かは知らないが、サウナ室全体に響くスピーカーが設置されていてグルーブ感があった。
ちなみに、この後はシングル→ぬるめバイブラ(2回目)にした。
まとめ
「サウナ東京」の設備はすごい施設で、他にない施設だ。
おそらく立地や価格帯からして渋谷「SAUNAS」と比べられるだろうが、両者の性質はまったく異なるものだ。
渋谷「SAUNAS」が、独自の設備を1から作ってサウナという体験の幅を突き詰めたのに対して、「サウナ東京」が目指したのは、およそあらゆるサウナ体験を集約する、ということなのだろう。
とにかく「サウナ東京」に行けば、全部ある。そんな全部盛り感。後発の施設でありながら「東京」を冠する自信は、そういうところに現れているのかもしれない。
今後、「とりあえずサウナを体験してみたい」という人には「サウナ東京」をおすすめしていくことになるだろう。
良い施設だった。客が落ち着いたころにまた行きたい。
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