ツールに使われる人間になるな!開発経験20年エンジニアが語る、シミュレーションから学んだAI活用3ステップ
はじめに
こんにちは。HASエンジニアです。
最近はGPT-5がリリースされたことなど、AIの技術も発達してきて、
note等の記事作成にもAIが大いに貢献しています。
しかし、せっかくChatGPTやGeminiなどの生成AIを使っても、曖昧な答えばかりで結局手戻り…そんな経験はありませんか?
また、妄信的にAIの出力結果を、そのまま人に対して投稿、報告すると、
AIの間違いに気づけず、時間も信用も失う恐れがあります。
今回は私が20年以上開発エンジニアを経験し、その中でほとんどの期間
をシミュレーションツールに使っていた経験を元に、
ツールに使われる人、ツールを使いこなす人の気づきを共有、
AIとの付き合い方のヒントを共有します。
今回の記事は主に以下の方のために書きました。
・ChatGPTなどのツールを使うときの注意点が不明なAI初心者の方
・ChatGPTは使っているが、使いこなせている感覚がない方
・AIなどのツールの結果が本当に正しいか不安になる方
これを読むことで、AIなどのツールに対して「使われる人」から「使いこなす人」に変貌し、
AIの出力に振り回されず、自分の意図通りの答えを引き出せる、具体的なヒントを得られるはずです。

1.「お前はツールに使われているぞ!」
新卒エンジニア時代、私は製品設計に用いるシミュレーションツールを毎日のように使っていました。
部品の応力解析、流体の挙動、熱分布の予測……。
多面的な便利で強力なツールです。
しかし若手のころ、ある会議でこう言ってしまったことがあります。
「シミュレーションしたらこんな結果になりました。どうでしょう?」
その瞬間、上司にこっぴどく叱られました。
「シミュレーションツールの出力結果をそのまま鵜呑みにするな。お前はツールに使われているぞ!」と。
そのときの言葉は、今も鮮明に覚えています。
そしてこの経験は、今のAI時代にも通じる“道具との付き合い方”の原点になりました。
2.経験がないうちはツールは「先生」
当時の私は、シミュレーションツールを「絶対的な正解を教えてくれる道具」だと信じていました。
入力してボタンを押せば、答えが出てくる。それを報告すれば仕事は完了――そう思っていたのです。
でも現実は違いました。
シミュレーションは、初期条件や設定次第で、全く異なる結果を出すのです。
ただそんなことを言っても、駆け出しのエンジニア達はそんな条件設定の仕方や結果の期待値なんて分からない。
そんなときに当時の私のようにな初めてのエンジニア達に対して、上司はこう言いました。
「経験がないうちはシミュレーションツールは“先生”だと思え」
先生は答えだけを渡してくれるわけではありません。
こちらの質問の仕方や条件によって、教えてくれることが変わるのです。
つまり、結果をそのまま飲み込むのではなく、「なぜこの結果になったのか」を掘り下げて学ぶ姿勢が必要だったのです。
3.ツールを使いこなす段階への成長
経験を積むうちに、私は少しずつシミュレーションツールの「クセ」を理解するようになりました。
この条件ではやや安全側に出やすい
あるメッシュ設定だと局所的な値が跳ねやすい
実測値と比べると、この領域ではズレが大きい
そうやって、シミュレーションツールの得意分野と苦手分野を頭に入れた上で使うようになりました。
さらに、結果を出す前に紙と鉛筆による手計算で、
「この条件なら、だいたいこういう傾向になるはず」という予測を立て、
ツールの出力がその予測と大きく外れていないかを確認する。
この習慣が、私を“ツールを使いこなす側”に引き上げてくれました。

自分で仮説を立てられるようになってから、シミュレーションで確認するという
スタンスに変わっていく
4.現代のAIも同じ構造を持っている
そして2020年代。ChatGPTをはじめとする生成AIが登場しました。
質問すれば数秒で答えが返ってくる。まるで魔法のようです。
でも、AIもシミュレーションツールと同じで、入力次第で結果が全く変わる存在です。
プロンプト(質問)の仕方ひとつで、精度も方向性もガラッと変わります。
しかもAIは人間らしい文章で答えるので、つい「これが正解だ」と思ってしまいがちです。
しかし、その答えには必ず前提や仮定があります。そこを理解せずに使えば、昔の私のように「ツールに使われる」状態になります。
5.AI教師化→パートナー化3ステップの概要
AIを“先生”として使いこなすには、大きく分けて次の3ステップがあります。
詳細については別記事にする予定ですが、まずはこの3つの気づきを覚えてください。
1.まずは素直に質問する
大枠の方向性をつかむため、条件を細かく指定せずに聞いてみます。
2.答えを分解して理解する
回答が一般論なのか、現場で実際に使える提案なのかを見極めます。ここで「教師」としてAIから様々なアイディアや方法論を学び、現場で適用可能な条件をすり合わせていきます。
3.条件を足して改善質問する
ここからが、AIを自分のパートナーとして使いこなす段階です。
これまで学習させたAIの前提を踏まえ、自分が学んだうえで明確になった目的や制約を加えて質問することで、回答の精度が一気に上がります。
例えば製造業DXの相談で「アイディアを10個ください」と聞くだけでは、教科書的な提案しか返ってきません。
しかし、自分で学びAIの回答の“クセ”を理解した上で、条件や目的を具体的に加えれば、現場ですぐに検討できるレベルの提案が得られるようになります。
6.おわりに:AI時代の“道具観”
シミュレーションツールで学んだことはシンプルです。
道具はあなたを支配しない。あなたが舵を握る。
AIも同じ。答えを出すのはあくまでサポート役で、判断するのは自分です。
便利さに甘えすぎると、思考力も判断力も鈍ります。
だからこそ、まずはAIを“先生”として学び、その癖や限界を知る。
そして最終的には、AIを使いこなす“操縦者”になる。
それが、これからの時代を生き抜くための、道具との賢い付き合い方だと信じています。
あなたもぜひ、AIなどのツールを使いこなす側に回れるよう、今日から実践してみてください。
ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。
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