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読書|鈴木 結生『ゲーテはすべてを言った』

単行本:192ページ
読了までにかかった時間:160分

「しかし、名言っていうのはさ、やはり人々の記憶に残ってなんぼだけど、作者が正確に記憶されることはまずないし、名言自体がしっかり継承されることも少ない。まぁ流石に、『人間は考える葦』の作者がパスカルってのは誰でも知ってるだろうけど、あれだって、この前アンケートとったら、一部の学生が『考える足』ー驚くなかれ、歩く方の足ね!ーと思っていたようですから、いずれそうなるかもしれません。(中略)」

鈴木 結生『ゲーテはすべてを言った』

タイトルに「ゲーテ」とあるし芥川賞だし、私なんかが読んでも絶対理解できないだろうな‥と諦めつつ、いや、やっぱり気になる、もしかしたらいつか読む日が来るかもと積読しておいたこの本。

ついに勇気を出して開いてみた。

確かに、知識と教養の無さすぎる自分には難解すぎて、「あ、なんか聞いたことある名前だけどこの人誰だっけ」「私ほんとにドイツ語選択だった?まったくドイツ語読めないんだけど」と挫折しかけたけど、それが不思議なことに、「分からない分からない」と思いながらもページを繰る手が止まらず、後半からは「ええ、そうなの?そうだったの!」「嘘でしょ!そこ繋がる?」と、気が付けば高速ミステリーツアーの車両に乗って旅しているような気分になった。

創作とは?学問とは?を問いかけ続ける、アカデミックな世界で生きる家族の冒険譚。ちょっと縁遠い世界の物語でありながら、ごく普通の家族の姿に親近感も感じる。

すごく下世話な感想を言うと、好きを追いかけられる人生って素敵で贅沢で羨ましいなと思うし、でもそれが可能な方にはぜひぜひその道を極めてこうして庶民の私にその一幕を垣間見せて頂けるとうれしいし、これから学問を修めようとする若者たちには、誰に遠慮することなく自分の興味を大事にして学生生活を楽しんで欲しいと願うと同時に、自分も興味を持ったことにもうちょっと時間を注いでいきたいと思った。

ということで、著者の講演会に申し込みました。当たるといいな。

鈴木 結生『ゲーテはすべてを言った』
朝日新聞出版 2025年1月15日発売

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