ぎんがてつどーのよーる
奄美の大和村ってとこに四年ぐらい住んでたんですが、
僕はそこで生まれて初めて、「天の川」というものをハッキリと見ました。
宮沢賢治の銀河鉄道の冒頭にあるように、
ミルクのようにモヤっとしたものが、夜空に筋のように広がっていました。
「はっ」としたというよりは、ぼんやり「もしやあれがかの有名な天の川なのでは……??」と思った事を覚えています。
それからは、幾度となく空を見上げ、僕は夜空に流れる川を眺めました。
流れ星をみた夜もあったし、稲光を見た夜もあったし、ホタルが飛び交う夜や、
宇宙ステーションだかなんだかが通り過ぎるのを眺めた夜もありました。
そこには常に、星の川が流れていました。
色々あって、今は実家にいるのですが、ここからだと天の川は見えません。
二十代の頃住んでいた練馬よりは、たくさんの星が見えます。
でも、もやっとした星の川は、町明りにかき消されて、
大和村よりかは暗い夜空が広がっています。
寝る前に、天の川と過ごした夜を思いだして、
ちょっとセンチメンタルになる夜があったりします。

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