【Guiano × 理芽】imagine 楽曲レビュー① 1. 空っぽなら、踊ろうぜ
はじめに
・当方、理芽のほぼ単押しなのでデュエット曲であっても理芽パート主体の感想になりがちなのでもし読むときはご注意ください。
・基本的にはすべて感想です。批評や意見、評論ではありません。
・楽器や音楽知識は皆無なので使用する用語が間違っている可能性があります。その場合は教えていただけると幸いです。
・歌手たちは敬称略で書かせていただいています。申し訳ないです。
アルバム「imagine」について
このアルバムはフルアルバムとしては8曲と少なめですが、今までGuiano feat. 理芽として出していた曲(透過夏, 舞 注: 法螺話は理芽名義)は収録されておらず、完全新曲の7曲+1曲(いつもシミュレーションのみ vocalを可不→Guiano, 理芽として新録)を収録しているアルバムです。
それまでは1年に1曲ペースで出ていた通称”ぐいりめ”の曲がいきなり8曲も生えることになったので、当時の衝撃、というか喜びは今でもよく覚えています。
ちなみにこのアルバムを出した際にGuiano, 理芽のインタビュー記事も出ています。
毎回そうなんですが二人ともとても素直に答えてくれていて、このアルバム楽曲の吟味の助けになるので是非読んでみてください↓
このインタビューなどで語られているように、「二人の曲」かつ「Guianoメインで引っ張っていく曲作り」をしているためか、今までの楽曲のように理芽ボーカルを明らかにメインとする、というよりは二人のボーカルをバランスよく配置したり、曲によってはGuianoパートのほうが長かったりという構成になっています。
とはいえ、理芽がボーカルとして加わっている二人のアルバムである以上、Guianoソロとも理芽ソロとも違った歌声の魅力がこのアルバムの魅力であることは間違いありません。
メインコンポーザーである笹川真生の作る歌を歌う時は、理芽は「感情を排した歌い方(笹川真生本人曰く趣味)」を徹底しており、それが極めて優れたバランサーとして機能しているのですが、ぐいりめ曲はそれとは全く違った歌い方をしています。
それが笹川真生曲にない魅力を出しており、このアルバムも漏れずにその魅力がいかんなく発揮されている、というわけです。
(注:笹川真生の曲とそれを歌う理芽の歌い方がばっちりかみ合っていて、私自身大好き、という前提でぐいりめならではの魅力を言っています)
特に芽組視点でのこのアルバムの見どころとしては、8曲すべて理芽が違う歌い方をしている、という点でしょうか。
どう歌い方が違うのか、は聴けば一目瞭然と言えばそうですが、それぞれのレビューで触れさせていただきます。
1.空っぽなら、踊ろうぜ
アルバム「imagine」のリード曲。この曲のメインボーカルは1番理芽、2番Guianoではっきり分けています。
曲のタイトル通り、素直に捉えると欠点とされがちな「空っぽ」という言葉を、開き直って、だからこそ「踊ろうぜ」とポジティブに前を向いていく、という趣旨の曲(後述しますがこの「空っぽ」という言葉をポジティブに転換する歌詞が本当に見事)です。
1番イントロ
曲もそんなタイトル通り「とにかく踊って楽しもうぜ!」的な曲かと思いきや、いきなりはじけるようなイントロではなく、きれいな音を交えつつ、ゆっくりと時間をかけて盛り上がっていくイントロから始まります。
現代の歌において、これほどイントロが長い曲は珍しいらしい。
ただ、この長いイントロがいきなりの意外性をもたらすのと同時に、アルバムの始まりとしての雰囲気を大いに高めてくれていることは間違いありません(でもインタビューだとダンスミュージックを意識している、とあるので踊ろうぜ、という意味では意外ではないということに…)。
1番Aメロ
そしてイントロ終盤、どんどん盛り上がっていってそのままバーン!と歌いだすのかと思いきや、楽器がぱっと引いてキーボードが最小限のリズムを刻むのみになり、
理芽が 「何もない で痛い」 と
綺麗で儚い、でもまっすぐ通った歌声で歌いだしを"スッ"と決めてくれます。
この歌い方は笹川真生氏の曲ではあまり聴かない歌声で、このGuiano × 理芽の楽曲のオリジナリティを期待させる、そんな歌声になっています(と初めて聴いた時僕は思いました)。
ここ、そのままバッとサビ始まりでもよさそうなのに、そこで敢えてスッと引いてきれいに歌声を聴かせています。この構成、本当に好きなんですよね。
そういえば、笹川真生の曲ですが「おしえてかみさま」もイントロからAメロの聴かせ方が一緒ですよね。
ここのAメロ、理芽は基本ファルセット主体できれいに儚く透明に歌っていると思うんですが、「空っぽ "の" に "は" まぶしい」のところで一瞬汚く裏返って地声を混ぜる技法(ヒーカップだと思っていましたが、これ逆ですよね?フォールとも違うし、なんていうんですか?これ)を使っているのが最高に理芽で癖になるアクセントになっています。
こういう一瞬のテクニックが好き
1番Bメロ
そしてBメロの「明日からどうしよう」でGuianoが入ってきて、きれいで聴かせるパートからリズミカルで思わず体を揺らしてしまうパートに進んでいきます。
オクターブユニゾンの男声が入るだけで厚みが増しますし、Guianoのその率直な歌声によってドラムのようなリズム感が加わっているような気がします。実際ドラムも加わっていますが。
ここから理芽もきれいな歌声ではなく、少しイキったような、かっこつけたような、少年みのある歌い方に変わっています。ロック調の歌い方って言えばいいのかな(ちょっと適当)。
「こんな心でも”馬鹿”で踊っていたいよ」のがなり、最高ですよね。
1番サビ
そして1サビ。ここではAメロ同様、最低限のインストに引いて歌声も綺麗に聴かせるものに戻ります。落ちサビと言ってもいいような歌い方。理芽の歌声、うーむ、魅力的すぎる。
間髪入れずにもう1回、サビのフレーズを続けます。歌声のみを聴かせる前のフレーズとは違い、ドラムとGuianoボーカルを入れて畳みかけます。
先のAメロ→Bメロと同じ変化で、どんどんリズムに乗っていく感が出てます。理芽の歌い方も1フレーズ目と2フレーズ目では全然違います。
なんとなくネガティブなことを開き直ろうと無理に自分に言い聞かせているけどまだ開き直り切れていないのが1フレーズ目、自分に言い聞かせているうちにだんだん開き直ってきたのが2フレーズ目、というような印象もします。
サビ2フレーズ目の理芽の歌い方、少年のようなかわいらしさ(変な意味じゃなくて)があるし、がなりもうまく使っていて異様に気持ちがいいですよね。楽しそう。
間奏を挟んで2番に
2番~
1番は理芽メインで、2番はGuianoメイン。同じフレーズで構成・フレーズの変化のさせ方もほぼ同じですが、大きく印象が異なります。
(歌いだしのGuianoのブレス、とてもいい。)
Aメロとサビの1フレーズ目、1番と同様ボーカルにフィーチャーしていますが、感情というよりは歌声の綺麗さを聴かせるような歌い方をしている1番の理芽のボーカルに対し、2番のGuianoは歌声というより感情を聴かせるように感情を込める歌い方をしている印象を与えてくれます。
意図的かどうかは別にして良く対比されていて全く飽きません。
ユニゾンで入っている理芽も1番とは違ってGuianoがメインで支えている分、自由に歌っている気がします。
そして「お前は綺麗に舞える」「から↗」で思いっきり変化してフェイク、そしてラスサビにつなげていきます。ここのGuianoの直情的な歌い方はさすがとしか言いようがありません。気持ちいいね。
そしてラスサビ。二人とも前向きで楽しんで歌っていることが伝わるし、元気を出させてくれます。ほんとこの歌い方をする理芽は楽しそうなんですよね。笑顔になっちゃう。
歌詞について
Guianoの曲全般に言えることなんですが、割と素直でわかりやすい実直な歌詞の歌が多い一方で、言い回しが妙に巧い歌詞が多いんですよね。
詩的だとか幻想的だとか、抽象的だとかそういう上手い歌詞ではなく、具体的で現実的なんだけど、そういう考え方があったか!というようななるほど!と言いたくなるような歌詞があるんですよね。そこがとても好き。(本人にとって不本意だったらすいません)
で、多分この曲もご多分に漏れず説得力があって共感的な歌詞だと感じた人が多いんじゃないでしょうか。
1番のAメロBメロ前半はネガティブな歌詞で空っぽで中身のない自分に対する不安や自信のなさが色濃く出ている歌詞です。
そこから「こんな心でも馬鹿で踊っていたいよ」とこんな俺でも開き直って進んでいきたい、という願いが出てきます。
と、ここまではいいとして、
Youtubeのコメントでも書いている人がいましたが、なるほど!ってなったのはサビの「軽い方が高く舞える」という言葉ですよね!
正直、冷静に見ると子どもの口喧嘩で出てくるような屁理屈なんですが、そこがGuianoらしさと言いますか、、、見事に「空っぽ」という欠点を長所に変える考え方で巧い言い回しだな!ってうなるわけです。カラ元気だろうがこの歌詞は元気が出ます。
そして2番の「空っぽだって結構」に引き続いて「穴の形は違うさ」
これも同じく屁理屈で、「空っぽ」の意味合いを転換しています。
空っぽは中身が無いから空っぽであるわけで、その無い中身に個性があるわけがないのですが、中身はないけど空っぽの容器には、穴には形があるぞ。そこに個性があるぞ、と言っているわけです。
こうやって無個性と思われがちな「空っぽ」という言葉を個性を持ったポジティブな言葉に変換しています。
うーん、これはGuianoが書くからこそまっすぐポジティブな意味として伝わる気がします。巧い。
そしてなんといっても一番自分が好きな歌詞はラスサビです。
「踊ろうぜ 死ぬ前に
怖いのかい?じゃ音楽で搔き消そうぜ」
「踊ろうぜ うつむく前に
お前のステップで世界を変えようぜ」
ここが最高に良くてなんだか涙が出てきます。
「じゃ音楽で掻き消そうぜ」って何にも解決していない。解決できない。
そもそも恐怖や不安を根本からすべて無くすことなんてできない。
ただ掻き消して、聞こえなくして、見えなくして、気持ちだけ前向きにする。「音楽で掻き消す」っていうのはただそれだけの行為です。
でもそれが音楽だし、なんて現実的で、説得力のある歌詞なんだろうって思います。
音楽を聴いて、歌を聴いて何が解決できるわけじゃない。ただ気持ちを和らげたり、強めたり、変えたりするだけ。だけどそれでいい。
今日から明日の世界を変えるよって言ったって世界が変わるわけじゃない。でも、自分の心は変わるかもしれない。そしてそれが世界を変えることにつながるかもしれない。
Guianoと理芽の歌い方も相まってものすごく現実的なんだけど、その気にさせてくれる歌詞。それがこの最後に来るわけです。
そして、「お前のステップで世界を変えようぜ」と言っています。
世界を変えるのは人の音楽じゃなくて、「お前のステップ」=自分の行動、というわけです。
世の中、自分以外の他人を変えることは難しいし、ましてや世界を変えようと思って変えることなんてまずできない。
でも自分の行動を変えることはできるし、自分が変わることは(視点を変えれば)世界が変わる。地動説じゃないけど。
おわりに
結局長くなってしまいました。こんなに語りたくなるくらいこの曲が好きとということで許してください。(全曲を1記事にまとめようと思っていたなんて言えない…)
imagineの曲はどれも特徴的でどの曲も好きですが、その中でもこの「空っぽなら、踊ろうぜ」はお気に入りの曲の一つです。
今回も構成や歌のテクニックなどについても頑張って触れてみましたが、知識として間違っている可能性が低くないので、もし間違っているところを見かけたら教えていただけたら幸いです。
