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ゲイシャに踊らされて

ゲイシャに踊らされてしまった。
お座敷で、御酌をする芸者さんと野球拳をしたり、♪こんぴらふねふね~と唄い、踊る方ではない。
いや、それくらい心は踊っていたかもしれない。
そもそも芸者遊びもお座敷も経験ないけれども。
そっちの芸者じゃないし。
珈琲のゲイシャ種の話。

お気に入りのカフェへ。
ランチのメニューを決めて、珈琲を注文する。
珈琲は豆の種類を選ぶことができる。
あまり珈琲には詳しくないのだが、濃くてコクがあるグアテマラとフルティーなエチオピアを選ぶことが多い。
この日も、どちらにしようかメニューを見ていると目に飛び込んできたのが『ゲイシャ』の文字。

『ゲイシャ』って、あの『ゲイシャ』
私なんかが飲んでいいんですか。
頭の中ではほんのゼロコンマ数秒考えて、ぐるぐるぐるぐるぐるじゃん。
ほぼ、脊髄反射的に「コーヒーは、ゲイシャで」って、注文してました。
流通量が増えているのか、そこまでバカ高いわけではない。
いつもの珈琲よりは少々値は張るものの私でも迷いなく手が届く価格。

数年前に、テレビで話題になっていた。
収穫量が少ないため、豆の価格が高騰している。
珈琲を入れるために使う豆の量から換算すると、1杯5000円も1万円もするんだと。
そんな高級な珈琲をこの街で飲めるわけがない。
そもそもいくら珈琲が好きだからって、そんなに高いお金を払って珈琲を飲まないだろうと思っていた。

もうすっかり、ゲイシャという種類に踊らされている。
旅行のような非日常で、地元に戻ってからは決して被らない大きなつばの帽子のお土産を買ったり、値段もよく見ないで、勢いでバッグを買ったりするあの行動と一緒だ。

どうせ飲むならしっかり味わいたいので、食事の前にいただくことにした。

キタキタ〜
「ゲイシャコーヒーです。」
カップになみなみと注がれてやってきた。

ん、味は、エチオピアにとても近い気がする。
当たり前だ。
だってもともとエチオピアのゲイシャ(ゲシャ)ってところでとれた豆だもの。
エチオピアとゲイシャを並べて飲んだら違いがわかるかもしれないけど、
「違いが分かる」には、まだまだだ。

「ゲイシャコーヒー」の名前は日本の「芸者」は関係がなく、エチオピアの「ゲシャ」と呼ばれる地域に自生していたことがゲイシャ種の名称の由来とされている。
ゲイシャコーヒーが有名になった背景には、2004年に開催された国際品評会のコーヒーオークションにおいて、歴代落札価格の世界記録を更新して落札され「ゲイシャショック」と呼ばれている。
限られた土地でしか収穫できないため希少性が高いが、農園の努力で高い品質であり、人気が高い。

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