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【エッセイ】初めて海外で暮らした街/あの頃の自分と交差したロンドン

20歳の時友達との卒業旅行で、
初めて自分でお金を貯めて3週間滞在したのがロンドンだった。
その時キッチン付きアパートを借りて滞在したのが、
ケンジントン地区にあるグロスターロード駅。
当時は日本人も多く住む治安が良い街として、旅行雑誌に掲載されていた。

今回もたまたま値段が安いサービスアパートがあって選んだけど、
また同じ場所へ、今度は海外ノマドとして訪れるなんて思ってもみなかった。

駅から降り立った時、懐かしい気持ちはあるのに、街は確実に変わっていた。
それでも駅からの道や景色、お店の並びは不思議と覚えていて、
「あの時泊まっていたアパートは、この辺りだった気がする」
と、記憶を辿るように歩いていた。

海外のスーパーで買い物をして自炊するだけでも楽しくて、毎日が新鮮だった。
そして途中で日本食が恋しくなり、少し高かったけど駅近くの日本食レストランで食べた和食が、ものすごく美味しかったことも思い出した。

でもある夜コンビニに行こうと外を歩いていた時、
道の向こうから歩いてきた男性が途中で建物の影に隠れたのが見えて、
とっさに怖くなって引き返したことがあった。

建物の影から覗く鋭い目つきを思い出し、あとからじわじわと怖くなった。
でも同時に「ここは海外なんだ」と実感して、
気持ちが引き締まると同時に背筋が伸びたのを覚えている。

また初めて差別的な言葉を向けられたのもロンドンだった。
通りすがりに小さく「Yellow」と呟かれて、
海外では日本人がこういう風に言われることもあるんだと、
少しだけ現実を知ったような気がした。

ヴィヴィアン・ウエストウッドの伝説的な本店「World's End(ワールズエンド)」も徒歩圏内で、
当時と同じくお散歩がてら歩いて行ってみたり、
クイーンのフレディ・マーキュリーの家にも行ってみた。

そしてロンドンでの初めての夜遊びは、ジャミロクワイのライブ。
カムデンタウンでもらったフライヤーで、デビュー間もない彼らがクラブでライブをやると知り、
思いっきりオシャレをして向かった。
並んでいる時に前にいた男の子と話したことや、
帰りに2階建てバスの2階から見た夜の景色も、今でも鮮明に覚えている。


思いがけず33年振りに交差したロンドンで、あの頃の私に伝えたい。

『あの経験があったからこそ、
今こうしてまたここに来てるよ』


海外に魅了された私の原点が、今も変わらずここにあった。

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