ブスとは何か
今までの人生で、面と向かって「ブス」と数えきれないくらい言われてきた。
全員、日本人の男である。
学生時代にすれ違いざまに言われたり、同じ高校の別のクラスの男子生徒複数名に言われたりと、当時は繊細だったので傷ついていた。
また、以前も書いた通り、ニューヨークの駐在員向けキャバクラでバイトしていた頃も散々「ブス」と言われてチェンジされたり、駐在員(日本人男性)との飲み会で、他の女性は奢りなのになぜか私だけが支払いをさせられるという、アグレッシブな屈辱を受けた経験もある。
しかしながら、私は心の奥底で「自分がブスなわけがない」と思い込んでいたので、ずっと違和感を抱いていた。
どう考えても、私をブスと言ってくる野郎共がおかしい。
今はドイツに住んでいるゲイの友人(日本人男性)に、
「駐在員にブス扱いされた!今すぐ死刑にしてください!!」
と、泣きながら電話で聞いてもらったこともある。
彼はファッションデザイナーで、裁判官ではない。
さて、日本人男性には不当な扱いを受けてきたが、渡米後、日本人男性以外からブスだと揶揄されたことがない。
同じ東アジア圏でも、中国系も韓国系も好意的な男性しかいなかった。
街中で声を掛けられる、いわゆるナンパも、一人でご飯を食べていたら、ほぼ100%遭遇する。
向こうの方はストレートなので、
「こんな美人と話せて光栄だよ」
などと、普通のテンションで言ってくる。
知ってる。
見ればわかる。
そういえば、パリコレを代表とするファッションモデルの外見も、アジア系女性は一般的に日本人男性からはウケが悪い気がする。
ある日、上記のゲイの友人が、とあるアジア系トップモデルの写真を送りつけてきた。
「時代が瑠璃子ちゃんに追いついたわよ」
生き写しかと思った。
何なら、実家の親父がマレーシアで過去にヤラかした結果、腹違いの妹という線もある。
このモデルの経歴を見ると、投票でトップモデルに選ばれたものの、
「お前みたいなブスがトップモデルなんておかしい」
と大炎上したらしい。
殺害予告まで届いたそうだ。
私の妹に何してくれてる。
クソ美人じゃねえか。
お前らは目ん玉を子宮に置き忘れて来たのか?
友人は、このモデルの背景も込みで「似てる」と言ってきた様子だ。
要するに、私をブスと言ってきた男共は、世界基準に追いついていなかっただけなのだ。
知ってた。
「瑠璃子ちゃん、同じ顔なのに何でアンタはモテないのよ?! そろそろ幸せになってよ!!涙」
私が変な男から不当な扱いを受けるたびに、愚痴を聞かされていた友人の心の叫びだった。
数年後、ジャパンに帰国して日本の中小企業に就職したが、不当な扱いをしてくる者は一人もいなくて驚いた。
「日本人の男はゲイ以外は敵しかいない」
と覚悟していたが、基本的に優しくてマトモな人が大多数なのだと気付いた。
そういえば、夫も推しも日本人男性だ。
それにしても、「美人」の基準は、国境を越えるだけでここまで変わるものなのか。
渡米後の男性からの扱いの違いには至極驚いたし、実は離婚後の出会い系アプリでも無双していた。
そもそも、
「あなた、ブスですね。」
と、ご丁寧に対面で教えてくれる人類は、どんな人種・国籍であれ、基本的に相手にしなくていい。
世界平和のためにも、早めに地球から出ていって欲しい。
