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ひょっとして舐められている!?付き合いに頼りすぎたサプライヤー管理 #PM奮闘記9

はじめに:突然の納期遅延の知らせ


「試作品の納期、2か月遅れます。」

そんな連絡が、ある日突然、長年つきあいのあるアジアの協力メーカーから届きました。

定例の進捗会議は担当が週1回確認を行っており、調達管理は適切に行えていると判断していたため、遅延の兆しはあっても1週間程度の遅延だと思っていました。

それがまさかの2か月遅延です。これがスケジュールのクリティカルパス(全体のスケジュールに最も影響を与える部分)となってしまい、全体の計画修正を余儀なくされました。

今回は実際に問題になったサプライヤー(調達先)が納期遅延について、その反省と学びを記しておきたいと思います。


1. 今までの信頼だけでは通用しない現実


このアジアのメーカーとは、10年以上の付き合いがあります。
当社も「当社製品のこの部分は長年付き合いのあるこのメーカー」ということで、今までの実績を買い特に何の選定プロセスもなく試作品、量産品を依頼していました。

ただ、今回の件ではこちらが納期遅延の兆候を察知しながらも、彼らの「なんとかします」という発言をそのまま信じてしまったのです。

2. なぜ甘く見られたのか?“信頼”だけでプロジェクトは進まない


後から振り返ると、彼らにとって我々の取引(裏を返すと我々がやっているビジネス自体)がそこまで優先度が高くなかったのかもしれません。

納期が遅延しても契約を打ち切られるリスクは低いと、彼らが楽観視しているように見え、足元を見られたかもしれません。

ただ、実は我々の側にも見直すべき点がありました。

彼らに対して「このビジネスがあなたたちにとってどれほど重要か」を十分に伝えていなかったことにあります。
また、取引先の選定自体も、正式な評価プロセスを踏まずに「長年の付き合いだから」という理由で継続していました。

これは企業によくある慣習的な判断ですが、サプライヤーの選定は信頼ではなくプロセスで行うべきだと痛感しました。

3. 代替メーカーの壁と育成のコスト


納期遅延を受け、何とか全体計画の遅延を最小限にし、それがビジネスに影響がないことを確認し、ステークホルダー(関係者)へ了承を取り付けました。

しかし、今回のサプライヤ選定について「今後はこういったリスクを想定して、代替候補を増やすのと、選定した経緯を明確にする仕組みを作るように」と指摘されました。

しかし、当社の要求水準(品質・対応力・価格)を満たせるメーカーは限られており、すぐに将来の代替候補を増やすことは困難でした。

仮に代替先の可能性があるサプライヤーを見つけたとしても、彼らを「育てる」には時間もコストもかかります。

費用対効果を考えて、サプライヤー側が断る可能性も高いです。

ここでも重要なのは、長期的な視点で我々のビジネスが彼らにとって魅力的であることを伝える努力です。

ただ単に「仕事を出す」ではなく、「あなたたちがこの仕事を取ることで、どんなメリットがあるか」を将来的な取引拡大の可能性やフォーキャストを含め、ビジネスの魅力を定量的に提示する必要があります。

4. いま見直すべき選定プロセス(RFI/RFP/RFQ)

PMBOKには以下の標準プロセスがあり、各段階で調達先を少しずつ選定します。

RFI(Request for Information):情報提供依頼書。
候補となるサプライヤーの能力や技術的特性を広く把握する。

RFP(Request for Proposal):提案依頼書。
具体的なソリューションや開発方針、体制などの提案を求める。

RFQ(Request for Quotation)
見積依頼書。価格交渉の前提となる。

このプロセスを通じて、客観的な評価基準に基づいたパートナー選定が可能になります。当社がよくやっている新規メーカの選定ですが、

  • RFIで候補10社程度から実現性の高い4社に選別

  • RFPで4社から納期、価格の面で優れ、当社とビジネスとして継続できる2社に選別

  • RFQで価格的にメリットがある1社に決める

このようなプロセスで段階的に絞り込んでいます。

これを再現性高く確実に実行できるよう、我々のビジネスを踏まえたRFI/RFP/RFQフォーマットの作成をPMO(Project Management Office)と協力し、ブレのない選定プロセスを築き上げました。

おわりに:信頼の再構築と教訓


「付き合いだから任せる」「昔からの関係だから大丈夫」
──そうした判断が、今回のような大きなリスクを生むことを実体験をもって経験しました。

今後は、しっかりとした選定プロセスで両者納得のいく結果を共有し、信頼を築いていく。
それが、本当の意味での“持続可能なパートナーシップ”だと実感しています。

最後までお読みいただきありがとうございました。PM奮闘記をシリーズとして続けています。お時間あれば是非ご覧ください。


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