楽曲レビュー 甘粒 幸祜×理芽
思い付きで楽曲レビュー(というより感想)をしてみようと思ってしてみました。楽曲レビューというよりは歌い方レビューなのかもしれませんが。(待てど待てどオリ曲が出ないからとか言うな)
第一弾は3月26日(水)リリースの”V.W.Pメンバー2名でデュエット歌唱した派生曲の1st Album”「繁殖」より「甘粒/幸祜×理芽」です。 (派生曲とはV.W.Pのメンバーからそれぞれ2名の組み合わせで歌うデュエット曲の総称で、全20曲が収録されています。理芽×幸祜と幸祜×理芽のように各組合せ2曲ずつあります。)
注意点
なお当方、V.W.Pは大好きですが理芽のほぼ単押しなのでメインがどっちであろうとセンターが誰であろうと理芽パート主体の感想になりがちなのでもし読むときはご注意ください。
あと基本的には感想ですので、言い切る形で言っていても解釈の一つにしかすぎず、基本的に語尾に(と、筆者は思う)的なものをつぎ足しながらご覧ください(予防線)
あと歌手たちは敬称略で書かせていただいています。申し訳ないです。
楽曲レビュー 甘粒 幸祜×理芽
甘粒は作詞・作曲がNeuron氏、編曲がYUBA氏の曲で、ボーカルは幸祜と理芽が務めています。幸祜側の曲になります。(理芽側の曲は素的といいます。機会があったら是非)
この曲のジャンルはっていうとどう答えるのがいいんでしょうか?(有識者がいたら教えてほしいです)
この曲の場面すると女性二人が遊びに行く約束をして一日でかける、そんな話でしょうか? いや、多分この二人は二人で遊びに行く約束をしていますが、まだ実際には遊びに行っていなくて、そのことについて二人がそれぞれ空想をしている、そんな場面でしょうか。
僕は”それぞれ”が、話し合っているんじゃなくて別々に空想している、ということが大事だと勝手に空想しています。話し合っているより別々に空想しているのにそれが噛みあっちゃうほうがエモくないですか?そして、2人は大学生で、出かける約束をした日が講義の無い平日ならなおさらいいですね。うーん、デュエット曲としてこれ以上ないシチュエーションのような気がしています。勝手に。
といった具体的な空想をしてしまうような、生活感がある一方でファンシーで甘美でちょっと非日常な場面を思い浮かべるてしまう、そんな曲と歌詞、そして歌声の曲だと思います。
さて、曲本編に入っていきます。
まず、この歌はメインの幸祜の歌いだしで始まります。テープレコーダーの再生ボタンを押す音から始まり、この曲のキーワードである「空想」から入ります。幸祜の歌声は息のエネルギーを全て音のある声に変換するようなストレートな歌声が本来の武器ではありますが、あえてここでは曲名にある通り「甘」い歌声を意識して音程にならない息をいつもより多めに使った、ちょっとささやくような歌い方をしていることが分かります(と勝手に思っています)。
つづいて、「くたびれた~」から理芽が入ってきます。
余談ですが、理芽は幸祜とは逆に普段から音程にならない息を多く含ませるような歌い方を武器としています。敢えてV.W.Pの5人の歌い方をジャンル分けすると(歌声をジャンル分けすることが好きじゃない人がいることは理解しています)花譜理芽と他の3人で分けられますね。(チョ氏はこれに声楽的歌い方が入ってきますね。)
言い方はあれですが、まっすぐピーンとストレートに届く幸祜に対して、理芽は雑音を歌声に混ぜることが異常に上手いです。雑音て言うと言い方があれですが。具体的に言うと「肩にのせた夢が」のゆ”め”で裏返るところとか、その前のくたびれた”~”の部分の揺らぎとか、まさに理芽って感じで良いです。そして「続けばいいのにね、続けばいいのにね」ここはこの曲のハイライトその①です。甘くてかわいい歌い方のはずなのに、狙ってか狙わずにかなんかこう、憂いが見事に入っている。甘いだけの歌だけじゃないよって言うのがここではっきり示されるわけです。あと耳もとボイスっぽい。素的。(イントロだけでこの量で白目、まとめるのが下手なようです。)
続いてlalala… メインは幸祜でハモが理芽、lalala…はフェイク、とは違うかもだけど、こういうパートは幸祜に一家言ありますね。さすがです。このパート、曲全体のお洒落感を押し上げます。硬い曲ではなくどちらかというと垢ぬけたような二人の話(曲)なんだな、という雰囲気にさせてくれます。
続いて二人の会話パート、二人が約束をする、あるいは約束を確認する場面でしょう。雰囲気としては組曲のギミギミ逃避行みたいな感じ(他の曲を引き合いに出すんじゃない)。ポエトリーではないし、これに対応する用語ってありますか?
ここの二人、ちょっとギャルっぽくっていいですよね。なんとなくですが理芽がちょっと自由人なギャルで幸祜はちょっと真面目な人っぽくて人に気を使いつつも意見はしっかり言う、そんな雰囲気です。
また理芽のことばっかりになってしまいますが、ここの芝居口調の理芽、むかしの理芽だったら確実にできなかったことだと思っているので、本当に上手くて感動します。いやこれは確実に武器だと言っていいくらい。
いやでも二人の芝居がかった歌い方も天才的にはまっているんですが、「君がコーヒー~」でのお互いのプライベートな情報を「最高級の情報」って言っているの、ホント天才的だなって思います。ここの歌詞。二人の強い友情を感じます。
つづいて「ラムレーズンだってほら一粒が幸福を撒いて」。これが甘粒ってコト!?
このパート、ささやきチックであっても幸祜の声はよく通りますね。一本のまっすぐな道があるみたい。そしてそれを支える理芽の下ハモ。バランス良すぎです。
と思いきや突然の理芽ソロ。この曲、理芽ソロパートの使い方がめちゃくちゃ上手いです。「この味は知"らな"い」のaの母音、最高に理芽です。どんな曲調、どんな歌い方でも不意に現れる一粒の”理芽”、これがめちゃくちゃ気持ちいいんです。生活にベタっと蜜をかけるような甘々なものじゃなくて、甘い一粒だけがあるのがいいんです。きっと(何言ってんだ)。
続いて「空想めいた~」ではじまるサビがやってきます。トーンや声量を大きく上げるようなサビじゃないですが、全体の雰囲気を整えるようなサビです。体を小さく横に揺らしたくなるようなメロディにリズム。心地よいです。
二番の会話パート。相変わらずいい語り。幸祜と理芽の掛け合い、イエスだね!二人の歌い方が全く異なるタイプだからこそソロパートの切り替わりが分かりやすくて雰囲気がとんとんと変わってもついていけるし、会話感がものすごく出て素晴らしい。
そしてここの歌詞、一番と違ってちょっと難しめの言葉を使っているところが逆説的に愛おしい。話し込んでいると普段使わない語彙とか考察が出てくるものですが、後でよくよく考えてみるとわけのわからないしょうもないことだったりしますよね。でもその時間が愛おしいわけです。歌詞が良すぎる…

2サビ~ラスサビ。やっぱお洒落で全体の雰囲気を規定してくれるサビ。とても好きです。「ふわっと香って咲いた」の変化が愛おしいし、「甘い甘いシフォンが」と言っておきながら甘いだけじゃない幸祜の歌い方にうっとりしてしまいます。苦みが浄化されちゃう。2サビもしくはラスサビでワンフレーズを変化させる曲がもうほんと好きなんですよね。僕は。
そして続くジャズ風の間奏。お洒落すぎる…。喫茶感満載で情景がありありと空想されますね。
そしてなんといってもアウトロ。最後の最後で雰囲気をガラッと変えても物憂げで大人っぽい、色っぽいローテンポなメロディで締めくくります。なぜこの終わり方を思いついたか本当にわからない(褒めてます)。
ここの理芽、昔の武器であるアンニュイさをうまく今の歌い方に落とし込めていて、成長を感じる(いや成長を感じるって言うのも失礼な話ですね)というか、いやもうさすがなんですよね。
おわりに
まとめる気がなくて長いレビューになりました。アップテンポで歌唱力で殴る曲もいいですが、ミドル~ローテンポでそれぞれの歌声をじっくり味合わせてくれる曲が大好きです。
この曲は日常の中の非日常というか、ほんのり苦い現実の合間に現れる一粒の甘粒のような、そんな世界観の強い雰囲気の曲でした。(いやうまいこと言えてないが)
そんな雰囲気の強い曲に負けるどころか見事楽曲の雰囲気を強めて一曲に仕上げた幸祜と理芽には脱帽です。控えめに言ってめちゃくちゃ好きです。甘粒。作詞作曲のNeuronさん、編曲のYUBAさんもめちゃくちゃ素敵でした。こういう曲も作れちゃうんですね。素晴らしすぎます。
今後もKAMITSUBAKI STUDIOから目が離せません。
