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JVCインターン卒業レポート:沓掛里美 〜「帰ってこられる場所」としてのJVC〜

こんにちは!昨年の3月にインターンを卒業した沓掛里美です。

この記事では、通算2年近くにわたるインターン活動を振り返り、経験したことや学んだこと、意識していたことなどをお伝えします。


NGOの中を知りたい

インターンを始めたとき、そして今でもそうですが、私は「国際協力に詳しい人」ではありません。小さい頃から国際協力について調べていたというわけでもなく、大学ではドイツ文学・文化のゼミに所属していました。
いわゆる「国際協力」が興味範囲の中に入ってきたきっかけは、大学4年次のドイツ留学中、故郷を離れて厳しい生活を強いられる人たちに想いを馳せる機会があったことです。外国人として暮らすことの大変さを私自身も経験し、こういう人たちの状況を少しでも良くすることに人生を使いたいという思いが芽生えました。
どの業界も同じだと思いますが、「国際協力」の分野にも様々なアクターが存在します。国連、各国政府、企業、研究者、NGOなど...。就職活動も視野にこれらについて調べる中で、ぜひともNGOの内側を見てみたいと思うようになりました。聞いたことのある非営利団体をメモに書き溜めていたので、そこに載っている団体を端から検索し、たまたまインターンを募集していたJVCに応募。ありがたくも採用していただき今に至ります。

国際協力の様々なアクターが集まる「グローバルフェスタJAPAN」というイベントに、出展者側として参加

「NGOの中を知る」という目的を達成するため、インターン活動において心掛けていたのは「使える機会は全部使う」ということです。
まず、打診された業務はほとんど全て引き受けていました。基本的な担当である広報業務(SNSへの投稿、ウェブ記事の作成、メールマガジンの配信など)に加え、往訪への同行やイベントの手伝い、会報への寄稿など、関わった業務は多岐に亘ります。

歌手・加藤登紀子さんのコンサート会場で、チャリティ物販のお手伝いをさせていただいたときにボランティアの方と

また、勤務場所にはできるだけ事務所を選んでいました。事務所に来ると、職員の方や他のインターン生、お客さんなどと何気ない会話をする機会が得られるからです。業務の合間の雑談やランチの席などで聞いたことは、私のどこかに蓄積され、いつか必ず役に立つ財産になったと信じています。

NGOをもっと身近に!

JVCと関わるようになるまで、NGOは専門的な知識や職務経験などが求められる、狭き門の世界なのだと思っていました。業界全体にそういう側面が全くないとは言えないかもしれませんが、少なくともJVCは、私が想像していたよりもはるかに親しみやすくオープンな団体でした。そのことに気づいた私にとって、NGOに憧れる人たちの心理的ハードルを下げることが、インターン活動におけるテーマの一つになりました。

例えば、「NGOの中の人」と気軽に話せる場を作りたいという思いで、インターンの同期と一緒にイベントを3回企画・運営しました。卒業直前に開いた回には、高校生から社会人まで幅広い世代の方がご参加くださり、同じ興味関心を持つ人同士が交流する場を設けられたことが本当に嬉かったです。

参加者の方々とインターン生が談笑中。職員の方とお話しする時間もありました

また、一般の方にNGOの中の様子をご紹介したいという思いで、ブログ記事を何本か書きました。
例えばこちらは、イエメンという国に出張した職員の方から頂いた、お土産のお菓子をお見せする記事です。

JVCの活動地について知ってもらうとともに、お菓子を通して読者の皆さんとJVCとの心の距離を縮めたい、との思いから着想しました。

また、職員の方からラオス事務所についてお話を伺いつつ、現地の1日を紹介する記事も書きました。

海外事務所の様子を知る機会は、日本でインターンをしていてもなかなか得られません。そのため、私自身が気になっていたことを知る機会をいただけたという意味でもありがたかったですし、それを通して知り得た知識を外部に発信して「NGO中の様子を伝える」こともできたので、大変有意義な活動となりました。

ここでしかできない経験

「使える機会は全部使」っていたことにより、インターン活動を通して「ここでしかできない経験」をたくさん積ませていただきました。
その最たるものは、衆参議員会館の中に足を踏み入れたことです。大学生にして、院内集会(議員会館を会場とし、国会議員や報道関係者等を招待して開催する集会)やその事前準備の場に同席し、国会議員や記者の方々などから名刺を頂けることになるとは思ってもみませんでした。政策実行者と市民が直接話し合う場を体験することで、現場での支援とは切り口の違うアドボカシー(政策提言)活動の重要性と難しさを知りました。

初めて議員会館に行った時は、お土産にお菓子を買いました笑

他にも私の印象に強く残ったのは、活動地の情勢が急変した時の緊急対応の様子です。ハマスによるイスラエルへの奇襲とイスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区での虐殺が始まったのは、私がインターンを始めて数ヶ月が経った頃でした。スタッフの無事と安全を確認し、一次対応の方法を話し合い、メディア出演などを通した情報発信も行い...事務所には、最善の策を真剣に話し合う職員の皆さんの姿があり、厳粛な空気感に包まれていました。「何かが起こった時、一番最初に対応するのがNGOである。」このことを実感し、緊急対応の最前線という、NGOの仕事の一端に触れる機会となりました。

またNGOは、受益者の生の声という一次情報が届く場所です。考えてみたら、もしNGOの中にいなければ、例えば活動地で行ったヒアリングのメモを目にできる機会はまずありません。受益者の訴えや感謝の言葉などを、外部の人にできる限り広くまっすぐに伝えるということは、そのためのリソースを与えられているNGOスタッフの大切な使命なのだということに気づきました。

気づけたことと、出来るようになりたいこと

インターンを通して、個人的なスキルや考え方においても成長できたのではないかと感じています。
例えば、ライティングが上手になりたいという目標ができました。Webサイトやnoteへの記事掲載を担当することが続いたとき、職員の皆さんからのお褒めの言葉やnoteへの「スキ」などをたくさん頂いたことで、「もっと挑戦してみたい」と思うようになったのです。職員の方々から「読者層を想定する」「相手の立場に立って読みやすい文章を書く」など、ライティングにおいて重要な視点も教えていただき、長所を伸ばす訓練のような形で執筆に取り組みました。
中でも特に印象に残っているのが、新しく立ち上げたイエメン事業への寄付を募る、クラウドファンディングの活動報告を書くという業務です。

私の書いた記事が、活動地の現状やJVCのことなどを少しでも多くの方に知っていただけるきっかけになっていたのなら、心から嬉しく思います。

深く関わらせていただいた事業だったので、お礼状の送付作業中の感慨もひとしおでした

また広報に関わる中で、現地での活動のみならず、ご寄付をくださる方の存在がいかに大切かということを学びました。ご寄付そのものはもちろん、そこに乗せてくださるお気持ちが嬉しいのです。私たちの活動に共感し、私たちを信頼し、ご自身の大切なお金を託してくださる。このことの尊さに気付いた時には心が揺さぶられました。「同じ志を持つ仲間を増やし、その方たちに現地からの声をお届けする」という広報活動の重要性に思い至ることができたのは、インターンを通して得られた貴重な学びの一つです。

社会問題に対するスタンスも持てるようになったと感じています。それは、仕事/活動中のみならず日々の生活の中でも、人間の尊厳と安心を守ることを念頭に置いて過ごしている関係者の皆さんと出会ったからです。皆さんの姿を見ているうちに、私も「誰もが安心して自分らしく生きられる社会」の実現を目指す生き方をしたい、と思うようになりました。今では、ニュースを見たり買い物をしたりするときなどに、このことに基づいて考えを巡らせています。

JVCとも長年ご縁のある「シサム工房」さんというフェアトレードショップの店内

私もそうだったように、NGOに触れることで、より良い社会を目指して行動を変える人は多いのではないかと思います。このような仲間を増やすことは、NGOができること、かつ担わなければならない重要な役割の一つであるように感じます。

NGOは「高嶺の花」ではない

事務所やイベントの場などによく顔を出していたことで、色々な方とお話しする機会に恵まれました。その中で、インターンとしての業務のことだけでなく、組織としてのJVCの現状やそれに対する皆さんの思いなどを伺うこともありました。これは、まさにNGOの中に入り込まないと聞けない本当に貴重なお話で、将来NGOで働くことを検討する際にとても役に立つと思います。
また、私はインターンを始めるまで、NGOと言えば「頭脳明晰で経験豊富な聖人君子のような人たちの集まり」というようなものをイメージしていました。しかし実際に職員の方々とお話ししてみると、想像していたよりもずっと親しみやすく、組織としてのJVCには豊かな人間味がありました。また職員の皆さんの中には様々な経歴を持つ方がいて、「私でも海外駐在員になれるのかもしれない」と思えるなど、キャリアの選択肢の中にNGO職員を加えることへのハードルが下がりました。
NGOは、決して「高嶺の花」ではないのです。

インターン生が職員さんにインタビューをして記事を書くという活動は、
人生についての勉強にもなる大変有意義な時間でした

「帰ってこられる場所」としてのJVC

このように言い切れる理由の一つは、NGOには様々な関わり方があるからです。イベント参加者、支援者、ボランティア、インターンなど、その方法は多岐に亘ります。資金面で支えてくださる方、イベントに参加して一緒に声を上げてくださる方、ご自身の時間を割いて手を動かしてくださる方...NGOはこのような多様な人たちの力によって成り立っているし、より多くの人が関わることで活性化するのだと気づきました。
私も、今でもイベントに顔を出すなどJVCと繋がりを持ち続けているため、卒業したことをつい忘れてしまうときがあります(笑)この縁が切れてしまうのは寂しいので、これからも何らかの形で引き続き関わっていきたいです。

先日行われた写真展に顔を出したら、終了後の集合写真にも一緒に映ることになりました笑

私にとってJVCは、「帰ってこられる場所」です。こう思えるようになったのは、私を採用してくださり、丁寧にご指導くださり、信頼して仕事を任せてくださり、話しかけたり関わったりしてくださった、職員や関係者の皆様の存在なくしてはありえません。本当にありがとうございます。

インターン生の「卒業式」を開いてくださり、「卒業証書」まで頂きました...!

今後の人生において、もしも国際協力の道に進むことはなかったとしても、JVCでのインターンを通して学んだことは、必ず何らかの形で私の力になると信じています。


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日本国際ボランティアセンター(JVC) 最後までお読みいただきありがとうございました。少しでも国際協力・支援に興味を持っていただければ幸いです。 サポートだけでなく、スキ・フォロー・シェアなども国際協力の輪は広がる糧になります。ぜひよろしくお願いします。