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【女子枠⑥】問題点と建設的な議論に向けて(i)

ほんごう小学校5ねん3くみのみんなと、女子枠について楽しく勉強しよう。
女子枠の授業も、今回と次回で最終回だ。他にも伝えたいことは沢山あるんだけど、今までの記事で一通りの内容は網羅しているはずだ。

ここまでの女子枠論争を、もう一度整理してみようか。賛成派・反対派の主だった議論を見てきたね。みんなには議論が噛み合わない構造を感じ取って欲しい。

賛成派の主張は、実質的機会の平等と、多様性の実現の2つだ。多様性の実現は反論しやすいが、実質的機会の平等は、なかなかに手ごわい。

①賛成派「実質的機会の平等」vs.反対派「形式的機会の平等」

まず、賛成派は実質的機会の平等を、反対派は形式的な機会の平等を主張する。この点で食い違っている。実質的機会の平等も法の下の平等から導かれる。憲法14条には実質的機会の平等が含まれているから、アファーマティブアクションは合憲と判断され、その程度についてのみ憲法は関心を持つんだったね。

②賛成派「実質的機会の平等」vs.反対派「逆差別」

次に、それでも反対派は、実質的機会の平等のために、新しい不平等が生まれることを主張する。差別のための逆差別、ってやつだ。
ところが、社会的弱者に対して手厚く保護を与える。だから、必ずしも、完全なる平等を求めるわけではない。大きな不平等を解消するために、小さな不平等が生じることを許す場合もある。

③賛成派「実質的機会の平等」vs.反対派「能力主義への違反」

能力主義への違反への違反を主張しようにも、その能力を評価する側がマジョリティなんだから、マイノリティに不利な基準で評価してしまっているかもしれない。これが構造的差別だったね。もし仮に女子枠での入学者が能力的に劣っているように見えたとしても、それは私たちがマジョリティの基準で評価しているからかもしれない。能力的に劣ってるに決まってるだろ!って、お気持ちは分かるけど、構造的差別を是正するための措置を、構造的差別を振りかざして否定するのは、結論先取だ。

④賛成派「実質的機会の平等」vs反対派「手段の合理性」
実質的機会の平等の確保は認められているし、逆差別問題もクリアされている。残るは、手段が合理的であるかだ。ここは、憲法学者間でも論争が起こっている。もし反対したいのならば、ここを突くのが良いんじゃないかな。

⑤賛成派「多様性の実現」vs.反対派「多様性の価値」
多様性を盛んに主張するけれど、多様性の価値が何かは明らかにされていないね。集合知という概念があって、いろんなバックグラウンドを持つ人がいることで創造性が高まるという考えもある。だけど、それなら女子ではなくて、貧困家庭とか離島出身者とかの方が、よほど多様性があるはずだ。多様性を錦の御旗として振りかざして正当化しようとする態度、先生は感心しないな。

みんなに感じて欲しいことはね、ネット上で起こっている論争の大半は①〜③の話をしていることだ。だけど、政策担当者もバカじゃないから、よく考えて制度を作っているんた。

みんなが飲み屋で愚痴を言いたくて批判するなら正しさなんて関係ない。だけどね、本当に反対したいとか、世の中を良くしたいと思うなら、きちんと今までの議論を踏まえるべきじゃないかな。この記事は、そのために役立ったら嬉しいなと思って書いているよ。

①、②は賛成派の主張に反対することは難しそうだ。

③の能力主義との緊張は問題ないとされている。だけど、感覚としては受け入れがたい人も多いだろうね。だから、提言はしておくね。

④が最も重要な論点なんだ。アファーマティブアクションは認めたうえで、どこまでがやり過ぎで、どこからが適切なのか、ここは大いに議論の余地がある。

⑤の多様性の実現については、あまりに議論が乱暴すぎるな。多様性と言われて反論しづらい世の中の空気が大きいのだと思う。多様性の価値を否定して反論することもできる。今回は賛成派の意見に譲歩して、多様性に価値を認めたうえで、真の多様性に配慮した選抜方式を提案するね。

1.男子学生と同じ地位を与えるのはおかしいから、東京女子科学大として編入を認める

能力主義に反しないという立場を、ここまで貫いてきたけど、まぁ反しているでしょうね。もし仮に反していないとしても、同じ難易度の試験ではないのだから、同じ地位を認めるのはおかしいだろう。

ここで参考になるのは、将棋の女流棋士制度だ。女流棋士はプロ棋戦にも一部出場できるし、一応は棋士という身分を与えられているけど、プロ棋士よりも低い実力でもなることができる。その代わり、将棋の普及活動に注力するんだ。
つまり、機会の平等の確保のために女性比率は向上させるけど、実力を伴わないならプロ棋士にはしない、という機会の平等と能力主義の良いところ取りだ。もし実力がプロレベルに達したのであれば、編入試験を受験して女流棋士からプロ棋士にジョブチェンジすることも可能だ。

科学大でも同じように、女子枠入学者には、科学大の教育を受けることは認めるけども、一般試験入学者と地位を区別するのはどうだろうか。

実質的機会の平等の重要性や、理工系の女子学生比率が低いことは事実だ。だから、女子学生比率を向上させることに意義はあると思う。だけど、男子学生に不利をもたらすことは問題だ。逆に言えば、男子学生に不利を与えなければ良いんだ。

例えば、女子枠で入学した学生は、まず東京女子科学大に入学する。もちろん東工大の定員は削らない。そして、カリキュラムは東工大と同様のものを受けられるとする。試験も同じものを受けられる。毎年のGPAが科学大の平均よりも高ければ編入を認められる。一方で、そうでなければ女子科学大に残留する。
つまり科学大生と遜色ない学力に成長出来たら、同じ地位を認める。だけど、学力が達しないなら同じ地位は認めない、ということだ。

提言1.女性に対する、機会の平等の重要性は否定しない。ただし同じ選抜を受けていないのに同じ地位を認めることは不合理。ならば異なる地位を与えたうえで(東京女子科学大学)、実力が伴った場合にのみ科学大生としての地位を与える。機会の平等と能力主義の良いところ取りを目指す。もちろん男子学生の枠は削らずに、追加で女子科学大を設ける。

2.時限性の確保

女子枠がやり過ぎかどうかは、憲法学者間でも議論が分かれるところだ。だから、細かい解釈には立ち入らない。ただし、女子枠、すなわち逆差別ではないんだったね。

かなちゃん「差別の連鎖を断ち切るための施策なので、差別を受けていない者が不利益を被ったから、すぐに逆差別とは言えません!」

ただし、時限的な措置でなければ、逆差別となる。例えば、「永久に女子枠を設けます」と言ったら、これは逆差別だ。あくまで、差別の連鎖を断ち切るための一時的な施策なんだ。

ゆうくん「科学大は時限的な措置なのですか?」

定義上は、、、時限的な措置となる。通常、時限的と言えば、「あと3年間限定で実施します」みたいなものを想像するね。
ところが、大学側は「女子学生比率を〇%以上!」をベンチマークとしている。目標を達成するまでは続くということだ。つまり、今後何年間、世の中の男子高校生が不利益を被る必要があるのか、分からないんだ。1年かもしれないし、100年かもしれない。

これは、大学側と世間の人で感覚がズレている。女子学生比率をベンチマークにすることが、定義上は時限的だとしても、社会の感覚として受け入れられないだろう。

提言2.せめて、あと〇年!という時限性を明確にする

3.代替手段の模索と、適切な説明

女子枠という強い手段が本当に必要なのか、十分な説明がなされていないね

ゆうくん「女子枠という強い手段を取る以前に、十分に女子高校生に理系進学についてのアプローチが行われていたのか気になります」

結果の平等を求めるのは強い手段だし、社会としても受け入れがたい。なるべく機会の平等を通じて解決されるべきだろうね。科学大が、女子高校生に向けて理系進学を促すような活動を十分に行えていたのかは疑問だ。

ゆうくん「なぜ、女子を理系に増やす必要があるのかも、十分に説明されてない気がします」

例えば、どうしても女性でないと扱えない細胞がいて、そのために女子枠を増やすなら納得できると思うんだ。確かに、それは研究成果にプラスだねって。だけど、女性を増やすことで、研究にとって、どんなプラスがあるのかが明らかにされていない。多様性を通じた学知の拡大にみたいな、曖昧なことを言われてもさ、男子高校生は人生がかかっているわけだから。

高校生の人生を左右するわけだから、説明責任は果たさなければならないだろうね。とても、納得できる説明がされているとは思えないな。

提言3.十分に代替手段を模索したのかと、女子枠を設ける理由について、説明責任を果たす

長くなりすぎたので一旦、ここまでにするけど、次の授業では
4.女子枠ではなく多様性枠として必要な人に支援を届ける
を提案する。最後に、これまでの授業のまとめも行うので、必ず次回も出席するように!


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