('95) Wilco / A.M.
後にアメリカを代表する先鋭的なロック・バンドへと成長するウィルコのデビュー作は、前身バンドであるアンクル・テュペロからの流れを引く「オルタナ・カントリー」色が強く、そのジャンルの旗手として知られることとなった。バンジョーなどの楽器も取り入れたカントリー・タッチの音色にアメリカン・ルーツを感じさせつつ、力強くどっしりとしたバンド・サウンドはいかにもアメリカン・ロックらしい。
1曲を除く全曲を書いたフロント・マンのジェフ・トゥイーディのヴォーカルは、ときにディラン風になりながら心地良く掠れ、”快晴”のアメリカン・ロックを体現している。ギター・サウンドを軸とした音響も美しく、陽気なだけではないウィルコの緻密な音作りが表れている。後のウィルコらしい芸術性の高さこそまだ見られないが、からっとした空気感の中でレイドバックした雰囲気を保った楽曲における、特にメロディ・ラインの快活さが印象的な粒揃いのアルバムといえる。
ウィルコはここ数年本当によく聴いている。アメリカのバンドでは一番のフェイヴァリットかも。ポップさと芸術性のバランス、ストレートと変化球を使い分ける音楽性、誰よりもロックでありながら豊饒な音作りと尖った実験性を追求し、そしてメロディの切れ間から漂う哀愁。聴いていて気分が高揚するし、同時にじっくりと浸っていたくなる。そんな彼らの1作目は、僕のCDコレクションの中でも屈指のドライヴ・アルバムだと思う。免許持ってないから試したことないけど。
