怪談「日本人形」
「きゃあ!」
妙子が悲鳴をあげた。
「どうした⁈」
「また!あの人形が!」
俺は目を疑った。
昨日確かに捨てたはずの人形が戻ってきてる。
この人形は旅先の蚤の市で売られていた日本人形で、綺麗な着物とおかっぱ頭でよくあるちょっと怖い感じではなく、見ていてとても癒される、可愛い感じが気に入って即買いしたんだ。
でも持ち帰ったら妻がすごく怖がったんだ。
あまりに怖がるもんだから、もう捨てる事にしたんだ。
昨日は普通ゴミの日だったから、ゴミ袋に入れて普通にゴミとして出した。
…はずだった。
しかし何故か戻ってくる。
何度捨てても戻ってくる。
あぁ、どうしたもんか。
ん?なんだこれ?
俺は戻ってきた人形の髪や着物についてるゴミを手に取った。
紙クズにお菓子の袋の破片、あぁガムまでくっついてる。
俺は妻に言った。
「よし、ちょうど明日から3連休だ!気分転換に旅行に行こう!」
かなり強引だったが妻を説得して翌朝出発することになった。
金沢に着いた。
朝から近江町市場を歩いて海鮮食べて、
ひがし茶屋街で甘いもの食べて、
そして兼六園へ。
お土産も和菓子、金箔、九谷焼、加賀棒茶、海産物……と気づいたら紙袋だらけになっていた。
「ねぇ、今更だけどこんなに買っちゃって帰り大変じゃない?発送する?」
心配そうに言う妻。
俺は持ってきたバッグを掴み言ったんだ。
「何も心配いらないよ!この日本人形にお土産をくくりつければ、一緒に家まで戻ってくるんだから」
「ええっ!あの人形持って来てるの?」
「あぁ!そのために持ってきた!」
って、アレ?…無い。
確かにバッグに入れたはずなのに。
「ちっ、ヤロウ先に帰りやがったな」

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