三谷幸喜演出『昭和から騒ぎ』感想~上演時間が一瞬に感じられた最高の喜劇!
2025年7月10日、シスカンパニー公演『昭和から騒ぎ』函館公演千秋楽感想
2025年7月10日、シスカンパニー公演『昭和から騒ぎ』の函館公演に行ってきました!
なんと、この公演は全公演の千秋楽。東京や札幌などの大都市ではなく、地方都市たる我が函館で千秋楽を迎えて下さるなんて感無量です。
本公演はシェイクスピアの『から騒ぎ』を三谷幸喜氏が翻案・演出した作品になります。
元祖ラブコメ=シェイクスピア作『から騒ぎ』が
古都・鎌倉を舞台にした三谷喜劇に大変身!
聞き耳、立ち聞き、盗み聞き…。
虚実が飛び交い、騙し騙され振り振られ、
果たして2組の男女は愛を成就できるのか??
三谷幸喜が初めて挑むシェイクスピア喜劇の翻案上演に、是非ご期待を!

私もシェイクスピアが大好きでこの原作の『空騒ぎ』も読んでいました。この作品については以前当ブログでも「シェイクスピア『空騒ぎ』あらすじと感想~素直じゃない二人を恋仲に?こてこてながらも気楽に楽しめる喜劇」の記事で紹介しましたが、ものすごくこてこての恋愛劇です。
そんなこてこての恋愛劇を三谷さんが翻案するとどうなるのか!もうこれは楽しみでなりません!
私は三谷さんの作品の中でも大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が特に好きなのですが、三谷さんの会話劇と言いますか人間関係の機微はもうたまりません。思わずくすっと笑ってしまうユーモアに私もすっかり虜でした。
そして本作『昭和から騒ぎ』もそんな三谷さんらしさに溢れた素晴らしい喜劇でした。
上演時間は1時間45分で休憩なし。ですが本当にあっという間!信じられないくらいあっという間に終わってしまいました。次から次に笑わせてくれて全く中だるみもありません。信じられないくらい時間が早く経ってしまいました。
やはり超一流の演出に超一流の役者さんが揃うとこんなにも素晴らしいものが出来上がるのだなと感嘆してしまいました。
これを函館で観れるなんて、なんと幸せなことか!本当に声を大にして叫びたいです。「函館に来てくれてありがとうございます!!」
数年前までは私自身、演劇やコンサートを観に東京や札幌に足を運んでいたのでありますが、最近は家庭の事情もありなかなかそれも叶わなくなりました。
函館は地方都市ということでどうしても東京や札幌のようにはいきません。大都市圏の皆さんを羨ましく思ってしまうこともありますが、こうして函館に素晴らしい演劇が来てくれたことに私は心の底から感謝したいです。
そして私は15年前の学生時代に『水曜どうでしょう』と出会い、それ以来大泉洋さんのファンでした。その大泉さんの雄姿を函館で見ることができ、これも私にとって実に嬉しいひとときでした。
生で観る大泉さんはスタイルがすごくよく、とてもかっこよかったです。私は2013年に真駒内で行われた水曜どうでしょう祭に参加していたのですが、その時以来の生の大泉さんでした。
かっこいいだけでなく、面白い大泉さん。動きから表情、セリフまで大泉さんですがシェイクスピア演劇にピタッとはまるその演技。シェイクスピア在世時にもそうした素晴らしい喜劇俳優がいて人気を博していたと思いますが、まさに超一流の役者さんのすごさを改めて感じました。
そして今回の演劇では出演する役者さんが大泉洋さん、宮沢りえさん、松本穂香さん、竜星涼さん、高橋克実さん、峯村リエさん、松島庄汰さん、山崎一さんという8人の少数精鋭ということでひとりひとりのすごさがより感じられたように思います。
『鎌倉殿の13人』の宮沢りえさんに痺れていた私にとって、あの宮沢さんのコメディを生で観れてとても贅沢な時間でした。マシンガンのように飛び出る毒舌もどこかウィットを感じられて憎めません。大泉さん演じる木偶太郎が「かわいい」と言ってしまうのもわかります。芯があって凛とした宮沢さんはとても素敵でした。そしてこんな面白い宮沢さんを観れたのはとても新鮮でした。
松本穂香さん演じるひろこはパンフレットによると唯一まともな人ということでしたが、あの濃い登場人物の中で普通に生活しているだけでまともではありません笑 一見まともですがやはりここぞという時の丹力はすさまじい。そのギャップが見ていて爽快でした。
竜星涼さんが舞台に登場した時は私も驚きました。びっくりするくらい手足が長くて顔が小さいのなんの!テレビで見ていたよりも数倍長く感じました!そしてこんなに男前なのにとことんアホなのがまた面白い笑
竜星さんほど男前ですとここまで真っすぐでアホな役は演じるのも難しいのではないかと思ってしまいますが見事にアホでした笑 木偶太郎が「もう少し考えて動きなさい」と言うのにすごく頷いてしまいました笑
高橋克実さんは終始独特な雰囲気を放っていて、特に終盤の思わず吹き出してしまうシーンは最高でした。あれは反則です笑
パンフレットでは「前に出ず引くことが大切になると思っています」と高橋さんは述べられておりましたがまさに絶妙な存在感でした。
峯村リエさん演じる明日香のキャラも強烈で、何度も場内を湧かしておられました。最初は地味な役回りかと思いきや途中から大泉さんを食うくらいの活躍っぷり!大いに笑わせて頂きました。
松島庄汰さんはもう何と言ってもあの独白のシーンです!舞台の照明がすっと切り替わりシェイクスピアお得意の内面暴露が炸裂するあのシーンは私も大好きです。無口かと思いきや内面ではしゃべるしゃべる!
そしてラストの退場シーンも唐突で、彼のいかれっぷりがよく出ていて面白かったです。シェイクスピアらしい力技と言いますか、キャラが暴走しても「あいつはそういう男なんだ」で済んでしまうあの展開に私も見事に置いていかれました。その置いていかれた感がまたじわじわ効いてきて観劇後も印象に残るのですよね。私は好きです。こういう力技。
最後に巡査毒淵を演じた山崎一さん。このキャラこそ今作で飛び抜けてぶっ飛んだ男でもあります。そのぶっ飛んだ正義感と「まわりくどい」機知があってこその「から騒ぎ」です。それにしてもあのぶっ飛んだキャラを演じるのは本当に難しそうだなと思いました笑
よく役者さんは役に成りきるといいますが、どうやってあのぶっ飛んだ男と一体化するのでしょうか笑
そして本公演のパンフレットもまた素晴らしいです。演出の三谷さんや役者さんたちのインタビューも面白く、シェイクスピア研究者の河合教授と三谷さんの対談はとても刺激的です。河合教授の本で私もシェイクスピアを学ばせて頂いていたのでこの対談は私にとって特に楽しいものでした。
本当にこの舞台はずっと笑いっぱなしでした。こんな素晴らしい役者さん達の演技を函館で観ることができ本当に幸せでした。
もちろん、もし私が東京や札幌公演に行けたとしても私はこの演劇に感動していたと思います。素晴らしい演劇はどこで観ても最高です。ただ、ただです。私の住む函館でこの素晴らしい演劇を観ることができたという嬉しさ、感動をとにかく叫びたいのです。
私はこの日を心の底から楽しみにしていました。三谷さんの演出するシェイクスピアを観ることができる!大泉さんに会える!演劇の第一線で活躍する超一流の役者さんたちの演技を観ることができる!こんな楽しみはありません。
いやあ、本当に素晴らしい舞台でした。この演劇を観ることができて本当に楽しかったです。これまで私は悲劇作品を観ることが割と多かったのですが、喜劇もいいものですね。とても楽しい思い出になりました。
ぜひまた函館で公演して下さることを願っています。
以下、公式ホームページにありました座談会や本読みの映像も掲載します。舞台裏のお話や三谷さんのとてつもないエピソードも聞けてとても興味深かったです。何より、ものすごく面白いです。ぜひこちらもどうぞ。
以上、「三谷幸喜演出『昭和から騒ぎ』感想~上演時間が一瞬に感じられた最高の喜劇!」でした。
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