#028 とにかく仕組み化⑥進行感
「とにかく仕組み化」(安藤広大著)最後は「進行感」である。私の持論「人の最大の喜びは『自らの成長に気づくこと』」と似ている。組織においても、自分のやっていることが前に進むきっかけになっていることに気付かせる仕組みを作ることが大切である。どんなに素晴らしい仕組みを作っても所属意識や成長感を感じなければ、人はやる気を失っていまう。そうならないためにも「進行感」を大切にしていきたい。
どうやったら「会社が変わるか」を理解しているか?
「ウチの会社(学校)は全然変わらない。」という不満を聞いたことがある。そういった愚痴をこぼす人の話の共通点として「結局、校長(上司)が変わらないから、、、」というものが多い。確かにその通りだ。会社や学校の仕組みを大きく変えることができるのは経営者(校長)だ。
だからこそ、自分の影響力の輪を考え、影響できる範囲で変えていくことを考えていきたい。中間管理職(学年主任)ならば、その範囲で変えることができることがあるはずだ。変えることができない会社(学校)全体のことで嘆くのではなく、変えることができる範囲で、変革を起こしていく。その小さな一歩の積み重ねが「会社が変わる」大きな一歩になる。
「組織人」になろうとしているか?
本書では、この人にしかできない仕事を作りそこに依存する「属人化」を強く否定していた。私も、その考えに同感だ。しかし、「組織人」として少し上の立場から組織を見ることがでいる「組織人」になることで「この会社、組織ならできる」という大きなマインドチェンジを図ることができる。
「この仕事は、あの人に『しか』できない。」という「属人化」的な考えではなく、「この仕事は、あの人に『なら』できる。」と「組織人」として会社(学校)全体を見れるようになると、組織が大きく成長することができる。
人の上に立つ人間として、「一人では負えないこともチームならできる」といったマインドを持って采配できるようにしたい。
「この会社に居続けないと損だ」と感じるか?
組織人として、その会社(学校)の一員として活躍することができていると、その会社(学校)に自分の居場所がしっかり確保されているはずである。そして、自己の貢献感や有用感も得られるため、その会社に居続けたいと思える。そう思える環境で、働くことができることは大変素晴らしいこと、即ち「この会社(学校)に居続けないと損だ」と感じるはずである。仕組みを作る側の人間として、こういった思考を持って上に立つことが大切だ。
また、学校はこういった意味で最高の場所だと思う。金銭的な安定もあるが、大した給料はもらえない。しかし、それ以上にやりがいであったり、自己の成長ができたりとお金には変え難いものが得られる。「やりがい搾取」などの言葉があるように、一方的に「やりがいがあるから」などと言って過度の業務を与えることは、相手のストレスになり「こんな仕事、早く辞めたい」というマインドを生み出してしまう。しかし、人間が人間らしく充実して生活を送っていくためには、適度なストレスや相手への貢献感が必要である。教師という仕事は、このようなストレスや貢献感が得られる最高の仕事であると思う。だからこそ、上に立つ人間として、この仕事を続けないと損だと思わせるような仕組みを作っていきやすい。
「帰属意識」が芽生えているか?
本書には、「人を短期的な利益だけで見ると、アウトソーシングや業務委託でいい気がします。しかし、それでは『同じ仲間』という意識が芽生えません。」と書かれていた。仲間の意識が薄いと、それぞれの持ち場での仕事をただこなすだけで、次に行う人のことを考えたりより良いものをチームで作り上げようという意識が薄れたりする。そうなると、結果的に仕事のクオリティが下がり会社(学校)に対しての愛着も薄れてしまう。そのため、「会社(学校)のために一躍を担っている」という「帰属意識」を大切していく必要がある。
学校組織は、さまざまな学校運営に関わる仕事がある。職員会議などで提案され、提案通り機械的にこなすことある。そうなると、「帰属意識」は芽生え辛い。「帰属意識」を持つためにも提案に対して質問したり意見を言ったりすることが大切である。また、提案する側になった際は、例年の提案をそのまま出すようなことはしてはいけない。昨年のままで提案すると、それは自分の提案になっていない。そんな提案に対して他者(自分も含め)が「帰属意識」を持てるはずがない。何か一つでも良いので、自分なりの提案を作る必要がある。
まとめ
「とにかく仕組み化」(安藤広大著)のまとめは今回が最後である。学校現場に「とにかく仕組み化」は通用しない。と思いつつも本書を手に取ったが、「とにかく仕組み化」をすることで教育の効果が漠然と上がると感じた。
今回、まとめた「進行感」もまさにそうだ。「進行感」があるから頑張れる。「進行感」を感じることのできない環境で人は力を発揮しようとは思えない。そんな環境では学びも成長も鈍化する。また、これは教室運営でも言えることだ。
本書は、会社の経営者の立場の視点に立って書かれていたが、学級「経営」にも生かせることが多々あった。担任ならば学級の経営者であるし、子供達は将来こういった会社経営に携わる一員になるのだ。その観点からも「とにかく仕組み化」の考えは子供達にも必要になってくる。大人になっていきなり「仕組みの世界」に飛び込むのではなく、学校という小さな社会において「仕組みの世界」を味わっておくことも大切である。
