優秀な人材が静かに去る会社の共通点?給料では止められない退職?
「給料を上げるから残ってくれ」。
社長はそう言った。年収を120万円上げるとまで提示した。
それでも、そのエース社員は翌週、退職届を出した。
社長には理解できなかった。
「なぜだ。給料は上げたのに」。
しかし、その社員の本音は別のところにあった。
「この会社にいても、自分の成長が止まると感じたんです」
実は、この話は珍しくない。
スタートアップ投資や企業支援の現場では、優秀な人材が会社を去る瞬間を何度も見てきた。驚くほど、理由は似ている。
給与ではない。
環境でもない。
「未来の手触り」がなくなったとき、人は去る。
優秀な人が辞める会社の4つの兆候
第一に、成長実感の消失。
入社直後は、毎日が学びの連続だ。
しかし2年、3年と経つと業務はルーティン化する。
優秀な人ほど敏感だ。
「このままでは自分の市場価値が下がる」
この感覚は恐怖に近い。
第二に、意思決定からの排除。
現場で成果を出している人間ほど、会社の未来について考えている。
しかし、会議室のドアは閉ざされている。
「まだ早い」
「それは経営の仕事だ」
この言葉が続くと、人は気づく。
自分はこの会社の未来を作る側ではない。
第三に、上司やポストの天井。
能力の問題ではない。
構造の問題だ。
自分より能力の低い上司が、長年その席に座っている。
つまり、いくら努力してもポストが空かない。
日本企業では、この「詰まり」が非常に多い。
そして第四が、最も深刻だ。
ビジョンへの共感の喪失。
創業期の会社には熱がある。
「社会を変える」
「新しい価値を作る」
しかし会社が成長すると、いつの間にか言葉が変わる。
「今期の数字」
「KPI」
「売上目標」
数字は必要だ。
しかし数字だけでは、人は動かない。
人が動くのは、物語だ。
年収が下がっても転職する理由
ある企業で、優秀なエンジニアが突然辞めた。
年収は高かった。
福利厚生も整っていた。
それでも彼は去った。
理由はシンプルだった。
「半年前に提案した新プロダクトが、検討すらされず消えたんです」
彼は別の会社へ移った。
年収は50万円下がった。
しかしそこでは、入社1ヶ月目から経営会議に参加していた。
そして自分のアイデアがプロダクトになった。
人はそのとき、こう感じる。
「ここにいる意味がある」
給料では人は残らない
経営者の多くが誤解している。
人材流出の原因を「給与」に求める。
しかし実際は逆だ。
給与は入口であり、
定着の理由ではない。
残る会社には共通点がある。
• 成長できる
• 意見が届く
• ビジョンがある
この3つだ。
日本企業が見落としていること
日本企業の多くは、
「人材管理」を制度で考える。
評価制度
給与制度
人事制度
しかし優秀な人材は、制度では動かない。
彼らが求めているのは、
意味(Meaning)
裁量(Ownership)
成長(Growth)
だ。
社員が辞め始めたとき
もし会社でエース社員が辞め始めたら、
給与テーブルを見る前に、次の4つを確認してほしい。
1. 成長機会はあるか
2. 意思決定に参加できるか
3. 組織に詰まりはないか
4. ビジョンは生きているか
この4つが崩れた会社は、静かに人材を失う。
そして数年後、こう言う。
「最近、いい人が来ない」
だが本当は違う。
来ないのではない。残らないのだ。
“People don’t leave jobs. They leave cultures.”
人は仕事を辞めるのではない。文化を辞めるのだ。
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