新婚旅日記|寄り添って生きていきましょう。手は繋がないけどね
しばらくイレギュラーに旅日記更新中です。
はじめましての方へ、これまでのあらすじは「結婚15年経った夫婦が、新婚旅行に行ってないと気づいたので初めての海外旅行でプラハに来ている」です。
昨日の旅日記を読み返してみて、役に立つ情報が皆無であることに気づいた。旅行記って難しいんだな?いや、普段から役に立つようなことを書いた覚えはないな?餅は餅屋、お役立ちはお役立ちマスターだ。私は私の日記を書こう。
さ〜て、本日は「劇場でちびっ子に囲まれ不審者になった件」「ついにハプニング・鉄道サウナで蒸された件」の2本でお届けします!ちなみに、Photo by 夫。このnoteは、私と夫の共同作業なのだ。新婚ぽくていいね!
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プラハの劇場でちびっ子が笑い、私が泣く
プラハは、マリオネットが有名ってことで人形劇を見に行こうと勇んでいたのだけど、まさかの閉業中。

せっかくやしなんか劇を見たいよな〜と、街の小劇場に行ってみた。ちょうど面白そうな短編作品をやってたので、飛び込んでみる。チケット?もちろん持ってない。交渉できるか?心配いらない、私には「Coefont(通訳神アプリ)」があるのだ。

受付のお姉さんに、2人分の席は空いているかとアプリを駆使して相談したら、何やら怪訝な顔をしながら答えてくれた。
「めっちゃ子ども向けやけど…大丈夫そ?(意訳)」
およ、と思って周りを見渡すと、3歳ぐらいの天使たちを連れたママしかいない。ははーん、これはアレか。お子様参加型的なやつか。オッケオッケ。
「大人だけでもかまへん?」
もちろんアプリ経由で尋ねてみたところ
「まぁまぁまぁ…まぁまぁまぁ(原文ママ)」
まぁまぁまぁいけるらしいので、見ることにした。私ら以外の全員がお子さん連れで、圧倒的な不審者になってしまったが無事着席。観劇したその作品は、予想通りお子さん参加型で、最終的にはちびっこ達がセンターにあるバスタブの中でパンを食べるというカオスっぷりだったのだけど、これがすんばらしく良かった。

なんていうか、大人がめっちゃ真面目に本気で演劇していて、それをちびっ子たちも、くりくりの透き通った目でじーっと見ていて、こんな風に幼い頃から文化がすぐそばにあるんだなぁって、めっちゃ素敵だなぁって考えてたら…つつーと熱い涙が。泣いた。
作品だ!とか、エンタメで!とか、集客が!とか、お金が!とか、モノづくりにつきまとうあれこれは大切だ。大切なんだけど、本当はもっと人の暮らしのすぐそばにあるはずよな、芸術や文化って。特別でもなんでもなく、当たり前にこの子たちの中で文化が育っていく瞬間を見ていると、ふと思う。自分は何を作りたいんやっけ?どうありたいんやっけ?創作活動でいっちょどうにかなりたい、も嘘じゃないけどさ、忘れちゃならん大切なことを思い出した気分。見に来て良かった。

ついにハプニング発生、われわれは試されている
プラハで2日間を過ごして、次なる目的地はウィーン!電車で4時間の旅です。ハリーポッターみたいな電車にのって、駅弁のごとくサンドイッチを頬張って…としてたとこまでは良かったんだが。

途中でぐんぐん車内の気温があがっていって、尋常じゃない暑さになりましてな。リアルにサウナ状態。暑さに弱い夫が、汗をだらだらかいてバテてしまった。
どうやら乗ってた車両だけ、冷房がいかれてしまった模様。嘘やろ、指定席なのに。あとあと調べたら、ヨーロッパの鉄道では猛暑で冷房トラブルが起きることがちょいちょいあるらしい。ちょいちょいあるなら、そろそろ直していこうぜ。頼むぜ。指定席なんだぜ。
涼しい車両に行ってひと息ついて、自分のサウナ席に戻り汗だくになるという謎のルーティンを何度も繰り返す、修行みたいな列車旅になってしまった。まったく整わない。気分が悪くなった女性まででてきて、いよいよやべーぞと思ってたら、ついに電車が途中の駅で停まった。
駅員さんが、なんか大声でアナウンスしてるんだけど、さっぱりわからん。わからんけど、何かが起きてる。みんなザワザワしてて、前の女性が「オーマイガッ」って言ってる。なに?なんなの?よし、出てこい神アプリ・Coefont!通訳モードをオンにするなり、私の神が周囲の声を次々に翻訳しだした。
ー熱いな
ーいつ動くかはわかりません
ーパスパスパスパス
ー今電車が停まったのよ
ー彼女のパスポートは有効期限が過ぎました
ーそれはとてもよいプレゼントになるでしょう
いや、わからんて。周りがザワザワで電話やら会話やら飛び交ってるもんだから神アプリも限界を迎えた。ほんで、誰かパスポート切らしてるけど大丈夫か。アウトやろ。
とにかく全然動く気配がないので、乗客のみなさん下車して、ペットボトルの水を体にぶっかけたり、タバコ吸ったり、日陰でチーズケーキ食べだしたりと、奔放に振る舞いだす。これは長い戦いになりそうだ…

わが夫は、汗だっくだくで情報収集にウロウロ。私がぐでーと暑さと先の見えないハプニングに思考停止しているにも関わらず「あっちが涼しいで」「前の車両に移動できるかもよ」「乗り換えるなら2時間ぐらいかなぁ」と、一生懸命だ。
それを見てて思った。いっつも、ずーっとそうなんだよな。この人はいつでも一生懸命で、自分のしんどさよりも私を労わろうとする。それに比べて私はどうだ。されることに甘んじて、自分でなんとかしようなんて、これっぽっちも考えやしない。そういうとこやぞ!甘えてるぞ!ほんで、暑いねんって!もー!
そういえば新婚旅行なんだったよ。知らない一面、ではなくて、ずーっと知ってた夫のいいところを、日本から遠く離れた異国の、名前もわからない駅で再発見した。ナイスハプニング、とはよう言わんが、忘れられない旅にはなりそうだ。
結局1時間ぐらい停車したあと、電車は無事に動きだしなんとかウィーンに到着したのがさっき。いやぁ、疲れた。
「今日は電車、大変やったね。あなたのおかげで無事に着けたね」
私がそう言うと
「全然よ、寄り添って生きていかなきゃね」
と、夫が返事をする。
そういえば、プラハの街を歩いていて、手を繋いでる年配のご夫婦がすごく多かったことを思い出した。
そう、寄り添って生きていきましょう。
熱々の汗びちゃなので、今は手は繋がないけど。

