15歳、ただ会いたかっただけ。十七話 同じ不安
「どーしたの?なんかあった?」
「ううん、何もない」
「嘘だ。何かあったでしょ」
「としと喧嘩でもした?」
「してない」
それ以上の言葉が出ない。
張りつめた不安が、胸の奥に広がっていく。
「不安だよね」
みさきがぽつりと呟く。
やっぱりみさきには隠せない。
「うん、離れたくない」
「私も離れたくないよ」
少し沈黙のあと、思ってる不安を口にした。
「私だけが不安みたいで、としはどう思ってるかわからない」
「本当は、離れたくないって言いたい」
「だけど、どうしようもないことだし言えない」
「……とし、優しいもんね」
「うん」
「だから余計、不安になるんだ」
図星過ぎて、何も返せなかった。
「先の話しとかする?」
「……しない」
その答えを口にした瞬間、自分が一番傷ついた。
「みさきはかずきと、この先の話とかしてるの?」
「しない」
みさきも言えないんだ。
それだけ、簡単なことじゃない。
しばらく、2人とも黙ったままだった。
「……このままずっと一緒にいられたらいいのにね」
みさきが小さく呟く。
「うん」
頷きながら、その“ずっと”が簡単じゃないことくらい、わかっていた。
「離れるって考えるだけで無理」
「わかる」
「でもさ、そういう話すると、重いって思われそうで怖い」
みさきの言葉に、胸がぎゅっとなる。
自分だけじゃなかった。
そう思うのに、不安は消えてくれなかった。
「みさきは、不安になった時どうしてるの」
「えー……考えないようにしてる」
「出来る?」
「全然無理」
みさきが苦笑する。
「でも、会えると大丈夫って思っちゃうんだよね」
その気持ちがわかりすぎて、苦しくなる。
会ってる間は安心する。
なのに、離れた瞬間、また不安になる。
まるで終わりのない繰り返しみたいだった。
「……なんか、暗くなっちゃったね」
みさきが無理やり笑うみたいにそう言って、机に突っ伏す。
その姿が少しおかしくて、思わず小さく笑った。
さっきまで張り詰めていた空気が、少しだけ緩む。
だけど。
胸の奥に残った不安だけは、まだ消えないままだった。
その時、机の上の携帯が小さく震える。
画面に映った名前を見た瞬間、心臓が跳ねた。
『今なにしてる?』
たったそれだけの言葉なのに。
嬉しくなる自分がいる。
それと同時に、また苦しくなる自分もいた。
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