映画『手に魂を込め、歩いてみれば』映画&トークイベントレポート
皆さんこんにちは!JVCインターンのそそぎです。
本日はポレポレ東中野で行われた、映画『手に魂を込め、歩いてみれば』上映&講演イベントレポートです!
イスラエルによるガザ攻撃が続いていた2024 年、イラン出⾝の映画監督セピデ・ファルシは、緊急に現地の⼈々の声を届ける必要性を感じていた。しかし、ガザは封鎖されており⾏くことは出来ない。そこ で、知り合ったガザ北部に暮らす24歳のパレスチナ⼈フォトジャーナリスト、ファトマ・ハッスーナと のビデオ通話を中⼼とした映画の制作を決意する。
以後、イランからフランスに亡命したため祖国に戻れない監督と、監督の娘と同じ年齢で、ガザから出られないファトマとのビデオ通話が毎⽇のように続けられた。そして、ファトマは監督にとってガザを知る⽬となり、監督はファトマが外の世界とつながる 架け橋となり、絆を築いていく。
ファトマは空爆、饑餓や不安にさらされながらも⼒強く⽣きる市⺠の姿や、街の僅かな輝きを写真に収め、スマホ越しにガザの様⼦を伝え続けた。監督が「彼⼥は太陽のような存在」と形容するように、彼⼥はい つも明るかったが、度重なる爆撃で家族や友⼈が殺されていくにつれ、表情を暗くしていく。そして悲劇はファトマをも襲う。

本作は、イスラエルからの攻撃が続くガザでの生活を丹念に記録した作品でありファトマさんの語りと写真を通じ、攻撃を受けるガザの状況を「ガザに生活する人々の視点」で描いたものです。私は初めての視聴でしたが、特に印象に残った点を3点挙げたいと思います。
1.ガザに住む人々の生活を追体験する
映画の中で衝撃的だったのは、ファトマさんの経験するガザでの生活の一部を垣間見た点でした。ファトマさんは、ファルシ監督とのやり取りの中で、 何度かガザの現状をおさめた写真や砲撃時の音声を共有していました。
砲撃の音声が流れた瞬間の恐怖がとても印象に残っています。ドアを乱暴に力いっぱい叩いているような音と、いつまで続くかわからない恐怖感。映画館にいるとわかっていても、音だけでその恐怖をすこしだけ体験することができたような気がしました。

©Fatma Hassona
2.一人一人のことを考える
ファトマさんが撮影した写真も印象的でした。ニュースでガザの動向が報じられる場合には、砲撃が行われる様子、そしてその砲撃による死傷者数が伝えられます。しかし、その砲撃で被害を受けた方一人一人のことは報じられません。
砲撃が生じた後、次なる砲撃の標的となる可能性がある中でもファトマさんはカメラを持ち、砲撃のその後をカメラにおさめます。ニュースでは語られない砲撃後の「現実」を、 ファトマさんの写真を通じて認識することができました。

3.ニュースのその先を考える
ファルシ監督との対話のなかで、ガザの食糧事情がたびたび描写されます。ファトマさんは、食料が十分でないことをたびたび述べますが、インタビュー当初は明るい表情も日を追うごとに厳しいものになっていきます。
ニュースで報じられる「支援物資が検問所で止められてしまう」ことが、ガザで生活する人々にどのように影響を与えているのかを少しだけ実感し、考えるきっかけになりました。

©Sepideh Farsi Reves d'Eau Productions

4.ガザの今と支援を知る
映画上映後には、JVCパレスチナ事業担当スタッフからJVCのガザでの活動や現在のガザの状況についての講演、質疑応答を行いました。
映画上映後の講演には、30人ほどの方々に参加していただき、JVCの行う粉ミルク支援や、ガザからの出入りに関する質問がありました。年齢を問わずご質問をいただき、パレスチナ・ガザに対する関心の高さを感じました。

JVCでは、子ども達への粉ミルクの支援を行っています。2024年ガザの現地パートナーNGOから粉ミルク支援の要望があった際、ヨルダンで粉ミルクを調達し、ガザへ運搬することを計画していました。しかし検問所で粉ミルクは待機状態となってしまい、支援依頼を受けてから約半年間、物資を届けることができませんでした。
現在では、ガザの内部で粉ミルクを調達し、現地パートナーNGOが配布を行うなど、必要な人に必要なものを確実に届ける支援を行っています。
JVCのパレスチナ支援について知る↓
5.最後に

私がニュースで見るパレスチナの様子は、爆弾の投下、検問所で止められる車両、政府高官の記者会見など外側の様子でした。そのため、パレスチナで実際に生活する人のことを考えることは少ないように思います。
この映画を視聴することが、パレスチナで生活する人の「現実」を少しでも知り、考えるきっかけになってほしいと強く思いました。

『手に魂を込め、歩いてみれば』はポレポレ東中野さんで、7月16日(木)まで上映される予定です!ぜひ関心がある方は、足を運んでいただければ幸いです。
また、ファトマさんのSNSには今回noteに掲載した写真以外にも、たくさんの写真がアップされています。ぜひこちらもご覧いただけますと幸いです。
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